現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 山中に放置された「ランドローバー」をレスキュー! 所有して25年ほどになる個体はアルミ地肌むき出しでも「ノープロブレム!」

ここから本文です

山中に放置された「ランドローバー」をレスキュー! 所有して25年ほどになる個体はアルミ地肌むき出しでも「ノープロブレム!」

掲載 1
山中に放置された「ランドローバー」をレスキュー! 所有して25年ほどになる個体はアルミ地肌むき出しでも「ノープロブレム!」

今回が初開催となる「SWAP&MEET in 妙高」でランドローバー「シリーズ1」を発見

2024年4月20日(土)~21日(日)にかけて、スキーやキャンプなどで知られる老舗リゾート地でもある新潟県妙高市の赤倉スキー場エリアで初開催された「SWAP&MEET in 妙高」。この滞在型の展示イベントは、その名称からも分かるように「エントラントは車両の売り買い・交換自由」、「レストア途中や要修理の不動車も参加OK」というのが大きな特徴です。新たにスタートしたイベントで見かけた1台が、ランドローバー「シリーズ1」です。

クラシック「ランドローバー」がオシャレ! 上級者がたどり着いたピックアップの「シリーズ3」のあるカーライフとは

第二次世界大戦後にランドローバーが誕生

ランドローバーといえば、「レンジローバー」、「ディフェンダー」、「ディスカバリー」といった多彩なラインアップを揃えるイギリスの高級4輪駆動車専業メーカーとしてお馴染みだが、もともとは上質な乗用車を得意とする英国のローバーが、1948年のアムステルダム・モーターショーで発表した1台のオフロード汎用4WDがその原点。ローバーの作ったオフローダーということから、命名された車名がすなわち「ランドローバー」だったわけだ。

第二次世界大戦中に世界中の戦場で活躍した米軍の「ジープ」は、アメリカ軍のみならず、連合軍各国でも広く使われ、その高い汎用性に注目した各国の自動車メーカーは、戦争が終わると次々にジープに範を取った汎用オフロード4WDの開発を開始。イギリスのランドローバーもそのような経緯で誕生したモデルだ。

通称「寄り目」とも呼ばれる、初期モデルならではのユーモラスな顔つきが魅力的

「これは1953年式のランドローバー シリーズ1です。もともとは4ナンバーの商用車登録でしたが、リア部分をトランクとして2シーターの乗用車登録にしています。エンジンは2Lなので5ナンバーですね」

と語ってくれたのは、オーナーの小林正樹さん。車体前後のウインチやゴツい牽引フックなどの装備が、本来のヘビーデューティな用途を思わせる。

悪路の夜道でフェンダーをぶつけてしまってもヘッドライトが割れないようにと、グリル中央に寄せた独特の顔つきから「寄り目」とも呼ばれる、初期モデルならではのユーモラスな顔つきが魅力的。後年「寄り目だと夜間に対向車が車幅を見誤る」という理由から、ヘッドライトは左右のフェンダーに移設されるのだが、小林さんはこのほかにももう1台、1956年式の寄り目モデルを部品取り用に所有している。

>>>2023年にAMWで紹介されたクルマを1冊にまとめた「AMW car life snap 2023-2024」はこちら(外部サイト)

山中で放置されていた個体を前オーナーがレスキュー

「この個体は、前のオーナーが1990年頃に中部地方の山中で放置されていたものをレスキューし、それを2000年頃に私が譲り受けました。車検を切らしていた時期もありましたが、かれこれ4半世紀ほどの付き合いになりますね」

第二次世界大戦直後のイギリスは鉄材の供給が不足していたこともあり、アルミパネルとリベットでボディが造られたランドローバー。その構造は車体が軽くパネルが錆びないという利点の反面、鉄のフレームとアルミのパネルという異なる金属同士の結合部に「電蝕」と呼ばれる腐食現象が起きる心配がある。

そこで小林さんは、船舶などに使われている小さな防蝕亜鉛板をエンジンルーム内に取り付け、電蝕を予防するという細やかな配慮を施している。

ボディはアルミの地肌をそのまま活かしたスタイルに

「もともとのボディは緑色だったのですが、アルミボディがわかるように現在はアルミの地肌をそのまま活かしています」

という小林さん。ご存知の通りアルミのパネルは放っておく徐々に酸化して白っぽくなってしまうため、このように綺麗なアルミの輝きを保つにはマメな手入れが欠かせないはずだ。

その綺麗なボディには、なにやら文字が書かれた小さなステッカーが。見れば「NO ABS.」、「NO Airbags.」、「NO Electronic Injection.」、「NO Power Steerings.」、「NO Air Conditioner.」……とあり、最後に「NO Problems!」と締めくくられている。そしてボディ後部には「LAND ROVER SERIES ONE CLUB」の文字が白く染め抜かれた旗が掲げられている。

「これは英国のランドローバー シリーズワン・クラブの旗です。私、日本人で唯一のそこのクラブ員なんですよ」

と語る小林さんの寄り目のランドローバーにかける想いとその洒落っ気は、本国の愛好家たちと勝るとも劣らないのだった。

>>>2023年にAMWで紹介されたクルマを1冊にまとめた「AMW car life snap 2023-2024」はこちら(外部サイト)

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

ポルシェ963、LMDh初の“ジョーカー”導入を確認。「サスペンションに反映」すでに追加使用も予定
ポルシェ963、LMDh初の“ジョーカー”導入を確認。「サスペンションに反映」すでに追加使用も予定
AUTOSPORT web
Honda 0(ゼロ)シリーズ搭載予定の次世代技術を公開! ホンダの新EV戦略がいよいよ始まった
Honda 0(ゼロ)シリーズ搭載予定の次世代技術を公開! ホンダの新EV戦略がいよいよ始まった
ベストカーWeb
自ら志願したポルシェ離脱。“大きな組織”を離れ「アドレナリンをもう一度感じなければ」とマコウィッキ
自ら志願したポルシェ離脱。“大きな組織”を離れ「アドレナリンをもう一度感じなければ」とマコウィッキ
AUTOSPORT web
LMP2ですでに300周走行。「琢磨さんのように」IMSAテスト参加発表の太田格之進、アメリカへの強い憧れ
LMP2ですでに300周走行。「琢磨さんのように」IMSAテスト参加発表の太田格之進、アメリカへの強い憧れ
AUTOSPORT web
ついに決定か!! スライドドア採用の[新型ムーヴ]登場まで秒読み! カスタムは廃止も装備充実でナンバーワンを目指す
ついに決定か!! スライドドア採用の[新型ムーヴ]登場まで秒読み! カスタムは廃止も装備充実でナンバーワンを目指す
ベストカーWeb
オランダのカップルは3万キロ走破! 3カ月のバカンスは当たり前!?…そしてついに65センチのバラマンディがヒット!【豪州釣りキャンの旅_08】
オランダのカップルは3万キロ走破! 3カ月のバカンスは当たり前!?…そしてついに65センチのバラマンディがヒット!【豪州釣りキャンの旅_08】
Auto Messe Web
F1サンパウロGPスプリント速報|マクラーレンが1-2。フェルスタッペンは3位……角田裕毅15位
F1サンパウロGPスプリント速報|マクラーレンが1-2。フェルスタッペンは3位……角田裕毅15位
motorsport.com 日本版
マクラーレン、チームオーダー発令でノリス優勝。フェルスタッペン3位も審議対象に……角田裕毅15位|F1サンパウロGPスプリント
マクラーレン、チームオーダー発令でノリス優勝。フェルスタッペン3位も審議対象に……角田裕毅15位|F1サンパウロGPスプリント
motorsport.com 日本版
プジョーがまたも最速。トヨタ、ポルシェは虎視眈々、50号車フェラーリは7周のみ/WECバーレーンFP3
プジョーがまたも最速。トヨタ、ポルシェは虎視眈々、50号車フェラーリは7周のみ/WECバーレーンFP3
AUTOSPORT web
予選ヒートからペナルティ続発の波乱。勝者失格により南米王者モンテネグロが金メダル獲得/FIA MSG
予選ヒートからペナルティ続発の波乱。勝者失格により南米王者モンテネグロが金メダル獲得/FIA MSG
AUTOSPORT web
S4改め、アウディS5 アバントへ試乗 3.0L V6ターボのHVで367ps! 新デザインテーマの車内
S4改め、アウディS5 アバントへ試乗 3.0L V6ターボのHVで367ps! 新デザインテーマの車内
AUTOCAR JAPAN
24歳で手に入れ31年…「ミニ モーク」から「ミニ マーコスGT」に乗り換えた理由は…「増車するならまたクラシックミニですね」
24歳で手に入れ31年…「ミニ モーク」から「ミニ マーコスGT」に乗り換えた理由は…「増車するならまたクラシックミニですね」
Auto Messe Web
アストンマーティン、F1サンパウロGPスプリントは2台揃ってピットスタート選択。決勝へ向けた準備時間に当てる
アストンマーティン、F1サンパウロGPスプリントは2台揃ってピットスタート選択。決勝へ向けた準備時間に当てる
motorsport.com 日本版
日産、欧州向け小型EV開発へ 10年以上ぶり「Aセグメント」参入 ルノー子会社と協業
日産、欧州向け小型EV開発へ 10年以上ぶり「Aセグメント」参入 ルノー子会社と協業
AUTOCAR JAPAN
自身を批判する一部の人間に腹を立てるフェルスタッペン「僕はただパフォーマンスを発揮し続けるだけ」と気に留めず
自身を批判する一部の人間に腹を立てるフェルスタッペン「僕はただパフォーマンスを発揮し続けるだけ」と気に留めず
AUTOSPORT web
初PPのapr LC500h、先輩・小高からの“愛のあるLINE”で新人・中村も気が引き締まった?「明日は普通に走ることが目標です(汗)」
初PPのapr LC500h、先輩・小高からの“愛のあるLINE”で新人・中村も気が引き締まった?「明日は普通に走ることが目標です(汗)」
motorsport.com 日本版
誰が高速道路を「逆走」しちゃうの? 矢印読めないの? 事故件数“危険レベル” 対策どうなってるのか
誰が高速道路を「逆走」しちゃうの? 矢印読めないの? 事故件数“危険レベル” 対策どうなってるのか
乗りものニュース
水平対向エンジン搭載! 新型「2ドア“クーペ”」公開! ド迫力ワイドボディ&ツインターボでめちゃ楽しそう! 900馬力超えの「P39 40SE」英国に登場
水平対向エンジン搭載! 新型「2ドア“クーペ”」公開! ド迫力ワイドボディ&ツインターボでめちゃ楽しそう! 900馬力超えの「P39 40SE」英国に登場
くるまのニュース

みんなのコメント

1件
  • カーズの一味
    イギリスのローバーが経営破綻して、
    美味しいミニ部門だけBMWに持って行かれて、
    今やインドのタタ自動車の一車種。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

199.8万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

60.0498.0万円

中古車を検索
ジープの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

199.8万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

60.0498.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村