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【試乗】新型 フィアット 500e|フル電動化版は“チンク”にしてはちょっと洗練されすぎ?

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【試乗】新型 フィアット 500e|フル電動化版は“チンク”にしてはちょっと洗練されすぎ?

デザインに見合った乗り味のパーソナルコミューター

ドライブを始めて「ほほ~」と唸り、ドライブを終えて「ふぁ~」と満面の笑み、というのは基本、エンジン付きの500を初めて乗ったときの印象と同じものだった。そういう意味ではフル電動となっても「チンクはチンクらしかった」と言えなくもない。

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けれども、「ほほ~」と「ふぁ~」の意味合いは随分と違っている。 まずは「ほほ~」の解説から。

BEVというと、エンジンカーでの経験を大いに覆す加速パフォーマンスに圧倒、というのがテスラ以来のパターンだった。実を言うと、そういう感じにしか制御できなかったところを逆手にとっただけ、だったのだけれど、BEVはバカッ速というイメージがすっかり定着してしまい、中にはそれを魅力だと勘違いする向き(メーカーも悪い)も増えてしまった。

ところが、最近になって制御も進化し、穏やかな加速もできるようになってきた。その見栄えのキュートさに商品力の高さを感じ、期待していた500eだけに、試乗する前はもしアホみたいな加速をしたら幻滅だよな、どうか最新の制御になっていてくれ、と心配と期待が入り混じった心境だったのだ。

「ほほ~」と唸ったということはつまり安堵した。

アホみたいな加速とは無縁(きっとeアバルトにとってあるのだろう! )で、普段使いの乗用車として大いにアリだと思った。パーソナルなシティコミューターでデザインに見合った乗り味を実現している。第一印象は合格だ。 試乗会の起点となった、横浜の「みなとみらい地区」の舗装路は、案外荒れている。某地元メーカーの車で走ると乗り心地のひどさにへきえきとする場合もあって、逆にいうと市街地でのドライブフィールを確かめるにはもってこいの場所だ。500eは適度に重量感があり、路面に張り付きすぎず、荒れた道をスイスイとこなした。これなら石畳の多い、パリやローマでも重宝することだろう。

市街地でのドライブフィールを確かめた後、首都高速に乗って高速走行を試すというのが、この辺りで試乗会が催された場合の定番コースだ。大黒埠頭との往復には上り下りはもちろん、大小様々なコーナーやびっくりするような段差やくぼみなど、これまたテストにはもってこいな環境が“整って”いる。

500eの落ち着いた走りに驚いた。重いバッテリーを積んだ車はたいてい高速走行も安定しているが、そのぶん、よほどアシをしっかり作り込んでおかないとコーナーで床だけが動くような不安に襲われやすい。500eにはそれがない。適度に低重心で、アシもよく踏ん張ってくれる。このあたりは確かにガソリン車のチンク譲り。というか、最近のフィアット車らしい。

それゆえ試乗を終えて「ふぁ~」と笑った。

乗用車として街乗りから首都高速まで満足できたからだ。否、随分と上等な車になったとさえ思った。エンジンの500よりもずっと上質だ。逆にいうと、チンクとしてはちょっと洗練されすぎという感もあって、さすがは500万円近くする“高級車”だと妙に納得してみたり。 もう一つ、いいなと思ったのはオープンモデルの存在で、フル電動のオープンカーというと初期のテスラ ロードスターを思い出すくらい。車好きは得てしてトップを開放し、エンジンサウンドのシャワーを浴びたがるものだけれど、そうではなく、風の音だけを感じて走るオープンドライブも面白いということを改めて教えられた。

500のeの“C(カブリオレ)”は、普段使いのこだわりパーソナルカーとして、ちょっと愉快な選択になりそうだ。 文/西川淳 写真/阿部昌也

ガソリンエンジンモデル、500/500Cの中古車市場は?

愛らしいスタイルが人気の現行型の500は、2008年登場と息の長いモデルでもある。そのため中古車流通量も豊富で、オープンモデルの500Cを合わせると、1100台以上が流通している。個性的なボディカラーや装備などを備えた特別仕様が数多く登場しているので、その中から自分好みの1台を探し出すのも中古車ならではの魅力であろう。最安値帯としては本体価格20万円くらいから流通しており、中古車平均価格はハッチバックが約105万円、オープンが約150万円となる。 フィアット 500の中古車を探す▼検索条件フィアット 500 × 全国フィアット 500Cの中古車を探す▼検索条件フィアット 500C× 全国文/編集部、写真/ステランティス ジャパン

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