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乗ってわかったホンダの新型「フィット」の〇と×

■連載/金子浩久のEクルマ、Aクルマ

 フルモデルチェンジをはたしたホンダのコンパクトカー「フィット」。一見して、エクステリアデザインが大きく変わったことがわかる。ヘッドライトをはじめ、各部のディテールが改良されたことにより、先代よりも穏やかで優しい印象になった。今年2月13日に発表した新型「フィット」の累計受注台数は、約1か月後となる3月16日時点で3万1000台を超え、月間販売計画の3倍以上となる好調な立ち上がりとなっている。この新しい「フィット」を好ましく感じているが、ここからは実際に試乗した感想についてレポートしたい。

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機械として優れているか? ★★★★4.0(★5つが満点)

 Aピラーを細い2本に分けたことによって、前方の視界も大きく開け、運転しやすさに大きく貢献している。メーターパネルからも樹脂製の針がようやく消え、全面がモニター画面化された。ステアリングホイール左側のロータリースイッチで表示を切り替えていく。多くの機能と情報を整理整頓し、階層化できていて、見やすく使いやすい。「ホンダセンシング」と呼ばれるACC(アダプティブクルーズコントロール)やLKAS(レーンキープアシスト)などをはじめとする各種の運転支援機能を働かさせた時も大きく表示され、見やすくわかりやすい。



 しかし、メーターパネルの外側にはメーターパネルの明るさを調節するの大きなボタンが鎮座している。メーターの明るさなどそう頻繁に調整するものでもないのに、こんな良い場所にこんなに大きく設定する必要があるのだろうか。また、シフトレバーも太く立派なものが生えている。「レジェンド」や「インサイト」で採用しているボタン式にすれば、スペースを活かせるではないか。

 メーターパネルは刷新されているのだけれどもの、その新しさが他のインターフェースにまで及んでいないのがもったいない。「フィット」のパワートレインは2種類。1.3Lエンジンと1.5Lに電気モーターを組み合わせたハイブリッドが用意されている。1.3LエンジンとCVTミッションの組み合わせは、平均的な加速感。大きな不満点もない代わりに、特別にスムーズでも、静かなわけでもない。

 気になったのは、1.5Lに電気モーターを組み合わせたハイブリッド版。「e:HEV」と呼ばれるそれは、発電用と走行用の2個のモーターを搭載している。通常の走行ではモーターによる走行を行い、アクセルペダルを深く踏み込んだり、勢いよく踏み込んだりするとエンジンが始動してタイヤを駆動する。



 日産の「ノートeパワー」はエンジンは発電だけに終始し、エンジンはタイヤを駆動しなかったが、フィットはそこまで割り切ってはいない。停止から走り出す時や加速していく時のモーターならではの滑らかかつ静かで力強い走り出しが魅力的だ。

 ただ、速度を上げていくと、モーター走行特有の静けさが消失していく。最初は30km/h前後。タイヤの擦過音に混じって、ゴーッという音にならない音のような圧迫感が急に高まっていく。次が80km/h前後のところ。高速道路に乗って速度を上げていくと、エンジンルームからのこもり音が増大して、車内の圧迫感が高まっていく。同時にボディの風切り音もそこに重なり、状況によってはエンジン回転も高まり、さらにやかましくなってくる。

 速度が上がれば雑音が増大するのは当然のことで、どんなクルマも例外ではない。しかし、「フィット」が惜しいのは、ノイズの音量ではなくて、音質なのだ。もっとエンジンらしい排気音なり、もっとモーターらしい金属音ならば、多少は音量が大きくても耳が納得する。むしろ、アクセルペダルの踏み込みに応じてそれらが高まっていけば、エキサイトメントも高ぶっていくだろう。

 しかし、中途半端に抑制された音なので、茫漠としたコモり音となって、耳に不快な強い圧迫感を受ける。窓を開けると、ノイズは盛大に入ってくるが、圧迫感はキレイに消失する。また、未舗装路面でのコモり音も速度を問わず小さくなかった。

商品として魅力的か? ★★★★ 4.0(★5つが満点)

 新型「フィット」のカタログには、「日常がもっと心地よくなるように。」とある。素晴らしい考えだと思う。新型「フィット」は、ユーザーが日常的な用途の中で心地よくなれるクルマを目指したという。概ねその通りに仕上がっていたと思う。

 しかし、もう少し検討と開発を重ねるとさらに良くなるはずのところもある。その最も大きなものは、前述した通りのハイブリッド版のこもり音だ。意外だったのは、カーナビが、CarPlayとAndroid Autoに全く対応していないことだった。オプション設定も、グレード別の設定も行なわれていない。ホンダは日本の自動車メーカーの中で、いち早くCarPlayとAndroid Autoに対応したメーカーだったはず。軽自動車の「N-ONE」にいたるまで、すべてのモデルに対応させていたのに、なぜなのか?

 ようやく他の日本車メーカーも(アメリカ仕様に遅れて)日本仕様でも対応させるクルマが増え始めてきたのに、ホンダが逆行する理由がわからない。ナビゲーションにグーグルマップスを使ったり、SMSを読み上げ音声で返信できたり、Spotifyで音楽を聴くのにこれほど便利なものはないからだ。

 メディア試乗会で、新型「フィット」に自分のiPhoneをつなげて、CarPlayで操作しようと何度も試みたがどの階層にも見つからず、後で広報担当に質問したら、同氏も新型「フィット」にCarPlayがインストールされていないことを知らなかったという。

 走るだけで十分、カーナビも音楽も車載器で十分という人にはそれで良いのかもしれない。しかし、ついこの間まで、「そのメリットの大きさをユーザーに伝えたい」と僕に熱く語っていたホンダの他の車種の開発者たちがいたのは事実だ。

 CarPlayがインストールされていなくても、もちろん「フィット」は快適に走るが、そうした些細なところにこそメーカーの姿勢というものは現われるものだと思っている。現代のユーザーはインターネットの利便性をカーライフでも有効活用しようとしている。そうした世の中の流れを感じていないのだろうか。新型「フィット」では、その素晴らしいコンセプトがクルマ造りにキチンと反映されている部分と必ずしもそうではない部分が並存しているのが惜しい。今後の熟成を期待したい。

■関連情報
https://www.honda.co.jp/Fit/

文/金子浩久(モータージャーナリスト)

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