1997年、「21世紀に間に合いました。」をキャッチコピーとして、世界初の量産型ハイブリッドカーであるトヨタ「プリウス」が発売されました。それから2年後の1999年に、今度はホンダから当時量産車としては世界最高の燃費性能を誇る「インサイト」が登場します。
その後、両者はモデルチェンジを繰り返し、また、その舞台を世界へと広げて、熾烈な燃費競争を繰り広げてきました。そしていま、プリウスは4代目、インサイトは3代目と世代を重ねましたが2台、どのように進化してきたのでしょうか。
なぜ? ヴィッツ急上昇の謎… プリウス16ヶ月ぶりの首位 強いトヨタ4月の新車販売
今回比較するのは、プリウスが「A ツーリングセレクション」、インサイトが「EX」。駆動形式はどちらも2WD(FF)の、売れ筋グレードです。
価格は、プリウスが300万6720円、インサイトが349万9200円となっており、一見開きがあるように見えますが、インサイトには高機能な純正ナビゲーションシステムやETCが標準装備されています。
対して、プリウスのナビゲーションシステムはオプション設定となり、仮にT-Connect SDナビゲーション+6スピーカーオーディオを付けるには35万5320円の追加料金が必要となるため、実質的な価格差はほとんどないといえるでしょう。
ボディサイズは、プリウスが全長4575mm×全幅1760mm×全高1470mmです。対するインサイトは、全長4675mm×全幅1820mm×全高1410mmとなり、よりロー&ワイドなモデルといえます。
最小回転半径は、インサイトが5.3m、プリウスが5.4mとインサイトに分がありますが、全幅1820mmのインサイトは狭い路地を走る際には全幅が気になるかもしれません。
パワートレインについては、プリウスが搭載するのは1.8リッター直列4気筒エンジン+電気モーターを組み合わせたTHS-IIと呼ばれるハイブリッドシステムです。
THS-II自体は2代目、3代目プリウスにも搭載されていますが、現行の4代目プリウスに搭載されるTHS-IIは名称こそ変更はないものの、機構面ではこれまでと大きく異なっています。燃費の改善はもちろん、4代目プリウスから採用された新グローバルプラットフォームであるTNGAとの組み合わせにより「走る喜び」も追求されました。
エンジン単体の最高出力は98ps、最大トルクは142Nmとなっており、そこに最高出力72ps、最大トルク163Nmを発揮するモーターが組み合わされます。カタログ燃費は37.2km/L(JC08モード)となっており、ハイブリッドカーとしては世界最高水準です。
対するインサイトが搭載するのは、SPORT HYBRID i-MMDと呼ばれる2モーター式のハイブリッドシステムです。最高出力109ps、最大トルク134Nmを発揮する1.5リッターエンジンと、最高出力131ps、最大トルク267Nmの2モーターを走行状況により使い分け、高効率かつ快適なドライビングを提供。カタログ燃費は34.2km/L(JC08モード)と、プリウスにはおよびませんが、トップクラスの燃費性を誇ります。
プリウスとインサイトは、ともにハイブリッドカーですが、プリウスがガソリンエンジンでの走行を電気モーターがアシストするという構造なのに対し、インサイトは電気モーターでの走行を、ガソリンエンジンが主に発電用として使用されることでアシストするという仕組みとなっています。
2018年12月に3代目がデビューしたホンダ「インサイト」 続いて、安全装備やオプション設定について見てみましょう。まず、プリウスには「Toyota Safety Sense」、インサイトには「Honda SENSING」という安全運転支援機能のパッケージが全グレード標準装備となっています。
どちらも、プリクラッシュセーフティシステム/衝突被害軽減ブレーキや、レーンディパーチャーアラート/路外逸脱抑制機能といった基本的な機能が盛り込まれていますが、プリウスの場合、ブラインドスポットモニターやインテリジェントパーキングアシストといった装備は、エントリーグレードには標準装備となってはいません。
一方のインサイトは全グレード同等の装備ですが、インテリジェントパーキングアシストについてはどのグレードにも設定がありません。しかし、オートハイビームや車線維持支援システム付きのアダプティブクルーズコントロールが搭載されているなど、長距離の高速道路走行では嬉しい装備が搭載されているのがインサイトの特徴です。
また、前述の通りプリウスにはナビゲーションシステムが標準装備されていません。そのため、エントリーモデルを選択すれば乗り出し価格を抑えられますが、インサイトと同等の高機能なものを選択すれば価格的優位は薄れてしまいます。
ナビ以外にも、インサイトにはメーカーオプションで選択できる余地がほとんどないため、既製モデルの状態で購入しても十分な装備が搭載されています。対するプリウスは、さまざまなオプション設定を選択することで自分なりの1台に仕上げられるなど、ユーザーのニーズよって分かれる部分です。
かつては、同じハイブリッド車市場のなかで、ライバル関係にあったプリウスとインサイトですが、いまはそれぞれの道を目指しているようです。その背景には、インサイトの主戦場が北米市場になったことや、それぞれの環境に対する戦略があります。
その結果、プリウスはあらゆるニーズをカバーするオールマイティーなエコカーとなり、インサイトは上質な移動空間を兼ねたエコカーという立ち位置に変わっています。
また、プリウスには、今回紹介したグレード以外にも、より安価なエントリーグレードが設定されており、オプション設定も厳選すればインサイトよりはるかに乗り出し価格を抑えることが可能です。
一方で、インサイトでは数少ないメーカーオプションである本革シートなどを設定することで、乗り出し価格は400万円程度にまで上がりますが、その価格に恥じないエレガントなデザインや走りを堪能することができます。
もちろん、現在販売されている新型車のなかでは、随一の環境性能を誇るエコカーです。その上で、コストパフォーマンスを優先するか、エレガンスを求めるかがチョイスの分かれ目になるのではないでしょうか。
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