早くも折り返しを迎えた2023年ERCヨーロッパ・ラリー選手権は、この第5戦でシリーズ初開催地を訪問。WRC世界ラリー選手権でおなじみのスウェーデンはカールスタッドを拠点としたグラベル“サマーラリー”こと『ロイヤル・ラリー・オブ・スカンジナビア』が、7月6~8日の週末に争われた。
この記念すべき一戦には数多くのゲストが参戦するなか、ERCでの優勝経験も持つ現WRC2のトップランナー、オリバー・ソルベルグ(フォルクスワーゲン・ポロGTI R5)が“ワールドクラス”のドライブを見せ、選手権首位のヘイデン・パッドン(ヒョンデi20 Nラリー2)を抑え切っての通算3勝目をマークした。それでも初タイトルを狙うニュージーランド出身“Kiwi”のパッドンは、今季開幕勝利から4戦連続の2位表彰台という抜群の安定感で、シリーズでのリードを拡大している。
ヘイデン・パッドンやマッズ・オストベルグらを退け、地元マルティン・セスクが連覇/ERC第4戦
初開催イベントに向け、WRCレギュラーのみならずWorldRX世界ラリークロス選手権からオーレ・クリスチャン・ベイビー(フォルクスワーゲン・ポロGTI R5)らも顔を見せ、現地木曜から始まった予選ステージは週末の激戦を予感させる顔ぶれに。そんななかERC復帰組のフランク・トーレ・ラーセン(フォルクスワーゲン・ポロGTI R5)や地元フィンランド王者のミッコ・ヘイッキラ(シュコダ・ファビアRSラリー2)、そしてパッドンに加えて、ここまで2連勝中のマルティン・セスク(シュコダ・ファビアRSラリー2)らを抑え、オリバーが順当に最速タイムを記録して始まった。
「とてもトリッキーで地獄のように滑りやすく、クレイジーだった」とピレリタイヤを履いたポロGTIで、雨の4.43kmを制した21歳のオリバー。
「今は雨が止んでいて、水が掃けてさらにマディになっているから、さらに滑りやすくなっているところがあった。ここでより硬い側のタイヤを使用すると、ぬかるみの状況で最適とは言えない選択だった」と、大会前から親友らと車両整備に精を出しつつ、予選トップの手応えより反省の弁を口にした。
明けた金曜午前から、ヴェルムランド地域の森で全8SSの本格ステージ群が幕を開けると、序盤のSS1とSS2こそパッドンの先行を許したものの、続くSS3とSS4でオリバーが最速タイムを連発し、ラリーリーダーとして正午のカールスタッドに帰還した。
「確かにマージンは非常に小さいが、僕らは安全なペースの範囲内にいる」と、やはり慎重な姿勢を崩さないオリバー。「簡単ではなかったけれど素晴らしいステージで、ドライブするのが本当に楽しかったよ。僕と親友のふたりは事前準備のためにワークショップで熱心に働いてきたから、メカニックとしても楽しかった。でも、もし失敗したら……僕のせいだよね!(笑)」
そんなジョークは悪い方向で現実となり、午後のSS6ではWRC/WorldRX双方の世界王者でもある父ペターのコースサイド報告で「クルマが曲がりたがっていない」とのレポートがあったとおり、高速ステージでは致命的なパワーステリングのトラブルを抱えてしまう。
それでもSS7でふたたびの最速タイムを記録して反撃したオリバーは、最終的にパッドンとの差を10.2秒まで拡げて初日を終えることとなった。
■「家族全員でラリーを戦うのは素晴らしい気分だった」
「本当に間抜けだよ」と、開口一番に懺悔したオリバー。「コーナーが来てターンインするけど、そこでフロントがアウト側へ逃げだしてしまう。 こんなに速いと怖いったらありゃしない……」
一方のパッドンも「オリバーには逃げてほしくないから、プレッシャーをかけ続ける必要がある。 明日は戦いに出て、自分たちに何ができるかを確認するつもりだ」と、選手権優先の考え方を軸にしつつ、勝負を掛ける姿勢も見せる。
その言葉どおり有言実行のプッシュを見せた36歳のパッドンは、明けた土曜午前のSS9、SS10と連続ベストを叩き出し、それぞれ7.4秒、6.9秒とオリバーのマージンを削っていく。
しかし「自信はない」と語っていたオリバーも反応し、SS11では0.3秒差でステージベストタイムを奪い返すと、続く“コリンズ・クレスト”を含むWRCでもおなじみのステージでは、ジャンプも成功させベストタイムを記録。午後のループでも週末10回目のベストを奪ってみせる。
最終パワーステージこそパッドンに譲ってボーナスの5点を献上したが、最終的にその差を22.5秒まで挽回する完勝劇を演じてみせた。
「ヘイデンや他の選手たちに勝つために必要なアタックのレベルは信じられないほどで、素晴らしい勝負だった」と、前日午後にはステアリングラックとの格闘も制した『ロイヤル・ラリー・オブ・スカンジナビア』初代勝者のオリバー。
「間違いなく、これは最高の勝利のひとつだ。ここは本当に本当にホームで、自宅からわずか1時間程度だし、家族全員でラリーを戦うのは素晴らしい気分だった。親友(アイザック・ライアスン)もジュニア部門で勝ったし、とても素晴らしい時間になった。今晩はちゃんとしたパーティーにしないとね!」
これで4戦連続2位を決めたパッドンの背後には、選手権も争うチームMRFタイヤのセスクが続き「この北欧の超高速ラリーで得た表彰台は、ほとんど勝利のようなもの」と、そのポイント差拡大を34点に留める活躍を演じた。
また、シリーズレギュラー勢では初日に「パワー不足」を報告してトップ10圏外に沈んでいたマッズ・オストベルグ(シトロエンC3ラリー2)が、インタークーラーの交換で息を吹き返し、名物“コリンズ・クレスト”では新記録となる47mの最長不倒の大ジャンプも記録して8位までカムバック。
一方で、今季は不振が続くERC王者エフレン・ヤレーナ(シュコダ・ファビア・ラリー2エボ)は、SS10のスタートから2kmの地点で右コーナーアウト側に車体を落とし、左リヤのサスペンションを損傷して戦列を去る苦しいラリーが続いている。
これで真夏のグラベル3連戦を終えた2023年のERCは、続く7月28~30日にひさびさのターマック戦となる『ラリー・ディ・ローマ・カピターレ』が待ち受ける。
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