スカイライン伝説のひとつ「幻のケンメリ」
幻のケンメリスカイラインGT-Rのプラモデルが青島文化教材社から、発売されています。
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1972年の東京モーターショーに出展されていた「スカイラインハードトップ2000GT-Rレーシング仕様」のもの。印象深いブルーカラーは、当時「愛のスカイライン」イメージを強烈に発散しているものでした。フロントに着く大型チンスポイラー、ボリュームあるフェンダー、その後スカイラインの象徴リアとなった丸型テールランプ、まさに若者たちが憧れたケンメリGT-Rの組み立て式プラモデルです。
クルマの基幹産業とともに高度経済成長を突き進んでいった日本。市販車販売戦略のうえでも、ブランドの性能個性をアピールするレースのサーキットは華やかな舞台でした。そんな隆盛時代のレーシングマシンが、多々語り継がれているのは、実戦の記憶が蘇るからでしょう。
しかし、幻であった実戦、デビューに至らなかったレーシングマシンとしての伝説が語られるものは、数えるほどしかありません。その最たるものがこのスカイラインGT-Rレーシング仕様でしょう。
スカイラインは先代の通称「ハコスカGT-R」が絶大なる強さでレース界を蹂躙していました。さらなる期待感を込められて「ケンメリ」と呼ばれるスカイラインが1972年に登場。~道の向こうへ出かけよう 今が通り過ぎてゆく前に 愛と風のように~、という「ケンとメリー 愛と風のように」の歌詞テレビCMでの、イメージアップ効果は爆発的でした。
流麗なハードトップデザインの車として全国に知れ渡ったところへ、レースでの決定的強さを加味して「ケンメリ」を揺るぎない憧れのクルマとする、メーカーとしては当たり前の流れを進めていたのでしょう。
スカイラインの各種グレードのなかでS20型高性能エンジンを積んだ2000GT-Rは、レース仕様開発も進められ73年シーズンデビューを目指しました。日産ワークスドライバー高橋国光選手とともにデザインされたポスターも整っていたほどです。
しかし高度経済産業が終焉したと言われている1970年代初頭から環境問題も厳しく排ガス規制が強まりました。性能に秀でていたGT-Rバージョンは数ヶ月余で200台に満たないまま生産中止となり、社会的動向に相まってケンメリスカイラインGT-Rはレース断念となるのです。
レーシング仕様はカラーリングの違うものがニッサンに残されており、時折イベントでお目にかかることもあります。しかし身近なところ、夢と希望に溢れていた幻のケンメリGT-Rのプラモから、時代のそよ風を感じられるかもしれません。
◆1/24 ニッサンKPGC110 幻のケンメリレーシング #73AOSHIMA ザ・モデルカー No.48スケール 1/24価格:2600円(税別)
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