先輩ノリスもうかうかしてられない……驚異のF1新人ピアストリの台頭がもたらす“相乗効果”をマクラーレン喜ぶ

　シルバーストンで行なわれたイギリスGPでマクラーレンは、予選でランド・ノリスが2位番手、チームメイトのオスカー・ピアストリが3番手につけ、決勝レースでもノリスが2位、ピアストリが4位入賞を果たした。

　2021年のFIA F2王者で今季F1デビューを果たしたピアストリにとっては、これがキャリアベスト。レース序盤もノリスやマックス・フェルスタッペン（レッドブル）に食らいつく走りを見せた。

　ルーキーらしからぬピアストリの活躍にチーム代表のアンドレア・ステラも、彼の走りがノリスのパフォーマンスを引き出すとドライバー間の相乗効果を喜んでいる。

　マクラーレンはシーズン前半に苦しんだものの、オーストリアGPから大型アップデートの投入を開始。そのアップデートパッケージが実を結び、これがピアストリにとっても大きな弾みとなった。

　昨年の夏にアルピーヌ陣営から引き抜くために多くの労力を費やしたマクラーレンの期待にピアストリは見事に応えていると言えるだろう。

　チーム代表のステラによれば、ピアストリはノリスにもポジティブな影響を与えているという。

「オスカーのパフォーマンスは、彼がルーキーということを考えても際立っている」とステラ代表は言う。

「プラクティスからすぐ、彼はスピードを上げていくのだ」

「お互いにどこを改善できるか分かるから、これによってドライバー間の相乗効果も生まれる。そして両方のドライバーがパフォーマンスを上げていくのだ」

「だから我々が感心するだけでなく、競争力のあるドライバーふたりを抱えることで、双方が恩恵を受けることができる」

　22歳のピアストリにとってこれまで課題と言われていたのは、ルーキーが常々F1で苦戦してきたレースを上手く展開する“レース運び”の点だった。

　しかし、ピアストリはイギリスGPで卓越したレースを発揮。表彰台こそ逃したものの、これは不運なタイミングで出動したセーフティカーによるところが大きかった。

「オスカーが繰り出すスピードは、既に見た通りだと思う。（イギリスGPで）突出した要素はレース運びだった」とステラは言う。

「熟達したレース運びだったし、若いドライバーとしては非常に印象的なことだ」

　マクラーレンはオーストリアGPでまずノリスのマシンにのみ大型アップデートを投入。ピアストリは続くイギリスGPでそのアップデートを手にしたが、ノリスには新たなフロントウイングが投入されていた。

　ハンガリーGPでは、ピアストリにもこのフロントウイングが用意されることとなっている。そしてダウンフォースと空力効率を両立させるため、次なるアップデートも投入予定となっている。