現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > バカ売れの軽自動車が実はピンチ! 電動化の流れに乗れない事情と生き残り策とは

ここから本文です

バカ売れの軽自動車が実はピンチ! 電動化の流れに乗れない事情と生き残り策とは

掲載 更新 46
バカ売れの軽自動車が実はピンチ! 電動化の流れに乗れない事情と生き残り策とは

 軽の価格帯でストロングハイブリッドは難しい

 2019年度の軽自動車の販売台数は185万5967台、登録車は318万2760台だから、新車の3割以上は軽自動車となっている。ちなみに、2019年3月時点での乗用車の保有台数をみると、3ナンバー(普通車)が1926万台、5ナンバー(小型車)は2017万台、軽乗用車は2232万台。乗用車でいうと3台に1台は軽自動車となっている。

【今さら聞けない】ハイブリッドカーはなぜ燃費がいい?

 そんな日本の自動車市場において欠かせない存在といえる軽自動車だが、その未来が明るいとばかりはいえない。とくに、ここ数年の世界的な電動化ムーブメントは軽自動車にとって逆風にも見える。日本一売れている軽自動車、ホンダN-BOXは純粋なエンジン車である。

 スズキの軽自動車には「ハイブリッド」と名乗っているモデルもあるが、メカニズム的にはISG(インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター)を用いたマイルドハイブリッドであって、減速エネルギーの一部を回生して、加速時にアシストとして利用するというレベル。EV走行ができるようなハイブリッドではなかったりする。

 マイルドハイブリッドも電動化ムーブメントでは重要な役割を果たすといわれているが、トヨタ・プリウスに代表されるストロングハイブリッドのモデルほどの燃費改善効果は持たない。では、軽自動車でEVモードを持つようなストロングハイブリッドはあり得るのかといえば、疑問だ。ストロングハイブリッドはエンジンで発電するシリーズモードを持つことが特徴となるが、つまり発電用と走行用の2モーター式ハイブリッドである必要がある。

 マイルドハイブリッドのISGであれば、従来のエンジン車が使うジェネレーター(発電機)から少々コストアップするくらいで済むが、ストロングハイブリッド用の2モーターシステムというのは軽自動車に載せるにはコスト高なシステムとなる。さらにEV走行を可能とするには、それなりに出力のあるバッテリーも必要だ。こちらもコストアップ要因であり、ストロングハイブリッドの軽自動車を実現するのを難しくしている。

 日産が東京モーターショーに出展した軽規格EVが未来のヒント

 では、電動化時代において基本的にエンジンで走り、せいぜいマイルドハイブリッドしか搭載が難しい軽自動車は生き残ることができないのか。

 軽自動車の未来は、一足飛びにピュアEVになる可能性がある。エンジンと2基のモーター、バッテリーを積むストロングハイブリッドよりも、バッテリーこそ大きくなるがエンジンが不要でモーターも1基で済むEVのほうがコストダウンの可能性が大きい。

 海外でもフィアット500やルノー・トゥインゴといった小型モデルにピュアEVが登場するという流れになっているが、小型EVの場合はバッテリー搭載量をほどほどに抑えて、近距離移動のモビリティとして割り切ることで価格と利便性のバランスを取ろうという流れがある。

 そうした商品企画は、日本市場でいえばまさに軽自動車が担うべきカテゴリーとなろう。

 実際、2019年秋に開催された第46回 東京モーターショーにて日産が出展したコンセプトカー「IMk CONCEPT」は、2020年代という近未来を想定した軽自動車サイズのEVだ。それも既存の軽自動車をEV化するというのではなく、軽自動車規格に合わせた新開発の革新的なEVプラットフォームを採用しているというコンセプトだった。

 日産の軽自動車といえば、三菱自動車と共同開発していることで知られているが、三菱には元祖量産EVといえる「i-MiEV」で軽自動車規格のEVという経験とノウハウがある。ゼロエミッションビークルのニーズがどのように盛り上がってくるのか断言ではできないが、2020年代後半には軽自動車のメインストリームはピュアEVにシフトしはじめるかもしれない。

 そうなれば、軽自動車というカテゴリーはますます輝くことだろう。

こんな記事も読まれています

天然木材のテーブルが雰囲気抜群! トヨタ ハイエースがベースのキャンパー
天然木材のテーブルが雰囲気抜群! トヨタ ハイエースがベースのキャンパー
月刊自家用車WEB
EVが内燃車に追いつく日! 2026年、所有コストが同等に――バッテリー急落&中古拡大が生む大転換点とは?
EVが内燃車に追いつく日! 2026年、所有コストが同等に――バッテリー急落&中古拡大が生む大転換点とは?
Merkmal
ついに出た!!!!!!!! 待ってたぞ!! 2L×幌[ロードスター]が登場間近!?
ついに出た!!!!!!!! 待ってたぞ!! 2L×幌[ロードスター]が登場間近!?
ベストカーWeb
ラリージャパン2024の来場者数が発表。4日間合計54万3800人で前年を上回る
ラリージャパン2024の来場者数が発表。4日間合計54万3800人で前年を上回る
AUTOSPORT web
おじさん気軽に投票!! 今年の10台からどれを選ぶ!?  [クルマ総選挙 新車編]最終選考開始
おじさん気軽に投票!! 今年の10台からどれを選ぶ!? [クルマ総選挙 新車編]最終選考開始
ベストカーWeb
燃費はプリウス超え???? [次期型カローラ]は内燃機関の未来を背負って2026年に登場か!!!!
燃費はプリウス超え???? [次期型カローラ]は内燃機関の未来を背負って2026年に登場か!!!!
ベストカーWeb
2025年MotoGP暫定エントリーリストが発表。ヤマハは3年ぶりの4台体制、國井がMoto2へ参戦
2025年MotoGP暫定エントリーリストが発表。ヤマハは3年ぶりの4台体制、國井がMoto2へ参戦
AUTOSPORT web
新型[NSX]は1000馬力オーバーか!? ホンダが全固体電池搭載のハイパーBEVを投入する可能性大 
新型[NSX]は1000馬力オーバーか!? ホンダが全固体電池搭載のハイパーBEVを投入する可能性大 
ベストカーWeb
大ヒット予想!! マツダ[新型CX-5]が超絶進化! ハイブリッドモデル登場でしかも安いなら期待大!!
大ヒット予想!! マツダ[新型CX-5]が超絶進化! ハイブリッドモデル登場でしかも安いなら期待大!!
ベストカーWeb
3万7000台も売れたロールス・ロイス! 10年の予定が30年以上も貢献した「シルバーシャドウ」とは一体どんなクルマだった?
3万7000台も売れたロールス・ロイス! 10年の予定が30年以上も貢献した「シルバーシャドウ」とは一体どんなクルマだった?
Auto Messe Web
トヨタのラリー育成は4名全員がプログラム継続。3期生の松下、後藤はラリー3にステップアップ
トヨタのラリー育成は4名全員がプログラム継続。3期生の松下、後藤はラリー3にステップアップ
AUTOSPORT web
新生EVツーリングカーの2年目に向け、2025年STCCカレンダー発表。ヨーテボリ市街地を含む全5戦に
新生EVツーリングカーの2年目に向け、2025年STCCカレンダー発表。ヨーテボリ市街地を含む全5戦に
AUTOSPORT web
なぜ「モータースポーツ新会社」設立? GRとは違う「TGR-D」誕生!? トヨタ会長が語る会社分割の狙いとは
なぜ「モータースポーツ新会社」設立? GRとは違う「TGR-D」誕生!? トヨタ会長が語る会社分割の狙いとは
くるまのニュース
エリーゼを「徹底」レストモッド! アナログ・オートモーティブ・スーパースポーツへ試乗 ローバーKは維持
エリーゼを「徹底」レストモッド! アナログ・オートモーティブ・スーパースポーツへ試乗 ローバーKは維持
AUTOCAR JAPAN
ベントレーがストリート感漂う「PICANTE」とコラボしカプセルコレクションを発売! テーマは「旅」…懐メロも入ったプレイリストも公開中
ベントレーがストリート感漂う「PICANTE」とコラボしカプセルコレクションを発売! テーマは「旅」…懐メロも入ったプレイリストも公開中
Auto Messe Web
2025年のMotoE暫定カレンダーが発表。ハンガリー大会が新たに追加も年間7大会14レースに減少
2025年のMotoE暫定カレンダーが発表。ハンガリー大会が新たに追加も年間7大会14レースに減少
AUTOSPORT web
「早く月曜日になってくれ」勝田貴元が明かすシート喪失の重圧と、来季決定の瞬間/ラリージャパン
「早く月曜日になってくれ」勝田貴元が明かすシート喪失の重圧と、来季決定の瞬間/ラリージャパン
AUTOSPORT web
2025年ジャパンカップのエントリー受付がスタート。3月にはプレシーズンテストも開催へ
2025年ジャパンカップのエントリー受付がスタート。3月にはプレシーズンテストも開催へ
AUTOSPORT web

みんなのコメント

46件
  • そもそも日本限定なんだから、海外の規制なんか関係ない車種
    もし、国内で登録車の電動化が義務付けられても軽自動車は例外になるでしょう
  • 維持費、自然環境保全、電動化は不要です!
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村