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主要スタッフの離脱が続くレッドブルF1。予算制限のなか、ライバルチームが提示した高額の報酬に驚き

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主要スタッフの離脱が続くレッドブルF1。予算制限のなか、ライバルチームが提示した高額の報酬に驚き

 レッドブルのモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコは、レッドブルから人材を引き抜くためにF1のライバルチームが提示した多額の金銭的インセンティブに驚いたことを認めた。

 レッドブル・レーシングは近年、このスポーツにおける成功のベンチマークとなってきたが、現在チームの優位性はコース内外で大きな課題に直面している。レッドブルの技術および経営チームの主要人物だった数名は、他のチームでキャリアを積むことを選択している。伝説のデザイナーであるエイドリアン・ニューウェイはアストンマーティンに加わり、長年スポーティングディレクターを務めたジョナサン・ウィートリーはザウバー/アウディに移籍する。さらに、レッドブルの戦略責任者ウィル・コートネイが来シーズンからマクラーレンと契約を結んだことで、チームからの人材流出はさらに加速するだろう。

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 マルコは、このような離職率は成功の当然の結果だと認めているものの、ライバルチームがF1の予算上限を守りながら、引き抜いたスタッフにこれほど高額の報酬パッケージを提供していることに懸念を表明している。

「もちろん、3年連続でタイトルを獲得し、2023年に圧倒的な強さを見せれば、チームのメンバーは他のチームの羨望の的となるだろう。それはF1固有のことだ」とマルコは『ORF』のインタビューで説明した。

 しかしマルコを驚かせたのは、他のチームからの関心ではなく、彼らが提示している報酬パッケージの規模だ。

「私が驚いたのは、提示されている金額だ」

「我々は常に予算制限に苦労している。財政面での制約があるのだ。しかしそれでも、これらの従業員には我々が支払っている給与の2倍以上の額が提示され、彼らはここよりも高いポジションに就いている」

 2021年に導入されたFIAの予算制限は、チーム間の財政格差を制限し、グリッド全体でより公平な競争条件を確保することを目的としていた。F1界で最も裕福なチームのひとつであるレッドブルは、一貫してこの上限に近い給与で運営してきた。そのためマルコの発言は、同じ財務規制の下で運営されているチームが、どのようにして新たに雇う人材にこれほど大幅な給与増額を提示できるのかという疑問を提起している。

 マルコによると、この金額面でのギャップが、レッドブルがニューウェイやウィートリーのような主要人物を引き留めることができなかった理由のひとつだという。ふたりとも、20年近くにわたってチームの成功に欠かせない存在となっていた。

「エイドリアン・ニューウェイの場合は17年だったが、それでも全員を引き留めておくことはできないということだ。ジョナサン・ウィートリーの場合は、19年くらいだと思う」

 マルコは、チームの優位性向上に貢献した長年のチームメンバーを失うのは辛いことだと認めているが、そのような動きもスポーツの一部だと認識している。

「彼らはこのチームの一員であり、成功に貢献した。彼らが去るのは辛いことだ」

「しかし、給与と素晴らしいキャリアのチャンスは重要だ。同じものを提供できないのであれば、違いにならない。それが物事の自然な流れだ」

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