現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > ステアバイワイヤシステムはびっくり仰天の新技術!──新型レクサスRZの異次元の走りに迫る

ここから本文です

ステアバイワイヤシステムはびっくり仰天の新技術!──新型レクサスRZの異次元の走りに迫る

掲載 29
ステアバイワイヤシステムはびっくり仰天の新技術!──新型レクサスRZの異次元の走りに迫る

新型レクサス「RZ」に設定された「ステアバイワイヤシステム」を小川フミオが体験。次世代のステアリング・システムの実力も含めて試乗リポートする。

まわす必要ありません!

新型ホンダN-WGN登場へ──もっと上質な軽自動車へ!

レクサスはまもなく発売するBEV(バッテリー式電気自動車)の「RZ」に「ステアバイワイヤシステム」という新技術を搭載する。2022年6月終わりに、プロトタイプで体験したところ、「こりゃすごい、なんて楽チンなの」と、驚くばかりだ。

レクサスがテストコースに用意したのは「RZ450e」プロトタイプ。RZ自体は、2022年4月にオンラインで発表したバッテリー駆動のピュアEVであり、4805mmの全長に1635mmの全高で、前後にモーターを搭載した全輪駆動だ。

新型RZはドライブトレインこそ全モデル共通だけれども、ステアリング・システムは2本立てである。

従来のように円形のステアリング・ホイールと操舵輪とを物理的につなげたタイプと、今回、私が乗った、物理的結合をもたず電気モーターの信号だけで操舵するステアバイワイヤシステムだ。

レクサスの開発者が「(ステアリング・ホイールでなく)ハンドル」などと呼ぶ、ステアバイワイヤシステムの操舵装置は、ちょっと航空機を連想させるバタフライ型だ。

「手首の動きだけでキツいコーナーも曲がれてしまうため、円形である必要がないんです」

車両の機能などを磨きあげるレクサスの“TAKUMI”、尾崎修一氏が、いままで見たこともなかったハンドルのデザインを採用した背景を私に教えてくれた。

中立から左右に約150度で、スッと曲がってしまう。円形のステアリング・ホイールだとぐるぐると2回転ぐらいまわすのに対して、手首と腕のちょっとした動きだけで良い。

そもそも、従来の(円形)ステアリングシステムのRZも、気持ちの良い操作性をもつ。いっぽう、ステアバイワイヤシステムの、手首だけで操作できてしまうような感覚は、楽ちんとしか言いようがない。こちらに慣れてしまうと、“ぐるぐる”がかったるくなるんじゃないか?と私だって、心配になるほどだ。

意外とナチュラル

従来のステアリング・ホイールと比較すると、回転か?それとも、腕の振りだけか?という点で操作感は異なる。とはいえ、違和感はまったくない。そこは開発陣も苦労したんじゃないかなぁと思う。

なにしろ、従来のシステムだと路面のインフォメーションをドライバーに伝えるのも重要な仕事だった。前輪がどれだけグリップしているか?とか、走っている路面ではタイヤがどれだけグリップ力を発揮しているか?まで、大事な情報はステアリング・ホイールを通じてドライバーの手に伝えられる。物理的な結合がそれを可能にしていた部分は大きいはずだ。

ステアバイワイヤシステムでは、よけいな振動などはシャットアウトできる。いっぽうで、センサーをうまく使うことによって、ドライビングに重要な情報はドライバーに伝えることが出来るという。

「マスタードライバー(豊田章男氏)からは、『ドライバーがクルマと対話できるように』、と指示されてきました。開発陣はその言葉を胸に刻みながら、システムを作りあげてきました」

RZ主査の渡辺剛氏は、そう語ってくれた。

レクサスは、なるほど、「Lexus Driving Signature」なる言葉を掲げ、前出のマスタードライバーが提唱する「もっといいクルマづくり」を、このブランドならではの目標とし、推進しているとはよく聞く。

「電動化技術がもたらすレクサスらしいクルマを(中略)走行性能で体現し、BEVを軸とするブランドへの変革の起点となるモデル」とは、RZについてレクサスが広報用資料で謳っていることだ。電動車ブランドをめざすレクサスにとって、RZには基幹技術になる要素が詰まっているのではないだろうか。

「モーターの調整で、望むような操舵感覚が作られるステアバイワイヤシステムは、新しい4輪制御技術であるDIRECT4(ダイレクトフォー)とたいへん相性が良いと考えています。BEVを新しい次元に引き上げる技術です」

レクサスRZは、トヨタ「bZ4X」やスバル「ソルテラ」と一線を画す。ひとつはパワー。bZ4Xとソルテラの4輪駆動モデルが、前後ともに80kWのモーターを搭載するのに対して、レクサスRZは前輪を150kW、後輪を80kWのモーターで駆動する。

同時に、駆動システムもちがう。bZ4Xには前輪駆動車の設定もあるし、4WD車でも低負荷時は前輪駆動になるなどの特徴をもつが、RZは常時、前後の車輪に駆動力が配分される。

走っていると、路面からのキックバックは遮断されている。それは意図してのことだという。それでいて、ドライバーの目線の方向にすこし手首を動かすだけで、クルマがさっとノーズを向けるスポーティさはちゃんと確保されている。

日本におけるRZの価格などの詳細は今後明かされる。ステアバイワイヤシステムは量産モデルに搭載すべく鋭意開発中だ。楽しみに待とう。

文・小川フミオ

こんな記事も読まれています

ルノー ソニア・ビシェさんに「カングー」提供 フランス最優秀職人章のシェフ 国内移動に利用
ルノー ソニア・ビシェさんに「カングー」提供 フランス最優秀職人章のシェフ 国内移動に利用
グーネット
アストンマーティン 限定モデル「ヴァリアント」英グッドウッドで世界初公開
アストンマーティン 限定モデル「ヴァリアント」英グッドウッドで世界初公開
グーネット
認証不正問題を理解するキーワード「WP29」【石井昌道の自動車テクノロジー最前線】
認証不正問題を理解するキーワード「WP29」【石井昌道の自動車テクノロジー最前線】
グーネット
新型[デリカ]が衝撃デザインでデビューへ!! [クルマが透ける]機能まで!? 2026年登場で600万円か
新型[デリカ]が衝撃デザインでデビューへ!! [クルマが透ける]機能まで!? 2026年登場で600万円か
ベストカーWeb
ベンツが神話だった70年代の「W123」…驚きの安全性と最新テクノロジーは当時の国産車では足元にも及べない知恵が詰まっていました
ベンツが神話だった70年代の「W123」…驚きの安全性と最新テクノロジーは当時の国産車では足元にも及べない知恵が詰まっていました
Auto Messe Web
ブリヂストン 新スポーツタイヤ「ポテンザ RE-10D」発売 サーキットでのタイム短縮追求
ブリヂストン 新スポーツタイヤ「ポテンザ RE-10D」発売 サーキットでのタイム短縮追求
グーネット
サーキットも普段使いも!クラシカルなフルバケット「ジータIVクラシック」発表 ブリッド
サーキットも普段使いも!クラシカルなフルバケット「ジータIVクラシック」発表 ブリッド
グーネット
メガーヌ R.S.のように旋回? 新型ルノー・ラファールへ試乗 ドイツ銘柄からの顧客獲得へ期待
メガーヌ R.S.のように旋回? 新型ルノー・ラファールへ試乗 ドイツ銘柄からの顧客獲得へ期待
AUTOCAR JAPAN
竹岡圭さん「XCRスプリントカップ北海道」参戦!三菱&トーヨータイヤがサポート
竹岡圭さん「XCRスプリントカップ北海道」参戦!三菱&トーヨータイヤがサポート
グーネット
シンプルデザインで車内にマッチ タテ・ヨコ回転OKの車載スマホホルダー シズカウィル
シンプルデザインで車内にマッチ タテ・ヨコ回転OKの車載スマホホルダー シズカウィル
グーネット
アウディの充電施設、2か月で600名利用 新料金プランでサービス提供開始 東京・紀尾井町
アウディの充電施設、2か月で600名利用 新料金プランでサービス提供開始 東京・紀尾井町
グーネット
WECの“カスタマー締め出し”にポルシェが警告。10メーカー参戦の2025年、残枠はわずかに『2』か
WECの“カスタマー締め出し”にポルシェが警告。10メーカー参戦の2025年、残枠はわずかに『2』か
AUTOSPORT web
V8×MT×FR採用! 新型「スポーティセダン」初公開! “青感”高めた「豪華内装」が超カッコイイ「CT5-V ブラックウイング ル・モンストルE」アメリカに登場
V8×MT×FR採用! 新型「スポーティセダン」初公開! “青感”高めた「豪華内装」が超カッコイイ「CT5-V ブラックウイング ル・モンストルE」アメリカに登場
くるまのニュース
マクラーレン 初のEVスーパーカー計画、現在の技術では達成困難 「支援」要請
マクラーレン 初のEVスーパーカー計画、現在の技術では達成困難 「支援」要請
AUTOCAR JAPAN
駐車の際の「前向き」「後ろ向き」問題…日本での正解をお教えします! 米国で「前向き」が多いのは防犯上の理由もありました
駐車の際の「前向き」「後ろ向き」問題…日本での正解をお教えします! 米国で「前向き」が多いのは防犯上の理由もありました
Auto Messe Web
ハースが「文句なし」のダブル入賞。ペレスを抜き返したヒュルケンベルグが今季ベスト6位/F1第11戦
ハースが「文句なし」のダブル入賞。ペレスを抜き返したヒュルケンベルグが今季ベスト6位/F1第11戦
AUTOSPORT web
【最長/最深トンネル爆走】 ベントレー新型コンチネンタルGTスピード オープンのGTCも同時発表
【最長/最深トンネル爆走】 ベントレー新型コンチネンタルGTスピード オープンのGTCも同時発表
AUTOCAR JAPAN
『ビースト』という名のスクールバス!? 90名乗車でEV航続241km、米国で納車開始
『ビースト』という名のスクールバス!? 90名乗車でEV航続241km、米国で納車開始
レスポンス

みんなのコメント

29件
  • V37乗ってます
    ステアバイワイヤは同じ技術ですけど
    V37は異常があれば物理的にハンドルを繋ぐので今までのクルマと同じになりますが
    RZの場合だとエラーが起きた時の安全性が低いと思いますね
    もちろんV37で異常が発生した報告はないのですが
    信頼性ではどうかと思います
  • びっくり仰天の新技術?
    スカイラインではもう九年前に使われた技術で、その後改良されてアリアではすでに第三世代。データも豊富にとられている。トヨタなんて慌ててEVつくったもんだからタイヤすらもげてしまう。危なすぎる。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村