初代ハイエース サイズは?
トヨタ・グループで、ハイエースやノア/ヴォクシー、そしてアルファード/ヴェルファイアなどを製造しているトヨタ車体。
【画像】初代ハイエースのレストア車、EVのグローバル・ハイエース【隅々まで見る】 全36枚
同社は、以前から東京モーターショー(現ジャパン・モビリティショー)に独自のブースを出展し、さまざまなコンセプトカーや市販車を展示している。
今回も、トヨタ車体のブースでは、ユニークな商用バンやミニバンのコンセプトモデルを中心とした展示が行われていた。だが、ブースの片隅にひっそりと(というほど隠れてはいないのだが)、鮮やかなブルーにペイントされた初代ハイエース・デリバリーバンが展示されていた。
ハイエースは、トヨタ車体が開発から生産まで行っており、初代が1967年に登場したトヨタの商用1ボックス車だ。
現行型は2004年に登場した5代目で、かなりのロングセラーとなっている。2019年に登場した輸出仕様のハイエースは、日本ではグランエースとして販売されている。
この初代ハイエース・デリバリーバン、サイズは全長4305×全幅1690×全高1890mm、ホイールベースは2350mm。
現代のノア/ヴォクシーと比べても、けっこう小さく感じる。それでも3列のベンチシートを備え、乗車定員は9人と現代のミニバンよりも多いのだ。
この作業が、会社の財産に
その懐かしいスタイルとキレイに仕上げられたボディにちょっと惹かれたので、関係者に話を伺ってみた。
この初代ハイエース、レストアが施されているのだが、その発端は2017年のハイエース生誕50周年を記念して、お台場にかつてあったメガウェブで歴代モデルを展示したイベントだった。当時、トヨタ車体では初代ハイエースを保存してはいなかったのだ。
そこで、一般の方が所有するクルマやネットオークションなどを探しまわり、やっと個人所有の初代ハイエースを見つけて譲ってもらった。だが、永く商用車として使われていたため内外装はボロボロ。
展示用にレストアしなければならなかったが、専門のレストア業者ではなく、社内で行うことにした。
試作部のベテランと若手技術者がチームを組んで、初代ハイエースをレストアする。それは技術の伝承にもなり、会社にとっては目に見えない大きな財産となっていく。
内装は? 懐かしい操作系
外装は細かいパーツを外し、板金作業でボディを修復し、再塗装を施す。
内装もインパネまわりやシートなどを外し、使えるパーツはきれいに修復し、使えないパーツは新たなものに取り替える。
こうして、鮮やかなブルーにペイントされた初代ハイエースが仕上げられた。
じつは、このハイエース、正式な年式はよく分かっていない。初代ハイエースには前期・中期・後期と3タイプあり、フロントグリルなどの意匠が微妙に異なっているそうだ。
このハイエースは後期型のグリルを装着しているのだが、それもレストアで交換したパーツで、他にも年式の違うパーツはいろいろと使われているという。ともあれ、初代ハイエースであることに変わりなはい。
インテリアを見せてもらうと4速マニュアルのコラムシフトやステッキタイプのパーキングブレーキレバーが時代を感じさせてくれる。
完成前なのに、すでに人気モノ
リアサイドドアはスライド式ではなくヒンジ式。リアサイドウインドウ・ガラスは、かなり大きい1枚もの。
リアゲートは上下2分割タイプと、現代の目線で見るとなかなかユニークだ。
さて、内外装はフルレストアされた初代ハイエースだが、残念ながら機関にはまだ手をつけられていない。つまり、自走することはできない。
12R-J型と呼ばれる1.6Lのガソリンエンジンと前述のように4速マニュアルミッションを搭載しているのだが、次はこれのレストアに着手するという。
それでも、この状態でも見てみたいというファンは多い。そのため、オーナーズミーティングなどのイベントにはトランスポーターで運んで展示される機会があるそうだ。
ちなみに、走れる状態になり、ナンバーを取得するとなると「4ナンバー」登録になる。
鮮やかなブルーの初代ハイエースが、自走して多くのファンが待つミーティング会場などにやって来る。そんな姿を心待ちにしているファンだけでなく、ひとりのクルマ好きとしても、レストアが完成する日を楽しみに待ちたい。
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みんなのコメント
今思えば、あんな小さいのに意外と多人数が乗っていた