2022年のWRC(世界ラリー選手権)ラリージャパンの2日目SS4で、一般市民が運転する自動車がコース内に進入してしまうという事象が発生。WRC2クラスのドライバーであるサミ・パヤリとミエル・リンドホルムがこれに遭遇することになった。
ふたりのドライバーは、コースを逆走する車両との衝突を回避。しかしFIAはこの事象について問題視し、調査を開始するよう指示した。
■FIA、WRCラリージャパンでの”一般車のコース進入”について調査開始「僕らは飛ばして走っていた」と目撃ドライバー
調査の結果FIAは、ラリーの主催者が正しい安全手順を実施することに失敗したことを確認。今回の事件は単独で起きたものだったとして、今後の競技を安全に行なえるということを確信したようだ。
なお、スチュワードは安全対策に違反などがあった場合、イベントを即時に中止する権限を持っている。
当初競技長は、テープによって閉鎖されていたものの、マーシャルが常駐していない交差点で一般車両がステージ内に入ったと説明していた。しかし調査の結果スチュワードは、当該の一般車両がステージに入る前に同地を通過した数台の車載カメラ映像などから、当該の交差点がテープで閉鎖されていた可能性が非常に低いことを確認したという。
公表されたレポートには、次のように書かれている。
「競技長は、一般車両がテープで閉鎖されていたものの無人だった交差点でステージに入り、ステージに沿ってラリーのルートとは反対の方向に移動したと報告した」
「当該の一般車両は、一般車両がステージに進入していることを報告したマーシャルとカメラマンの協力を得て、すぐさまステージから排除することができた」
「このコミュニケーションは、困難な地形であることを考えれば、可能な限りタイムリーなモノだった。無線連絡は最初に関与したマーシャル間の双方向で行なわれ、続いてステージコマンダーに助言し、当該ステージコマンダーはラリーコントロールに通知した」
「マーシャルの行動にもかかわらず、2台のラリー車両が彼らに向かってくる一般車両に遭遇し、それぞれの競技車とニアミスを生じさせた」
「道路の片側にある柱に、テープが貼り付けられ、巻き付けられているのを見ることができた。これは典型的なセットアップに従った方法で、道路を横切り所定の位置にテープを留める準備ができている」
「このテープがそれ以前は道路を横切る形で貼られていたが、誰かがテープを剥がしてポストに巻き付けた可能性は低いと考えられる」
「この見解は、このステージを走った別の競技車のビデオ映像によって裏付けられている。つまりポストに巻き付けられていたモノ以外にテープが存在せず、交差点が開いていたことを示している。一般車両は、妨げられることなくステージに向かうことができたようだ」
「ステージが開始される前に、何台かの公式車両がステージを通過したことを考えると、これは安全プロセスの重大な失敗であると特定した」
スチュワードはイベント主催者側に対し、スチュワードとFIA安全担当代表団に正式に提示された対策を実施し、車両が通行できるすべての交差点に人員を配置し、マーシャルの役割の重要性を強調することで既存の安全対策をさらに改善するよう要請した。
FIAは、実施された追加措置によって大会が安全に継続されることに納得している。しかし安全違反の重大性から、この問題はFIAのクローズドロード委員会に付託され、完全な調査が行なわれることになっている。
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近年に見られる高齢者の誤認や静止無視での侵入であっても、バリケードなどの対策は必要だと思います。
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