ルノーはF1のパワーユニット開発プログラムを中止する可能性があるとされているが、最近アルピーヌF1のアドバイザーとなったフラビオ・ブリアトーレは、自身がこの件を推進しているわけではないという。
2024年シーズンも苦戦が続くアルピーヌ。親会社のルノーはF1事業から撤退との噂もされていたが、2026年以降に導入される次期PU開発を諦め、カスタマーとして他メーカーのPUを使用する方向へ舵を切ったと見られている。
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ただPU開発プログラムを終了させるというルノー側の姿勢に、PU開発拠点であるヴィリー=シャティヨンのスタッフは反発しており、再考を求める声明を発表した。
「当グループの経営陣はヴィリー=シャティヨンの2026年プログラムを停止し、おそらくメルセデスからのエンジン供給を選択すると見られている」
「挙げられている理由は、開発コストを1億2000万ドル(約173億円)から、(カスタマーPUのコストである)1700万ドル(約24億円)へと交換できるという、直接的な節約だ」
「我々はヴィリー=シャティヨンというエリート組織を潰し、メルセデス製PUをアルピーヌF1の心臓部に搭載することで、そのDNAと伝説を裏切ることが、何故正当化されるのか理解できない」
このルノーの判断について、6月にアルピーヌF1のエグゼクティブアドバイザーに就任したフラビオ・ブリアトーレは、自らがチームに加わる前に決まっていたことだと説明し、自身が主導したものではないと語った。
なぜヴィリーのファクトリーが“やれる”ことを証明するチャンスを与えたくないのか、そう問われたブリアトーレは次のように語った。
「問題は証拠なんだ」
「エンジンについてだが、これは既に経営陣が決めたことだったし、私としては問題はない」
「我々の会長が決めたことであれば問題はない。これは私がチームに来る前から、既に決まっていたことなんだ」
「私は常に悪いやつというわけではない。何であれ私を批判することはできるが、今回のことは違う」
■ブリアトーレ、人員削減はしない?
一方でブリアトーレは、アルピーヌが陥っている厳しい状況を好転させるために必要な変更を恐れていない。
ブリアトーレが不調の要因として指摘しているアルピーヌの問題のひとつは、意思決定に関わる人数が多すぎるというものだ。
こうした指摘から、F1チームの拠点があるイギリス・エンストンの運営を縮小させるのではないかという考えも生まれたが、ブリアトーレは必ずしもそうなるわけではないと語る。
ブリアトーレは自身の発言について、人員削減を意味しているのかという質問を受け、改めてこう答えた。
「分からない。エンストンでは人員が多すぎるのかどうか、私も分かっていない。確認させてほしい」
「我々は人員削減をしたいわけではない。効率化を望んでいるんだ。我々のところに残りたいという人は歓迎する。しかし我々はみんなを同一のラインに置かなくてはならない」
「経験のある人、F1チームとして一緒に働く人を求めている。その後は誰も解雇したくはない」
なおブリアトーレはエンストンで行なっている改革や、エンジンプログラムに見切りをつけることが、F1チームそのものの売却準備ということではないと否定した。
「いや、売り物にするものは無い」
「全て我々のものだ。仮に機会があれば、我々はさらにチームを買うだろうし、マネージングディレクターを任命するだろう」
「とても明確なことがある。ルカ・デ・メオは決してチームを売却するつもりはない。それで終わりだ」
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