もくじ
どんなクルマ?
ー エントリーグレードに試乗
ー エンジンは3種類
どんな感じ?
ー 十分な室内空間
ー スタンダードサスはクルーズ向き
ー レスポンスと経済性は良
「買い」か?
ー Mスポーツに期待
スペック
ー BMW Z4 sドライブ20i スポーツのスペック
どんなクルマ?
エントリーグレードに試乗
エントリーレベルのロードスターとして設定された新型Z4 sドライブ20iはBMW車の中でも甘美なハンドリングを持つことが期待されている。ということは、あらゆる車の中でもトップレベルのハンドリングを備えるに違いない。
以前行ったM40iプロトタイプの試乗からもわかる通り、BMWはこの3代目Z4の開発にあたり先代以上のスポーツ性を追求している。
変更点は多数確認できる。サスペンションは見直され、アルミニウムの割合が増加したほか、リアには新しい5リンク式が装着されている。エンジンは車両の重心近くに配置され、フロントのトレッドは98mmも拡大された。それと同時に、アルミとスティールで構成されるプラットフォームの剛性強化のためホイールベースは26mm短縮されている。これはBMW5シリーズや新型のトヨタ・スープラとも共有されるものだ。
もうひとつの重要な変更点は、ランフラットタイヤをやめミシュラン・パイロット・スーパースポーツをを装着していることだ。グリップが過剰かどうかは追って検証したい。ただし、FRレイアウト、均一な重量配分、より中央に近い着座位置など古典的なスポーツカーらしさを取り戻した点は期待できる。
エンジンは3種類
以前からいわれている通り、ハイブリッド仕様や完全なMバージョンの追加はBMW幹部の気が変わらない限りなさそうだ。つまり、ガソリンかつターボ付きの3種類のエンジンのみが選択できる。
今回テストしたsドライブ20iやsドライブ30iにはBMW製の2.0ℓ4気筒が搭載されそれぞれ197ps、259psを発揮し、0-100km/加速は6.6秒または5.4秒となる。最上級かつ718ボクスターのライバルとなるM40i Mパフォーマンスには3.0ℓ直列6気筒にZF製8速ATが組み合わされ、0-100km/h加速はわずか4.6秒だ。
いずれのグレードにも十分な装備が施されているが、ベース価格3万7000ポンド(547万円)のsドライブ20iスポーツにオプションで用意されている装備をご紹介しよう。
スポーツおよびMスポーツには18インチのホイールが装着され、後者にはMスポーツ・サスペンション、Mレザー・ステアリング、そして専用ボディキットが取りつけられる。そしてsドライブ30iの場合Mスポーツ・ブレーキも追加される。
sドライブ30iのみに設定されるMスポーツ・プラスでは、M40iと同じアダプティブサスペンションが含まれている。もうひとつの重要なオプションはコンフォート・パックだ。これにはヒーテッド・ステアリング、ウインド・ディフレクター、そしてトランクスルー機構が含まれる。
どんな感じ?
十分な室内空間
普段使いもできる2シーターのオープンを探すとしたら、このクルマ以上に最適な選択肢があるだろうか。
ハードトップをやめたことにより、荷室容量も拡大され大きめのダッフル・バッグが3つ入るようになった。そしてMスポーツ・シートとリアのバルクヘッドにも十分なスペースがある。前席の物置は少なく、カップホルダーはアームレスト内にぎこちなく設置されている。
とはいえその室内空間は十分に確保されているし、このクラスでカップホルダーが実用性を犠牲にすることなくきちんととりつけられているのはポルシェくらいのものだろう。
インテリアは良くできている。そしてこのクルマが純粋なスポーツカーというよりもグランドツアラー志向であることがわかる。ダッシュボードとデジタル化されたメーターパネル類との一体感はもう一歩ともいえるが、総合的には整理され、その質感もアウディTTに対抗できるものだ。
スタンダードサスはクルーズ向き
このsドライブ20iでコーナーを攻め込んで見た時の印象は、TTにやや劣ると聞いたら驚くかもしれない。しかし、このクルマは大半のひとが選択するであろうMスポーツ・サスペンションではなくスタンダードな足回りを装着しているというのも理由のひとつだ。
この記事に使われている写真はミサノ・ブルーのMスポーツモデルだが、BMWはスポーツの写真を提供してくれなかった。試乗車はMスポーツが無いのに。
最初の驚きは、ダイナミックとは言えないTTが、好みにもよるが実は良好なハンドリングの持ち主だったということだ。そしてホイールの選択さえ間違えなければ乗り心地も良好だ。Z4のライバルは非常に良く成長していたということに気づかされた。
もうひとつの驚きは、Z4のスタンダードなサスペンションが快適な高速道路を主眼においてセッティングされているということだ。狭い峠で気合いを入れて走るにはやや注意が必要だ。やや鈍い電動ラックの反応やステアリングギア比のせいもあり、雑なステアリング操作にはボディがついてこないこともある。このあたりはマツダMX-5や718ボクスターが優秀で、sドライブ20iでは1405kgの車重を感じさせられた。
レスポンスと経済性は良
やや大人しく走っていると、非常によくバランスが取れていることがわかる。コーナー中盤でアクセルを踏み込んだ時のレスポンスも良好だ。しかし、これだけ良いタイヤを装着していると、このエンジンではパワーオーバーに持ち込むのは難しい。Mスポーツ・プラスを選択すればアクティブ・デフが装着されるsドライブ30iが好ましい。
エントリーレベルの2.0ℓエンジンには、やや穏やかな走り方が似合うようだ。絶対的な動力性能の不足を余裕感で補っている。1450rpmから6500rpmの回転域では最大トルクも最大出力も得られない300rpmほどのトルクの谷があるのだ。
M40iのように7000rpmまで回るわけでもないばかりか、4気筒エンジンの中でもベストとはいえない。しかし、レスポンスや経済性は評価に値するだろう。燃費は15.9km/ℓに達し、航続距離はなんと800km近くになるのだ。
実際、攻め込んだ走りをしようと思わなければ、このパワートレインには文句のつけようがない。エンジンやトランスミッションには複数のモードが用意されているが、いずれを選んでもその制御は適切だ。スポーツ・プラス・モードでは十分な駆動力が与えられ、勇ましいサウンドも聞こえてくる。悲しいかな、そのサウンドの一部はヘッドレストのスピーカーから発せられているのだが。
「買い」か?
Mスポーツに期待
この国際発表会では、われわれに割り当てられた試乗車はおそらく多くのひとが選ばないであろうグレードであった。
事実、BMWの想定ではZ4の中でsドライブ20iがベストセラーとなるものの、80%の顧客が今回試乗したスポーツではなくMスポーツを選択するとのことだ。そのうちの大半はよりアグレッシブなスタイリングを目当てに追加の1770ポンド(26万円)を支払うのだろうが、それに付属するよりハードなサスペンションがハンドリング向上に貢献する可能性が高い。
今後行われる英国の公道でのテストによりそれが確認されるだろう。しかし、現時点ではTTよりも運転して楽しく、718ボクスターよりも快適なクルーザーであると考えている。
最後になるが、このZ4のエントリーグレードは改善の余地は多数あるものの、オールラウンダー性と十分なダイナミクスを両立していると結論づけたい。
BMW Z4 sドライブ20i スポーツのスペック
■価格 3万6990ポンド(538万円)
■全長×全幅×全高 ー
■最高速度 240km/h
■0-97km/h加速 6.6秒
■燃費 13.7km/ℓ
■CO2排出量 138g/km
■乾燥重量 1405kg
■パワートレイン 直列4気筒1998ccターボ
■使用燃料 ガソリン
■最高出力 197ps/4500-6500rpm
■最大トルク 32.6kg-m/1450-4200rpm
■ギアボックス 8速AT
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