F1サウジアラビアGPを9番手からスタートした角田裕毅(RB)だが、チームメイトのためにペースを落としたケビン・マグヌッセン(ハース)に抑えられ、さらに5秒のタイム加算ペナルティも受けて15位フィニッシュに終わった。
角田はレース序盤は入賞圏内をキープしていたが、ランス・ストロール(アストンマーティン)のクラッシュによって歯車が狂い始めた。
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角田は多くのマシンと同じくこのタイミングでピットインしたが、ステイアウトしたマシンを抜きあぐねていた17周目、マグヌッセンに先行を許してしまった。
この際、マグヌッセンはコース外から角田を抜いていたた、マグヌッセンには10秒のタイムペナルティが科された。しかも角田は、マグヌッセンに前に出られたことで、それ以上に大きなダメージを負ってしまった。
合計20秒のタイムペナルティを受けていたマグヌッセンは、チームメイトのニコ・ヒュルケンベルグが入賞するのを手助けするため、大幅にペースダウン。角田以下を抑えにかかったのだ。
ハースの狙い通り、ヒュルケンベルグが10位入賞を果たした一方で、角田は隊列の中でポジションを落としたこともあり、14番手でレースを終えた。
角田は予選ではQ3進出を果たす素晴らしい走りを見せていただけに、チームのレーシングディレクターのアラン・パルメインは、マグヌッセンの”戦略”を批判した。
「ユウキについては、他のドライバーと同じようにオーソドックスなレースをした。ミディアムタイヤでスタートし、セーフティカーが出たときにピットインしてハードコンパウンドに履き替えた。その後に起こったことは、ちょっと受け入れがたいものだった」
そうパルメインは語った。
「マグヌッセンがコースオフしながらわざとユウキの前に出て、最大で1周あたり2秒もペースを落とした」
「これはスポーツマンシップに反する行為だ。我々も他のチームも、今後のレースについてFIAと話し合うことになるだろう」
「全体的に見れば、マシンの理解という面で一歩前進できたし、予選もいい結果だった。(プレシーズンテストから)3週間もの出張を経て、チームにとってひと息つけるのを楽しみにしている」
チーム代表のローラン・メキーズも、角田がいい仕事をしていただけに、残念な結果だったと総括した。
「ウィークを通じて良い仕事をしてきただけに、今日は非常に残念な結果になってしまった。ユウキは10位以内を目指して戦っていた。そしてマグヌッセンに抜かれた」
「マグヌッセンはそのためにコースをカットし、チームメイトが我々の前で戻れるように、集団全体をスローダウンさせた。これでマグヌッセンに科されたペナルティは無意味になり、ユウキのレースが台無しになってしまった。昨日の予選が非常に良かっただけに残念な結果だった」
「ダニエルのレースは、セーフティカー先導中にダブルスタックの非常に長いピットストップを行なったことで台無しになった。そしてレースの大部分を大渋滞の中で走った。超タイトな中団争いでは、すべてが完璧でないとすぐに順位を落としてしまう。ファエンツァとビスターでハードワークを続け、チームはメルボルンでのシーズン再開を楽しみにしている」
motorsport.comの取材に対し、角田は「かなりフラストレーションが溜まるレースでした」と答え、マグヌッセンの先行を許した自分自身に腹が立ったことを認た。
「彼は20秒のペナルティを受けたけど、クルージングしていました。アンフェアに感じますが、同時に僕が彼を行かせてしまったのも事実です。それが僕のミスでした」
「100%の仕事ができていれば、前のクルマをオーバーテイクすることができたと思います」
角田は、マグヌッセンの”チームワーク”については理解を示しつつも、そのドライビングは危険だったと語った。
「彼の考え方は理解できます。彼はチームのポイント獲得に貢献し、ポジションを守るためにできることは何でもしようとしました」
「彼はかなり危険でしたし、僕もターン2で接触しそうになりました。フェアな戦いだったとは言えないけど、彼の戦いぶりは理解しなければなりません」
角田はさらにレベルアップしたドライバーになるためには、マグヌッセンをオーバーテイクしてみせる必要があると自戒した。
「オーバーテイクしてマシンを壊すわけにはいきません。僕らが戦っているポジションはいつもかなり難しい状況ですが、同時に一段上のドライバーになるためには、それでも彼をオーバーテイクしなければなりません」
「それが簡単だったとは言えないし、コース上に留まるのは本当に大変でした。でも、同時にもっといい仕事ができるところもたくさんあると思うので、受け入れるしかありません」
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