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僚友対決を制しフィーニーが3戦2勝、年間勝率5割に。スプリント初制覇でファイナル進出へ/RSC第8戦

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僚友対決を制しフィーニーが3戦2勝、年間勝率5割に。スプリント初制覇でファイナル進出へ/RSC第8戦

 レギュラーシーズンもいよいよ大詰めを迎えたRSCレプコ・スーパーカー・チャンピオンシップ第8戦『Ipswich Super 440(イプスウィッチ・スーパー440)』が、8月8~10日にクイーンズランド・レースウェイにて開催され、名門トリプルエイト・レースエンジニアリング(T8)のブロック・フィーニー(レッドブル・アンポル・レーシング/シボレー・カマロ)が、史上初のスプリント・カップのタイトルを獲得することに。

 週末は僚友の王者ウィル・ブラウン(レッドブル・アンポル・レーシング/シボレー・カマロ)と勝利を分け合い、フィーニーは週末3戦2勝で今季勝率を5割に乗せるとともに、シリーズ初開催の新規軸『ファイナルズ・カップ』への進出を決めた。

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 今季2025年よりRSCで導入が決まったプレーオフ制度により、この第8戦がレギュラーシーズン『スプリント・カップ』の最終戦に位置付けられ、その後はシリーズ恒例のコドライバー共闘による『エンデューロ・カップ』として、ザ・ベンド、そしてバサーストでの聖典を開催。さらに第11戦以降の3戦は今季初の催しとして、ランキングトップ10による決勝シリーズ、ファイナルズ・カップが待ち受ける。

 そんななか迎えた初日土曜の予選では、Q1の終盤でドライバーたちがクイックラップのためのスペースを確保しようと、渋滞が多発する混乱を極めたセッションのなか、フィーニーがブラウンを抑えてまずはポールポジションを得る。

 ブラウンはレース1のオープニングラップ中盤でトップに立とうとしたが、ここでミスを犯して後退。一方のフィーニーは先頭集団を力強く抜け出し、終盤にはデビッド・レイノルズ(チーム18/シボレー・カマロ)がグラベルに飛び込んだことでセーフティカー(SC)が出動し、レースはコーション下で決着を迎えた。

「最高のレースだった。興奮しているし、チームも素晴らしい仕事をしてくれた」と、ライアン・ウッド(ウォーキンショー・アンドレッティ・ユナイテッド/フォード・マスタング)やカイ・アレン(グローブ・レーシング/フォード・マスタング)を従えポディウムに登壇したフィーニー。

「最初のラップは少し残念だった。ミスをしてみんなを巻き込んでしまった。ウィル(・ブラウン)に追い抜かれてしまったし、彼は僕と一緒にここまで来られるだけの速さを持っていたのに残念だ」と、スタートで失ったポジションを取り戻せず4位に甘んじた僚友にも言及した。

「グリッドの汚れた側から素晴らしいスタートが切れて、そこからはロケットのように加速していった。今日はとても楽しかった。トロフィーを獲得するために何をすべきか分かっていたし、それをやり遂げることができたね」

 続くレースでもポールポジションを獲得したフィーニーは、スタートダッシュで大きくリードを拡大。しかし後方ではクーパー・マレー(エレバス・モータースポーツ/シボレー・カマロ)が、マット・ペイン(グローブ・レーシング/フォード・マスタング)やトーマス・ランドル(ティックフォード・レーシング/フォード・マスタング)と接触して空中に舞い上がり、これでキャメロン・ウォーターズ(ティックフォード・レーシング/フォード・マスタング)がグラベルに飛び出した。

 さらに、元王者ブロディ・コステッキ(DJR/フォード・マスタング)とジャック・ルブローク(エレバス・モータースポーツ/シボレー・カマロ)はマシンにダメージを負いピットインを余儀なくされる。

 当然のことながらSCが出動し、勝負はリスタートに託されるが、ここで首位を守ったフィーニーはジャンプスタートで5秒のペナルティを課せられ万事休す。チームメイトのブラウンが実に第2戦オーストラリアGP週末以来の勝利を手にした。

「ようやく勝利できてうれしい。かなり久しぶりではあるが、正直言って僕たちが望んでいた勝利(のカタチ)ではないね」と、ピットストップでペナルティを消化せざるを得なかった僚友を念頭に振り返った王者ブラウン。

「ただ、僕はレーシングドライバーだから、勝てばそれで充分だ。クルマはものすごく速かったから、後続を大きく引き離して、そこから戦略を練ることができたよ」

「ブロック(・フィーニー)には5秒のペナルティが課せられたが、彼は本当に速く、今週末彼を倒すのは至難の業だ。ここまでのシーズンのようにね」

 そんなブラウンの言葉どおり、明けた日曜も予選からチームメイトが躍動し、フィーニーはシーズン最多ポールポジション獲得賞金となる5万豪州ドル(約480万円)を獲得。年間13度目のトップタイムを記録し、シーズン最多の新たなレコードを樹立した。

「うん、すごく興奮している。週末を通してマシンが速いのは分かっていたし、こういうシュートアウトはいつも楽しい。予選はこれで4連勝だ」と満面の笑みを浮かべたフィーニー。

「本当に最高だよ。地元QR(クイーンズランド)で友達や家族みんなの前で0.5秒近くも差をつけてポールを奪取できたのは最高だよ。上の階にいるおばあちゃんも見てくれて、ここにいるファンのみんなも見てくれている。賞金5万ドルは本当にすごいね!」

 週末最終ヒートの始まりを告げるライトが消えると、フィーニーはスタートラインから一気にトップに躍り出て、後続は前日のマルチタングル再発を回避するかのように、おとなしい立ち上がりを見せる。しかし3周目に雨が降り始めると状況は一変。ドライバーたちはピットインしてウエットタイヤに交換するか、スリックタイヤで粘り強く走るかの選択を迫られる。

 ここで落ち着いた対応を見せたフィーニーは、一時4番手まで後退しながらも首位を奪還。最終ラップではふたたび雨粒が落ち始めるなか、後続に8秒以上の差をつけて勝利を収めた。

「本当に勝ちたかった。とくにここは僕の地元だし、たくさんの友達や家族がいたからね」と興奮気味に振り返ったフィーニー。「おばあちゃんもここにいて、本当に最高だ。まるですべてが僕らに降り掛かって来たみたいだった。天候も、セーフティカーも予想とは大きく違っていたし、4番手からすぐにトップに戻れたのもね。QRのみんなに感謝したい。戻ってこられて本当に最高だ。来年も戻ってくるのが待ち切れないね」

 これで年間優勝回数を24レースで12回としたフィーニーが初代スプリント・カップ王者の称号を得るとともに、マット・ペイン、ウィル・ブラウンとともにファイナルズ・カップへの進出権を獲得。続く第9戦は前述のとおりコドライバー登録のペアとタッグを組むエンデューロ・カップの初戦として『Airtouch 500 at The Bend(エアタッチ500・アット・ザ・ベンド)』が9月12~14日に開催され、10月には聖典『Bathurst 1000(バサースト1000)』が控えている。

[オートスポーツweb 2025年08月15日]

文:AUTOSPORT web
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