現在位置: carview! > ニュース > イベント > 低炭素エアコン冷媒・R1234yfへの備えは充分か?…オートサービスショー2019・イヤサカ

ここから本文です

低炭素エアコン冷媒・R1234yfへの備えは充分か?…オートサービスショー2019・イヤサカ

掲載 更新
低炭素エアコン冷媒・R1234yfへの備えは充分か?…オートサービスショー2019・イヤサカ

ディーラーやカー用品店のピット、整備工場、鈑金塗装工場などで使われるクルマの整備・修理用ツール・機器類の展示会「第36回オートサービスショー2019」(主催:日本自動車機械工具協会)が5月16~18日の3日間、東京ビッグサイト・青海展示棟で開催。そのなかから、ユーザーがクルマの整備・修理を受ける際に役立つ整備機器をピックアップする。PHOTO&REPORT●遠藤正賢(ENDO Masakatsu)

 1990年代より、従来のR12に代わる冷媒としてカーエアコンに広く用いられてきた代替フロン・R134aが、徐々に新たな冷媒・R1234yfへと切り替わりつつある。

ADAS普及でEDRデータ抽出とエイミングのエビデンス確保は必須に!?…オートサービスショー2019・ボッシュ

 これは、R134aにオゾン層の破壊効果はないもののGWP(地球温暖化係数)がCO2の1に対し1430と高いことによるもの。1987年に採択されたモントリオール議定書が2016年10月にルワンダの首都キガリで改正され(キガリ改正)、代替フロンについても生産・使用量の削減が義務づけられたことで、GWPが1と極めて低いR1234yfへの代替が促された。

 日本ではそれ以前にも、フィットEVやクラリティフューエルセル、フィアット500X、ジープ・レネゲードなど、ホンダのZEVやFCA、GM各車を中心にR1234yfを採用するモデルは存在していたが、新車販売および保有台数に占める割合は極めて少なかったのが実情だ。

 だが、キガリ改正を受けて、日本自動車工業会は2017年から23年までの間にすべての新車の冷媒をR1234yfとする目標を設定。日本政府も2018年7月にオゾン層保護法を改正し、R134などの生産・輸入・使用量の上限を定めることとしている。

 そして、こうした動きに並行するように、トヨタは現行レクサスLS、カローラスポーツ、クラウン、センチュリー、レクサスESなどに相次いでR1234yfを採用。最大手のトヨタが量販車種に用いたことで、他社もこれに追随することはほぼ確実と見られている。

 大手機械工具商社のイヤサカは、R1234yfに対応するエアコンガス回収機を2015年頃より販売しているが、今回のオートサービスショーには、エムケー精工が製造する「AF-5000Z」のほか、デンゲン「CS-WF134WS」、ヤマダコーポレーション「テクサRSA-780R」とともに、R1234yf/R134a両対応のエアコンガス回収機を一堂に展示した。

 R134aとは異なり、R1234yfは大気放出が法的には認められているものの、微燃性を有するため取り扱いに注意が必要なうえ、現状では200gあたり約1万円(イヤサカ調べ)と非常に高価。またコンプレッサーオイルも、非電動車用の絶縁タイプではないPAGオイルはND-OIL12という新規格のものに変更されている。

 こうした状況を踏まえ、各機種とも両ガスを自動で漏れなく回収・再生するのに加え、コンプレッサーオイルはPAGと、電動車に用いられる絶縁タイプのPOE、双方に対応。また両ガス・オイルの混入を防ぐ構造を持たせることで、現存するほとんどの車種でエアコンガスの回収・再生を可能にしている。

 R1234yf自体の普及がようやく端緒についた所なので、対応する回収機の普及もまだこれから。だが今後は導入する整備工場も増え、R1234yfを採用するクルマのオーナーも入庫先の選択肢が広がっていくことだろう。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

カッコよすぎるトヨタ[ミニバン]に変貌 [大胆シエンタ]にざわつく!
カッコよすぎるトヨタ[ミニバン]に変貌 [大胆シエンタ]にざわつく!
ベストカーWeb
ポルシェやメルセデスのお膝元「シュトゥットガルト」の交通事情…日本と違う交通標識や罰則にはご注意を【みどり独乙通信】
ポルシェやメルセデスのお膝元「シュトゥットガルト」の交通事情…日本と違う交通標識や罰則にはご注意を【みどり独乙通信】
Auto Messe Web
視界をクリアに、運転をもっと安全に! 日本精機が後付けヘッドアップディスプレイ「LumieHUD」を新発売
視界をクリアに、運転をもっと安全に! 日本精機が後付けヘッドアップディスプレイ「LumieHUD」を新発売
くるまのニュース
極上エクスプレス・アウディ 新型 S6 e-トロン・スポーツバックへ試乗 見事に調教された「野獣」
極上エクスプレス・アウディ 新型 S6 e-トロン・スポーツバックへ試乗 見事に調教された「野獣」
AUTOCAR JAPAN
TRDの試作パーツを組み込んだトヨタ「86」に試乗!「14R-60」を参考に剛性バランスをアップさせた驚きの走りとは?【デモカー試乗】
TRDの試作パーツを組み込んだトヨタ「86」に試乗!「14R-60」を参考に剛性バランスをアップさせた驚きの走りとは?【デモカー試乗】
Auto Messe Web
沖縄パワーで表彰台へ! 平良響とオキナワドリームレーシングが2025年TGR GR86/BRZ Cupに参戦
沖縄パワーで表彰台へ! 平良響とオキナワドリームレーシングが2025年TGR GR86/BRZ Cupに参戦
AUTOSPORT web
英国で一番忙しい? 日産の巨大工場でクリスマス 休みの日も設備アップグレード
英国で一番忙しい? 日産の巨大工場でクリスマス 休みの日も設備アップグレード
AUTOCAR JAPAN
“EV”の「Gクラス」実際どう? 「Aクラス」4台分のパワー誇る「G 580」が凄すぎ!? メルセデス・ベンツ史上最強の「オフローダー」の実力とは
“EV”の「Gクラス」実際どう? 「Aクラス」4台分のパワー誇る「G 580」が凄すぎ!? メルセデス・ベンツ史上最強の「オフローダー」の実力とは
くるまのニュース
「バック駐車」に勝るものはない! 「前向き駐車」を推奨するメディアに一言 英国記者の視点
「バック駐車」に勝るものはない! 「前向き駐車」を推奨するメディアに一言 英国記者の視点
AUTOCAR JAPAN
ランボルギーニのポリスカー3選…イタリア警察で活躍したファイティングブルの任務は? スピート違反取締ではなく緊急医療対応でした
ランボルギーニのポリスカー3選…イタリア警察で活躍したファイティングブルの任務は? スピート違反取締ではなく緊急医療対応でした
Auto Messe Web
23XIとFRMによるNASCAR独占禁止法訴訟は長期化へ。仮差し止め命令適用でチャーター購入は一部承認か
23XIとFRMによるNASCAR独占禁止法訴訟は長期化へ。仮差し止め命令適用でチャーター購入は一部承認か
AUTOSPORT web
『ホンダNSX GT2(1994年~1996年)』オール日本人クルーで掴んだル・マンの栄冠【忘れがたき銘車たち】
『ホンダNSX GT2(1994年~1996年)』オール日本人クルーで掴んだル・マンの栄冠【忘れがたき銘車たち】
AUTOSPORT web
「ゴツゴツ鳴らない」高速道路の橋、その仕組みは? 全部を“非ゴツゴツ化”できる? 昔は「鳴るのが普通」
「ゴツゴツ鳴らない」高速道路の橋、その仕組みは? 全部を“非ゴツゴツ化”できる? 昔は「鳴るのが普通」
乗りものニュース
ルノー『アルカナ』改良新型、展示・試乗イベント開催へ…2025年新春に東京と兵庫で
ルノー『アルカナ』改良新型、展示・試乗イベント開催へ…2025年新春に東京と兵庫で
レスポンス
キャデラックのラグジュアリーSUV新型「リリック」が2025年春に上陸へ! 全長5mの“威風堂々”とした電動モデルはどんなクルマ?
キャデラックのラグジュアリーSUV新型「リリック」が2025年春に上陸へ! 全長5mの“威風堂々”とした電動モデルはどんなクルマ?
VAGUE
約183万円! スバル新型「シフォントライ」登場の反響は? 660cc「直3」エンジン&スライドドア搭載! タフ顔の「5ドア“軽”SUV」に「興味ある」声も
約183万円! スバル新型「シフォントライ」登場の反響は? 660cc「直3」エンジン&スライドドア搭載! タフ顔の「5ドア“軽”SUV」に「興味ある」声も
くるまのニュース
さようなら、Bowさん【長尾循の古今東西モデルカーよもやま話:第2回】
さようなら、Bowさん【長尾循の古今東西モデルカーよもやま話:第2回】
AUTOCAR JAPAN
ネット通販ですぐに荷物が届かなくなってから嘆いてももう遅い! 荷物の3割が運べなくなる「2030年問題」に危機しか感じない!!
ネット通販ですぐに荷物が届かなくなってから嘆いてももう遅い! 荷物の3割が運べなくなる「2030年問題」に危機しか感じない!!
WEB CARTOP

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

509.9575.9万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

49.8890.0万円

中古車を検索
クラウンの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

509.9575.9万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

49.8890.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村