現在F1では、全てのドライバーが固定のカーナンバーを使用してキャリアを戦う。この仕組みは、コース上のドライバーへの認知度を高めるために2014年に導入されたもので、かつてはチャンピオンシップの最終順位に基づいてナンバーが決められたり、チームごとにナンバーが決まっていたこともあった。
ただ、前年のチャンピオンのみがカーナンバー1をつけることができるということには変わりがない。1974年以来、カーナンバー1は一部の例外を除いて、前年チャンピオンしかつけることが許されなかった。現在でも、現役のF1世界チャンピオンだけが自分の固定ナンバーをチャンピオンナンバーである「#1」に変更することができる。
■角田裕毅、初めてのラグビー生観戦! 特別サポーターとして三重ホンダヒートを応援。“人間戦車”の迫力に圧倒される
2024年シーズンのF1は、2023年最終戦のドライバーラインアップそのままという、非常に珍しいシーズンとなる。ドライバーの顔ぶれこそ変わらないが、今回は各ドライバーが現在のカーナンバーを選択した理由や背景について紹介する。
■#1|マックス・フェルスタッペン(レッドブル)
3連覇を達成したレッドブルのマックス・フェルスタッペンは、2024年シーズンも#1を使用することを選択。彼は以前から自身がチャンピオンである限りは#1を使い続けると表明している。
フェルスタッペン以前にチャンピオンナンバーを使用したのは2014年のセバスチャン・ベッテル。それ以降タイトルを獲得していたルイス・ハミルトンは自身の固定ナンバーを使用し続け(2018年アブダビGPのFP1では1度だけ#1を使用したが)、2016年シーズンの世界チャンピオンであるニコ・ロズベルグはその年限りでF1を引退したため、翌年#1を使用する権利を手にしたドライバーはいなかった。
フェルスタッペンの固定カーナンバーである#33にもストーリーがある。彼のラッキーナンバーは#3だったが、既にF1ではその番号をダニエル・リカルドが使用していたため、フェルスタッペンは”二重の幸せを願って”#33とした。
「子供の頃、この番号でレースをしていたから、F1でも#33を使ったら良いと思ったんだ」とフェルスタッペンは語り、#33と書かれたオモチャのクルマに乗る写真を載せてソーシャルメディアに投稿していた。
なおフェルスタッペンは、ヨーロッパF3では#30、F1公式セッションデビューとなった2014年の日本GPフリー走行1回目では#38を付けたトロロッソ(現アルファタウリ)を走らせた。
■#2|ローガン・サージェント(ウイリアムズ)
2023年にウイリアムズからF1デビューを果たしたローガン・サージェント。#2を選択した理由としては、多くの勝利を挙げたフォーミュラ・ルノー時代に付けていたからだと説明している。
#2は2017~2018年にかけてマクラーレンからF1を走ったストフェル・バンドーンが使用していたものの、最後の使用から2年以上が経過しているため、バンドーンの保有権は失効。サージェントの使用が可能となっていた。
■#3|ダニエル・リカルド(アルファタウリ)
ダニエル・リカルドはカート時代から#3を使用しており、F1で固定ナンバー制が導入されてからも#3を使っている。これについて彼はこう語る。
「僕はデイル・アーンハートの大ファンだったんだ。小さい頃からモータースポーツが好きで、NASCARをよく見ていた」
アーンハートはNASCARで度々年間チャンピオンとなった伝説的なドライバーだが、2001年に事故死。リカルドはF1で固定ナンバーを使うことになった際、迷うことなく#3を選んだという。
■#4|ランド・ノリス(マクラーレン)
マクラーレンのランド・ノリスはカーナンバーとして#4を選択し、その理由を次のように説明している。
「背後にストーリーはないよ。ハッシュタグの#L4NDOにはよく合うけど、全てのレースカテゴリーで使ってきた訳じゃないんだ」
そしてノリスはMotoGPの伝説的なライダーであるバレンティーノ・ロッシの大ファンということもあり、彼の#46を使うことも考えたものの、「模倣」にはなりたくないとして、#4を使用することを選んだ。
■#10|ピエール・ガスリー(アルピーヌ)
ピエール・ガスリーは、2013年のフォーミュラ・ルノー2.0ユーロカップでこのカーナンバーを付けてチャンピオンに輝いている。GP2時代は#21、スーパーフォーミュラ時代は#15番を付けていたが、サッカーの元フランス代表ジネディーヌ・ジダンの大ファンでもあるガスリーは、F1昇格に合わせて#10を選んだ。
■#11|セルジオ・ペレス(レッドブル)
レッドブルのセルジオ・ペレスがマシンにつけているのは#11。その由来はモータースポーツではなく、サッカーにある。
ペレスはクラブ・アメリカ、特にバンバンことイバン・サモラーノの大ファンであり、次のように語っていた。
「バンバンのプレー、得点の仕方が好きだったんだ。彼のファンになって、その背番号でレースに出ることにしたんだ。今に至るまで、メールアドレスとかも常に11を使っているんだ!」
■#14|フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)
フェルナンド・アロンソは、1996年の7月14日にカーナンバー#14でカートの世界チャンピオンになった。彼は「その瞬間から、#14が自分のナンバーだと理解した」とその由来を語っていた。
■#16|シャルル・ルクレール(フェラーリ)
フェラーリのシャルル・ルクレールは、#16でF1に参戦している。当初はラッキーナンバーの#7を所望したものの、これは既にキミ・ライコネンが使用していた。第2希望の#10も親友のガスリーが使用していたため、「1+6=7だから」と#16を選んだ。
因みに彼の誕生日は1997年の10月16日。16は彼にとって縁のある数字でもある。
■#18|ランス・ストロール(アストンマーティン)
アストンマーティンのランス・ストロールは、カーナンバーに#18を選択。キャリア初期に、ストロールはこのカーナンバーでイタリアF4を制覇。そして18歳の誕生日を迎えた直後にウイリアムズからF1デビューを果たしている。
「ちょっと迷信的だけど、自分としては重要な小さなことを持ち続けるのが好きなんだ。それらを変えようとは思わないよ」とストロールは自身のカーナンバーについて語っていた。
■#20|ケビン・マグヌッセン(ハースF1)
ケビン・マグヌッセンは、2014年にマクラーレンからグランプリデビューを果たす前年2013年に、フォーミュラ・ルノー3.5シリーズのタイトルを獲得。その時に使用していた#20でF1に参戦している。
■#22|角田裕毅(アルファタウリ)
角田裕毅は、アルファタウリからのF1デビュー時に#22をカーナンバーに選択した。5月11日生まれの角田はカート時代に#11を使用しており、F1でもその番号を希望したものの、そのカーナンバーはペレスが既に使用していたため、22となった。
角田は22を選択した理由について、次のように語っている。
「本当は11番が良かったんです。小さい頃レースデビューした番号が11番でしたし、僕の誕生日が11日(5月11日)なので。ただ11番はセルジオ・ペレス選手に先に取られていたので、本当に単純に1+1=2で、22に(笑)」
■#23|アレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)
ウイリアムズからF1に参戦しているアレクサンダー・アルボンは、#23を選択。バスケットボール界ではマイケル・ジョーダンやレブロン・ジェームズがこの番号でプレーし、サッカー界ではデビッド・ベッカムもキャリアの一部でこの番号を使用していたことから、この#23はスポーツでは象徴的な存在だと言える。
ただ、アルボンがこの番号を選んだ理由は、ノリスと同様にロッシの大ファンだから。カート時代にアルボンは#46をつけてレースをしていたが、F1ではこの番号を半分にすることにした。
■#24|周冠宇(ステークF1)
周冠宇は#24を選択。彼がこの番号を選んだ理由は、大ファンであるバスケットボール選手のコービー・ブライアントへのトリビュートからだ。ブライアントは、レイカーズ時代の後期を背番号#24でプレーしていた。
因みに、周より前にF1で#24を選択していたドライバーはティモ・グロックだ。
■#27|ニコ・ヒュルケンベルグ(ハースF1)
2023年にレギュラードライバーとして復帰を果たしたニコ・ヒュルケンベルグは、フル参戦を行なっていた2019年以前と同じく#27を使用し続けている。このカーナンバーはジル・ビルヌーブを象徴する番号であり、アイルトン・セナやジャン・アレジなど他のスタードライバーも使ったため、F1界では伝説的な番号と言える。
しかし、ヒュルケンベルグが#27を選んだ理由はそれとは全く関係がない。彼の誕生日である8月19日の8と19を足したモノだと言われている。
■#31|エステバン・オコン(アルピーヌ)
アルピーヌのエステバン・オコンは、#31を使用。オコンは2007年にこのカーナンバーでカートでの初タイトルを獲得しており、キャリアの中でも輝かしい一年と彼は今でも考えている。また2014年10月にロータスで初のF1テストを行なった際にも、オコンは#31を使用している。
■#44|ルイス・ハミルトン(メルセデス)
7度のF1世界チャンピオンであるルイス・ハミルトンは、#44を使用し続けている。ハミルトンは初めてのカートレースの際に、どの番号を選べば良いのか分からず、父親のクルマのナンバー「F44」からこのカーナンバーの着想を得た。
そこからハミルトンはF1でも一貫して#44を使用してきた。前述にもある通り、F1でチャンピオンナンバーを使用できる際にも基本的には#44を使用し続けてきた。
■#55|カルロス・サインツJr.(フェラーリ)
フェラーリのカルロス・サインツJr.は、カーナンバーに#55を選択しており、彼はその理由について次のように語っている。
「僕の名前は5に似ているSから始まって、苗字も同じくSから始まる。だから55になったんだ」
彼の好きな数字は5だが、そのカーナンバーはセバスチャン・ベッテルが既に使用していたため、”言葉遊び”で彼は#55を選択するに至った。
■#63|ジョージ・ラッセル(メルセデス)
メルセデスのジョージ・ラッセルはF1で#63を使用しているが、その理由について彼は次のように語っている。
「僕の兄が#63でカートをやっていたから、それ以来、このカーナンバーが家族の番号になっているんだ」
この#63、遠目で見るとラッセルのイニシャルであるGRとも読むこともできる。また、彼の母国イギリス(Great Britain)のイニシャルをとったGBという見方もできる。
■#77|バルテリ・ボッタス(ステークF1)
バルテリ・ボッタスは他のドライバーと同様にラッキーナンバーの#7を希望していた。ただこのカーナンバーは同胞のライコネンが既に使用していたため、7とTが似ていること、そして苗字のBO”TT”ASにちなんで#77を選択した。
■#81|オスカー・ピアストリ(マクラーレン)
オスカー・ピアストリは、ジュニアカテゴリー時代に散発的に使用していた#81をF1でも使用している。
母国オーストラリアでカートをやっていた時には#11を使用していたが、カートカテゴリーを上るにつれてライバルが既にそのカーナンバーを使用していたことから、#81に変更。ヨーロッパに戦いの場を移すと、様々なカーナンバーを使用したが、イギリスF4とフォーミュラ・ルノー・北ヨーロッパカップに参戦する際は#81に戻していた。
■F1に永久欠番はある?
F1ドライバーは、カーナンバーに#17を使用することができない。これは、2014年の日本GPのアクシデントにより命を落としたジュール・ビアンキへの追悼として、F1はこの番号を永久欠番としているからだ。
■ドライバーはいつまで固定カーナンバーを維持できる?
F1を去ったドライバーも、復帰の可能性に備えて最長2年間はそれまでF1で使用していたカーナンバーを維持できる。この間、他のドライバーがその番号を使用することができない。
例えば、アロンソが2021年に3シーズンぶりに復帰した際も#14を選ぶことも可能であり、アルボンやヒュルケンベルグら一時F1グリッドから離れていたドライバーもそれまでに使用していたカーナンバーのままとなっていた。一方長期的にF1を離れていた場合は、新しいカーナンバーを選ぶこととなる。
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
ウイリアムズ時代FW15,16を駆った。プロスト、セナの影的存在だったが実力をつけていった。
その後の規定変更でウイリアムズは5と6を使うこととなりヒルは5を使用。晴れてドライバーズチャンプを獲りゼッケン1を持ってアロウズに。
正直、アロウズに1は不釣り合いだった。それでもアロウズ、ヤマハの最高位二位を獲得。