ホンダの海外向けプレミアムカーブランド「アキュラ」が、新型アキュラ「MDX」(Acura MDX)の市販モデルを2020年12月9日、ワールドプレミアした。
現在のところ日本ではお目にかかれないモデルではあるが、ホンダの次代のデザインテーマも盛り込まれており、そのほかの技術についても日本に投入されるであろうモデルに反映される可能性があるのではないだろうか?
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そこで今回は、発表された「MDX」とはどのようなクルマなのか? また、日本にも将来的に導入されるモデルに活かされる技術があるかチェックしていきたい。
文/大音安弘
写真/Acura、CG/ベストカー編集部
【画像ギャラリー】その次世代デザインがカッコいい! スタイリッシュなクーペSUV「MDX」の全貌を徹底チェック!!
■美しく進化したフラッグシップクーペSUV
ホンダのプレミアムカーブランド「アキュラ」は、2020年12月9日、オンラインにて、フラッグシップSUV「MDX」の最新型モデルを発表した。発売開始は、2021年2月2日の予定だ。価格は、4万6900~6万650ドル、日本円で、約484万7000~約626万8000円(※1ドル=103.34円換算)となる。
7年ぶりにフルモデルチェンジしたアキュラ「MDX」。アキュラの次世代デザインが盛り込まれており、旗艦車としての風格を感じさせる
第4世代となる新型は、7年ぶりのフルモデルチェンジということもあり、プラットフォームを含め、全面的な刷新を図ったオールニューモデルだ。アキュラSUVの最上級車であることから、従来型は重厚さを前面に押し出したデザインであったが、同時にアキュラらしいスポーティな仕様も用意されていた。新型では、最新SUVに求められるスポーティさを前面に押し出したシャープなスタイリングとSUVらしいタフさを強調し、若返りを図ったようだ。
ボディサイズは、全長5039×全幅1999×全高1704mmと大きい。従来型よりも前後にワイドとなったが、逆に全高は少し抑えられた。デザインだけでなく、寸法でもワイド&ローのスタンスが強調されている。デザイン面では、流麗なルーフラインとクーペライクな傾斜を持つリアテールウィンドウ、そしてロングノーズスタイルとすることで、流行のクーペSUV的な要素も盛り込まれている。
流麗なルーフラインとクーペライクな傾斜を持つリアテールウィンドウ、そしてロングノーズスタイルとすることで、流行のクーペSUV的な要素も盛り込まれた
特徴的なフロントマスクには、ホンダのフラッグシップサルーン「レジェンド」でもお馴染みのダイヤモンドペンタゴングリルを装備。ヘッドライトは、進化したジュエルアイLEDを備わっている。フロント比べ、リアビューはシャープなデザインで、すっきりとした仕上げ。これは流麗となったリアセクションのデザインを強調するための工夫だろう。
インテリアは、かなりゴージャスだ。彫刻を彷彿させる立体的なデザインのダッシュボードは、ゆとりある空間を演出する。そのボリューミーなセンターコンソールには、シフトボタンやドライブモード、インフォテイメントシステムの操作パネルなどを集約。ただ立体的かつ抑揚のあるデザインなので、わかりやすく使いやすい配置となっているようだ。
ゴージャスさを感じさせるインテリア。情熱的な赤をメインとしたものだけでなく、落ち着いたブラウンとホワイトの設定もある
中央には、12.3インチのワイドディスプレイが備わり、ナビゲーションやスマホリンクなどのさまざまな情報を表示。メーターパネルもデジタル式が標準で、インフォテイメントシステムともリンクさせ、視線移動を最小に抑える。
オーディオシステムも凝っており、3タイプを用意。最高位のELS STUDIO3Dプレミアムオーディオシステムは、16スピーカーと710Wの出力を備えるもので、8回のグラミー賞を受賞した音楽プロデューサー兼サウンドエンジニアであるエリオット・シャイナーがチューニングを担当したという。
シートレイアウトは、7人乗り3列シートが標準。ホイールベースの拡大により後席側のスペースを拡大。セカンドシートの使い勝手を高めるべく、2列目中央シートは着脱式で、キャプテンシート仕様にも変更可能。この仕様だと後席のアクセスも2列目シートを倒さずに行うことができる仕掛けだ。
シートレイアウトは、7人乗り3列シートが標準。2列目中央シートは着脱式で、キャプテンシート仕様にも変更可能だ
■スポーティなSUVのDNAは活かされる! こだわった走りの進化
新プラットフォームは、新しい小型トラック向けのものがベース。それはMDXの堅牢さを意味するが、同時にスポーツセダンをターゲットとしたドライビングダイナミクスも追及されているという。そのために足回りも一新。フロントをダブルウィッシュボーン式、リアをマルチリンク式とした走行性能を重視した仕様となっている。MDXでのフロントのダブルウィッシュボーン化は歴代初のこと。その足回りを活かすべく、各部の剛性も強化されていることは言うまでもない。
MDX初となる、フロント:ダブルウィッシュボーン式、リア:マルチリンク式を採用したパフォーマンス重視の新しいシャシーにより、シャープでスポーティなハンドリング性能と、乗り心地の向上を実現する
力強い走りの源なるパワートレインは、全仕様に自然吸気仕様の3.5L V6SOHC i-VTECエンジンを搭載。最高出力290hp/6200rpm、最大トルク362Nm/4700rpmを発揮。これに10速ATが組み合わされる。
大型SUVでありながら、非電動車という点は実にアメリカン。ただエンジン全体の効率化を高める改良はしっかりと加えられており、パワーバンドの拡大と燃費効率の最大化が図られているという。
駆動方式は、FFと4WDの2タイプを設定。4WDは、ホンダ独自のSH-AWDを組み合わせる。現行型のSH-AWDと比べ、リアトルク容量を40%増加させ、フロントからリアのトルク伝達を30%も高速化。前後のトルク配分は標準時でリアに最大70%を伝達。後輪側の伝達トルクは、左右片輪に最大100%振り分けることで、俊敏なコーナリングを実現させる。この辺は、断続的に自在にトルク配分を操れるSH-AWDの神髄といえる。
実は、新型アキュラ「MDX」には、まだ隠し玉がある。それが2021夏後半に投入予定のスポーツグレード「タイプS」だ。よりスポーティなエクステリアに加え、ボンネット下には、新開発の3.0LのV6DOHCツインターボエンジンを装備。SH-AWDとの組み合わせで、最高出力355ps、最大トルク480Nmを発揮するという。
そのスペックを聞いただけでも、かなり刺激的なSUVに仕上がっていることが想像できる。その走りを満喫するためにもストッピングパワーを強化しており、前輪にブレンボ製4ポッドキャリパーが奢られる。また装備も豪華な仕様となり、MDXのなかでも特別な存在となる。
こちらが、2021夏後半に投入予定のスポーツグレード「タイプS」だ。フロントホイールの隙間から、ブレンボ製4ポッドキャリパーがのぞく
SUV人気が高まる昨今の日本だが、ホンダは初代MDXの導入以降、大型SUVには手を出していない。ホットな市場には違いないが、そこには多くのライバルが顔を揃える。なによりもホンダ自身、日本市場では高級車カテゴリーで苦戦している現実もある。
一方で、得意とするコンパクトでは小型SUVの「ヴェゼル」がトップセラーとなっている。2021年には、新型ヴェゼルの登場も噂されており、そちらに注力するだろう。そもそも日本導入では、将来的な電動化がマストとなるため、それもMDXのハードルとなる。
2019年にSUV販売台数第1位になった人気SUV「ヴェゼル」。次期型には、新型フィットと同様の2モーター式ハイブリットシステムが搭載される予定だ(ベストカーによる予想CG)
しかしアキュラ「MDX」のノウハウは、将来的に、新しいSUV開発の知見のひとつになることは言うまでもない。そんなスポーティな味付けの走りのSUVが登場すれば、きっとホンダファンや個性派SUVを求める人が飛びつくはずだ。
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みんなのコメント
自分じゃあデカ過ぎて乗りこなせないけど、乗ってみたい思いが湧いてくるデザイン!
内装もいいね!
だってこういうクルマを買うユーザーは、
こんなコメントなんか関係ないしな。