■ついに発売開始!日本のナンバー取得の「ELEMO」
次世代の多用途小型商用EVとなる新型「ELEMO(エレモ)」が2021年7月24日に日本で発売されました。
荷室のカスタマイズが可能で、あらゆる業務に対応するエレモは、2021年4月に輸入小型商用EVとして国内で初めてナンバーを取得したモデルです。どのような特徴があるのでしょうか。
HW ELECTROが製造・ 販売するエレモは、EVならではのゼロエミッション性能を備えているほか、インターネットを介した運用管理やスマートフォンアプリとの連携機能などのIT技術やシャシは部品のモジュール化を徹底したことで、製造工程の効率化と高い耐久性を実現しています。
エレモが日本で初めてお目見えしたのは、2019年1月の東京オートサロン会場でした。
車両の出展ではなく、タイヤメーカー「グッドライド」のブースに展示されており、当初は日本への導入予定はなかったといいますが、オートサロンで意外にも日本での販売を希望する声が数多く集まったことも後押しして日本導入を決定。
なおエレモは、アメリカに本社を置き、中国で製造をおこなうセントロ(CENNTRO)の「メトロ」というモデルで、オートサロンでは中国名のまま出展されました。
その後、日本の道路で1年間テストをおこないナンバーも取得。2021年7月12日には関係者に向けた発表会および試乗会も開催され、下記の2モデルが7月24日から販売が開始されます。
●ELEMO-120
・バッテリー容量:13kWh
・最大航続距離:120km
・充電時間:6-8時間
・価格(消費税込):218万9000円から273万9000円
●ELEMO-200
・バッテリー容量:26kWh
・最大航続距離:200km
・充電時間:10-12時間
・価格(消費税込):275万円から330万円
エレモの設計はオーストリアにあるマグナ・シュタイアがデザインを担当しています。
マグナ・シュタイアは、これまでトヨタ「GRスープラ」やメルセデス・ベンツ「Gクラス」、ジャガー「Eペース/Iペース」、BMW「5シリーズ」、BMW「Z4」など世界の名車を数多く手掛けてきた会社です。
エレモはこのマグナ・シュタイアでデザインされ、商用車の常識を覆すハイスペックなサスペンションシステムを実装するなど、カーエンジニアリングの面でも革新的なクルマが完成しました。
装備も充実しており、欧州仕様にはないエアコンも日本仕様では装備されています。
ダッシュボードには走行距離やバッテリー情報、速度、アンペア数、モーター回転数などを表示するディスプレイがセットされており、一般車両と同様にオーディオ関係の操作をおこなうタッチディスプレイが取り付けられています。
欧州で開発されたとあって、ヨーロッパの狭い路地などでも難なく使える設計となっているため、小回りの効きが重要となる日本での運用にも大いに期待ができそうです。
とくに注目すべきはその「多機能」な荷台で、ボディタイプはフラットベッド(全幅1376mm)、アルミ平ボディ(全幅1440mm)、そして荷室ボックス搭載のボックスタイプ(全幅1400mm)の3種が用意されています。「トラックボディ」ならではともいえる、ほかにない大きな特徴といえます。
また、前述の発表時には「カーボンニュートラルな社会構築実現」のための取り組みの一環として、JFTD花キューピットがエレモを用いた生花通信配達をおこなう実証実験をおこなうと明かしています。
■小型商用EVとして国内で初めてナンバーを取得した背景とは
今回、エレモは型商用EVとして国内で初めてナンバーを取得したということで、さまざまなハードルが存在したといいます。
ナンバー取得の背景について、HW ELECTROの代表取締役社長・蕭偉城氏は次のように説明しています。
――日本でナンバーを取得する際、苦労した点はどのようなことでしたか?
この事業を始めようと思ったのは2019年からでまったくの手探りでスタートしました。
EVはどのような形で日本のナンバーを取得すればよいのか知識もまったく無く、どこの省庁と話をすればよいのかもわからない状態でした。
小型トラックをベースにした輸入商用EVそのものが、日本でもあまり登録実績がなかったので各省庁も「ルールをこれから作る」といった状態でした。
ですから、規則が先にあってそれに則ってというよりは、ひとつひとつ確認しながら「保安基準に適合しているか?」など進めるような感じでしたのでそれが一番苦労しました。
とくに電池の認証(国連協定規則 UNECE R100)を得るのがかなり大変でした。結局、欧州で取得してその証明書を国交省に提出しています。
――エレモ発表後の反響はいかがでしょうか?
やはり、TVやSNSなどで多く取り上げて頂いたので多くの反響がありました。
大手企業が本当にSDGsや、カーボンニュートラルに対して真剣に取り組んでいると感じました。
購入を希望されるのも大手企業で荷主さんとしてカーボンニュートラルに意識の高いところが多いです。
逆に物流会社はまだそれほど問い合わせは無く、EVはコストが上がるので、やはりコストの部分が相反するのかと思います。
――試乗会ではどのような声が集まりましたか?
高評価を多くいただいていましたが、改善点も色々ご指摘いただきました。
また、キャンピングカーのベース車としての問い合わせもありました。荷台の自由度が大きいELEMOならではの可能性をこれからいろいろと考えていきたいと思っています。
※ ※ ※
なお、エレモは経費削減の観点から、ディーラー店舗を置かない形式で販売するといいます。
サポートは通常のクルマと変わらない体制を整える予定で、現在、大手とアライアンスの最終調整に入っており、間もなく詳細が発表されるとのことです。
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みんなのコメント
それなら現実的な選択肢として田舎の農家からそこそこの注文が入るだろう。
こんなの買うヤツなんかいない。
だから見てみなよ、欲しい欲しいって
コメントで盛ってる乗り物ほど、
実際は見掛けないだろ。
そういう持ち上げ方はよその国でやれ。