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公道最速トヨタ「ハイエース」が林道全開! ポルシェより速い? 本気仕様の最強バンとは

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公道最速トヨタ「ハイエース」が林道全開! ポルシェより速い? 本気仕様の最強バンとは

■激狭い峠をハイエースで激走!? 公道最速の配達バン

 2021年6月11日から13日にかけて群馬県高崎市・藤岡市・神流町・上野村・南牧村で開催された全日本ラリー「モントレー2021」。
 
 最速の配達バンを目指してトヨタ「ハイエース」で挑む自動車ジャーナリストの国沢光宏氏ですが、ハイエース2戦目となった今回はどのような戦いだったのでしょうか。

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※ ※ ※

 古今東西、アニメの面白さは「戦い」にあると思う。厳しい勝負になったら次なる新兵器を用意し、そいつを投入して頑張る。戦力不足ならさらにバージョンアップして戦う。
 
 モータースポーツもまったく同じ。アニメと違うのは、実世界のガチバトルだという点です。トヨタ「ハイエース」のラリー車、初陣はたくさん「う~ん!」を感じることに。

 ただ意外性もあったのだろう。「シャア専用ザクに普通のザクが戦いを挑んでるみたいですね!」とか「鬼殺隊員が上弦に戦いを挑むようなもの」と、私からすれば理解に苦しむようなことをいわれる。

 働くクルマがスポーツモデルに戦いを挑んでいる、ということでしょう。実際、初陣で瞬殺されるかと思いきや、シャア専用ザクや下弦の背中は見えた。

 ハイエースラリーチャレンジ2戦目となる「モントレー2021」(群馬県)は、パワー不足を少しでもカバーすべくクロスレシオのミッションと、コーナリング性能を高めるべく一段とレベルの高いサスペンションを投入したのだった。

 クロスレシオ、自転車でいえば3段変速が6段変速になったようなもので、登り坂に見合ったギアを選べる。

 サスペンションも曲がりくねった狭い峠道から、高速ターマックまでカバー出来るように開発した。

 今回のSS(スペシャルステージ)は20km×3本。1本目のSSが比較的クルマのハンデ出にくい高速ターマック。

 2本目と3本目はハイエースにとってキツい登り坂や、急カーブ、キツい下り坂が連続するコース。よって1本目に勝負を賭ける。

 やる気満々でスタート地点に行くと「コースの途中で1台コースアウトして通行出来なくなりました。ラリーは赤旗中止です」。

 なんと、ラリーあるあるなのだけれど、今回SSが3本しかない。超残念です。

 土曜日はこの1本のため、サービスパークに戻って終了。幸い新型コロナ禍のため無観客。お客さんに迷惑掛けずに済みました。

 雨の予報もあったけれど幸い日曜日はドライ。昨日にまして気合い十分で全開スタートを決める。するとどうよ、登り坂でパワー不足。

新投入のミッションは素晴らしい仕事をしているし、サスペンションもバッチリ決まってる。でも1620kgの車体に136馬力だから当然ながら厳しい。トヨタ「ヤリス(1.5リッター車)」だと990kgで120馬力ですから。

 ハイエース、そういった意味だとザクだし普通の鬼殺隊レベルです。けれどコーナーが案外速い。

■インプやデルタ、ランタボなどがライバル!? ハイエースの実力はいかに

 今回エントリーしているオープンクラス、ライバルは往年の名車。スバルの初代「インプレッサWRC」と戦ったランチア「デルタ」や、1970年代のモンテカルロラリーで大暴れしたポルシェ「911」、全日本ラリーの勇者三菱「ランサーEX1800ターボGT(通称ランサーターボ)」等々。

 少し旧型になったものの、車重1200kg以下で200馬力以上あるクルマばかり。

 本来ならノーマルエンジンのハイエースで戦える相手とは思えない。なのにSS2を終えてみたら、9台中4位。

 登り坂で失った時間を考えたら、小型軽量のロータス「エラン」と戦えるくらいのタイムを出せそうな感じ。皆さんがイメージするよりコーナー速いのだった。

 新しく投入したダンパーはチームで開発したニューバージョンとなり、フロントがオイル量の多い単筒式。リアはリザーブタンク付き。

 驚くほど乗り心地良いのに、表面の舗装が剥がれてガタガタになってる道を思い切り攻めても見事に車体の動きを抑えてくれる。前後の荷重や左右方向のGもキッチリとコントロール出来てしまう。

 後輪は内側輪が浮いたりハネたりするものの「おりゃ~っ!」と強引にねじ伏せて走って行ける。

 見た感じコケそうな雰囲気のハイエースとあり、最初は注意深く走っていたものの気がつくと全開につぐ全開。すんごく楽しんでいた。

 見てくれと全然違っておりコントローラブルなのだった。これでパワーあったら上弦と戦えるかも。

 皆さんから「怖いでしょう」と聞かれるハイエースだけれど、2戦を終え自信を持って「楽しいですよ!」と答えられるようになった。

 SSだけでなくリエゾン(競技区間まで移動)で街中を走っていても楽しい。

 次なる新兵器はエンジン(耐久性重視の制御になっているのでECUチューンでパワーアップ可能)とブレーキ。次の戦いが楽しみです。

 なお、SS3は途中でコースアウトしたクルマが居て途中3分くらい待たなければならずフルアタック出来ませんでした。次戦は2021年8月20日の秋田県です。

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