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ケータハム初のEV、年内デビューへ 「軽さとシンプルさ」追求の新型スポーツカーの姿

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ケータハム初のEV、年内デビューへ 「軽さとシンプルさ」追求の新型スポーツカーの姿

セブンとは異なる2シーター・スポーツカー

英国の自動車メーカーであるケータハムは、従来の「セブン」とはまったく異なる電動2シーター・スポーツカーを数か月以内に発表する予定である。

【画像】形態が機能に従う。軽量シンプルスポーツカー【ケータハム・セブン170Rや2000、420カップなどを写真で見る】 全79枚

英ケント州に本拠を置くケータハム(親会社は日本のVTホールディングス)は、電動化の先鋒となる新型車を計画している。ケータハムの創立50周年である2023年内に、そのデザインが披露されることになるだろう。

新型車のデザインを担当するのは、Wモーターズのライカン・ハイパースポーツや、ジャナレリー・デザイン-1で知られる自動車デザイナーのアンソニー・ジャナレリー氏。

トリノのイタルデザイン社とのパートナーシップのもと、ケータハムの「既存のファンを喜ばせながら、別のタイプのオーディエンスにもアプローチする」機会として期待されている。

ジャナレリー氏によると、この「架け橋」を作ることは「大きな責任」だが、「エキサイティングなことなので怖くはない」という。

「わたしの一番の望みは、ケータハムからのメッセージを人々が理解してくれることです」と彼は言う。

このメッセージとは、ケータハムの原理・原則はパワートレインの性質にかかわらず、まったく新しいモデルに受け継がれ、具現化されるというものだ。ジャナレリー氏はAUTOCARに対し、次のように語っている。

「ケータハムの原則は軽さです。セブンの魅力は、シンプルで機能的なクルマであること。たとえEVを作るとしても、同じ哲学を適用したい。とてもシンプルなものです。派手な機能はありません。このクルマを運転することが一番の楽しみなのです」

「できるだけ軽く、を心がけています。軽さから引き出される性能は素晴らしいものになる。そして、走る歓びは、この軽さの結果なのです。キーワードは常に、シンプルさ、軽さ、そしてドライビングプレジャーです」

軽さ、シンプルさ 「ケータハムのデザイン」とは何か

ケータハムというブランドの魅力も、新型車の構想に強い影響を与えていると、ジャナレリー氏は言う。「ケータハムを手に入れたら、何が得られるでしょう? 他車とは違うものが得られるのです。ケータハムを買えば、主流から外れて、少し大胆な人になる。わたしはそれを将来のモデルに込めたいのです」

ジャナリー氏は新型車のデザインで大きな自由を得ている。なぜなら、従来のセブンは「スタイリングを持たない」からだ。

「次に作るクルマは、ロータスに由来するセブンとは違い、 “ケータハムのスタイリング” を適用できる最初のクルマです」

新型車は長いボンネットを持たず、「かさばらない」とした上で、ジャナレリー氏は形状やサイズについて深い言及を避けたが、EVならではのスリムさとシンプルさが、パッケージングとコンパクトさを改善する要因になると述べた。

軽さとシンプルさを追求する彼の姿勢は、ケータハムのCEOであるボブ・レイシュリー氏の意思と一致している。

新型車について、レイシュリー氏は以前、「間違いなくセブンにはならない」としながらも、「しかし、今日のケータハムのお客様がよくご存知の、軽さ、シンプルさ、敏捷性、パフォーマンスといった特徴をすべて備えているはずです」と語っている。

「セブンと同様、スチール製のスペースフレームを採用します(ただしセブンとは別物)。2枚のシル、2枚のドア、そしてフロントとリアのクラムシェル・オープンを備えた、アルミニウムまたはカーボン製の6枚パネルからなるボディを持ちます。セブンよりも美しくてモダンで、それが大きな差別化ポイントになるでしょう。もしかしたらルーフがつくかもしれません。当初から純粋なEVとして設計しており、後輪駆動のみでSVA(型式認定のない車両に対する英国の車検制度)に基づいて登録される予定です」

ケータハムが今年発表するのがコンセプトカーなのか、それとも量産前のプロトタイプなのかはまだ明らかではない。だが、レイシュリー氏は、英ダートフォードに最近オープンした新しい工場でセブンよりも多くの台数を生産し、ベース価格を高くする計画をほのめかしている。

新型車の発売時期は不明だが、VTホールディングスの高橋一穂CEOが生産開始を熱望していると言われており、早ければ2026年に発売される可能性がある。

チーフデザイナー、アンソニー・ジャナレリー氏にインタビュー

――ケータハムのどこに惹かれたのですか?

「ドバイに引っ越して最初に買ったクルマがケータハムでした。ちょっと意外かもしれませんね。わたしは300万ユーロのスーパーカー(Wモーターズのライカン)のデザイナーでしたが、実は乗りたかったのは、とても軽量で基本に忠実な、このレトロなスポーツカーだったんです」

――ケータハムの全く新しいモデルを作るのは大変なことではありませんか?

「セブンのようなものを期待されるかもしれませんが、これは違います。セブンのデザインを変えろと言われても、何をどうすればいいのかわかりません。なぜなら、セブンの美点は形が機能に従う(Form follows function)ということですから、何を追加したり修正したりしても無意味なのです。だから、あまり分析しようとすると難しいんです」

「(新型車は)得られる体験やデザインコンセプトの全体的なアプローチには共通点があるはずですが、セブンに近いものにはなり得ません。それが、ある人たちにとっては、もしかしたら受け入れがたいことなのかもしれません」

――電動化はデザインにどのような影響を与えるのでしょうか?

「電動化の良さは、あらゆる場所にスペースがあることです。スポーツカーにとって唯一の問題は、バッテリーパックが車体下部にあることで、車高が高くなりすぎないような工夫が必要です。しかし、それをクリアすれば、あとは自由です。4本の車輪を置き、人をクルマの骨格にできるだけ近づけるようにします」

「EVのプラットフォームは、とてもスリムでシンプルです。わたしにとっては、ケータハムのDNAである『シンプルさ』を適用する絶好の機会なのです」

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みんなのコメント

8件
  • 日本以外のメーカーは、カーボン抑制に真剣に取り組んでいるね。失敗を恐れずに挑戦することにファンも注視している。日本人は、失敗するのならば、挑戦するな!の国民性。モビリティ以外の企業でも、脱炭素社会には他社の動向を見て、外圧を気にして及び腰で企業努力中。
  • ロータスがライトウェイトを捨てようとしている今、ケイターハムに期待したい。本当はこのデザインのエンジンバージョンも欲しいが、それは無理だろう。
    7とこれの二本立てで、欲張らずに存続してほしい。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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