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走りに装備そして価格も満点! 旅の相棒に使いまくりたいスズキ「Vストローム800」試乗!!

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走りに装備そして価格も満点! 旅の相棒に使いまくりたいスズキ「Vストローム800」試乗!!

死角なきVストシリーズ

 スズキ『Vストローム800』は10月25日に国内向けが発売されましたが、これより先(3月24日)にバリエーションモデルに相当する『Vストローム800DE』が先行投入されています。車名の末尾が無印、つまりスタンダードである『Vストローム800』が後発となりました。

【画像】くぅぅぅぅ……カッコいい! スズキ「Vストローム800」の画像を見る(20枚)

 両モデルの相違点は、まずフロントホイール。大径21インチのワイヤースポークホイールを履く『Vストローム800DE』に対し、『Vストローム800』は剛性の高いアルミキャストホールで19インチとしています。

 タイヤはダンロップ製で、標準指定銘柄は『Vストローム800DE』がトレッド面をセミブロックパターンにしたTRAILMAX MIXTOUR、『Vストローム800』がD614/Fです。

 両モデルとも道を選ばないオールマイティなアドベンチャーモデルですが、800はロード寄り、800DEはダート志向とし、キャラクターの差別化が図られていることがタイヤを見てもわかります。

 250から1050までラインナップが充実するVストロームシリーズでは、下記のようにそれぞれにダート性能を高めたワイヤースポークホイールを装着するモデルが設定されています。

Vストローム1050DE:21インチ・ワイヤースポークホイールVストローム1050:19インチ・キャストホイールVストローム800DE:21インチ・ワイヤースポークホイールVストローム800:19インチ・キャストホイールVストローム650XT:19インチ・ワイヤースポークホイールVストローム650XT:19インチ・キャストホイールVストローム250SX:19インチ・ワイヤースポークホイールVストローム250:17インチ・キャストホイール

 ワイヤースポークホイールは荷重がかかると、ハブからリムにかけて張り巡らされた何本もの細い金属線(ワイヤー)がしなったりたわむことで衝撃を吸収します。

 キャストホイールはより頑丈で、密閉性の高い構造からチューブレス化できるのも大きなメリットのひとつ。オンロードスポーツでは主流となっています。

 ユーザーの要望に応えるべくVストロームシリーズでは、250、650、800、1050それぞれで両モデルを用意し、選択肢を広げています。なので筆者(青木タカオ)は『Vストローム800DE』が先行発売されたとき、すぐにキャストホイール仕様の登場が想像できました。

 大径21インチはダートでの走破性に優れ、『Vストローム800DE』はオフロード走行も想定した長旅の相棒として相応しいモデルとなっていますが、ハイスピードレンジでの巡航性やワインディングでの旋回性にも目をみはるものがあります。

 そこでオンロード性能をより高めているのが、後追いでデビューとなった『Vストローム800』です。高いコーナリング性能を際立たすため、DEでは片押し2ポットアキシャルマウントだったブレーキキャリパーを、対向4ポットラジアルマウントにグレードアップ。ストッピングパワーを高めるのはもちろん、コーナーアプローチでブレーキコントロールがより緻密にでき、踏ん張りの効く足回りとなっています。

足つき性に優れる無印

 車体のサイズ感は変わりませんが、『Vストローム800』のシート高は825mmで『Vストローム800DE』より30mm低くなりました。身長175cm、体重65kgの筆者の場合、片足立ちならカカトまで地面に届き、アドベンチャーモデルとしては足つき性は良好と言えます。

 オプションのローシートで20mmダウン、ハイシートで30mmアップも可能。車体重量は7kgの差があり、『Vストローム800』では223kgとしています。

『Vストローム800』に乗ると、オンロードでの軽快性と安定感が際立ち、乗り心地も上質なものになっていることがすぐにわかります。フロントの接地感がより高まり、クルージング性能やコンフォート性も向上。ロングライドでの疲労を軽減しています。

専用設計のハンドル&ステップ

 アドベンチャーらしいゆったりとしたライディングポジションですが、専用設計のハンドルとステップ位置によって、ワインディングもアグレッシブに走行できる乗車姿勢をつくりだしています。

 アルミ製テーパーハンドルバーはグリップ位置をフロント寄りにしていて、ステップはDEより後方へ移設。DEでは脱着可能なラバーが備わるスチール製でしたが、『Vストローム800』は一般的なロードスポーツモデルに見られるアルミ製+ラバーとしています。

高速巡航もより得意に

 防風性能の向上は、風洞実験によって作り込んだウインドシールドが幅をワイド化していることに尽きます。工具を使って3段階の高さ調整が可能。ハイスピードレンジでのクルージング性能が高まり、長距離ツーリングも快適にこなします。

『Vストローム800DE』が備えるナックルガードやエンジン&フレームガード、スキッドプレートなどは省略され、オプションにて追加装備ができます。

先進的な電子制御を満載

 並列2気筒エンジンは270度位相クランクを採用し、不等間隔燃焼による優れたトラクション性能や心地良いパルス感が味わえます。これは90度Vツインの持ち味でもありますが、V型2気筒では不利だった後方シリンダーの冷却性や前後長を抑えつつ、パラレルツインにて実現しました。前後方向にもコンパクトで、軽量スリムなパワーユニットとしています。

 クランク軸に対し、90度に1次バランサーを2軸配置する『スズキクロスバランサー』が不快な振動を抑制しているこも見逃せません。極低速域でも粘り強いパワーを発生し、滑らかで扱いやすい出力特性と高回転域までスムーズに吹けあがる伸びやかさを両立しました。

 ロングライドで疲労を軽減する電子制御を満載にしています。『スズキクラッチアシストシステム(SCAS)』は、ライダーのクラッチ操作をアシストし、レバー操作を軽くしてくれるもの。『スズキインテリジェントライドシステム(S.I.R.S.)』は先進的なスズキ電子制御システムの総称で、『スズキドライブモードセレクター(SDMS)』はAモード(アクティブ)、Bモード(ベーシック)、Cモード(コンフォート)とエンジン制御マップの切替ができます。

 最高出力は変わらず、違うのはフィーリングです。Aモードは最もシャープなスロットルレスポンスで、スポーティな走りに最適。ややマイルドな特性のBモードは、市街地走行やツーリングなどにふさわしくコントロール性が高い。滑らかに加速し、さらにマイルドなCモードはウエットな環境や滑りやすい路面などでライダーのスロットル操作による負担を軽減してくれます。

 駆動輪のスピンを検出すれば、即座にエンジン出力をコントロールする『スズキトラクションコントロールシステム(STCS)』もリラックスして走りたいときにありがたい。路面状況などに合わせ、3モード(+OFF)からシステムの介入レベルを選択可能です。

 ABSも介入度を2つのモードから選べ、電子制御の設定をするだけでも楽しい。さらにクラッチやスロットル操作をしなくともシフトアップ/ダウンができる双方向クイックシフトシステムやワンプッシュでエンジン始動を確実にできるスズキイージースタートシステム、発進時や低回転走行時のエンジン回転の落ち込みを緩和し、スムーズな発進を実現するローRPMアシストも搭載し、遠出もラクラクです。

価格抑えてライバルに対抗!

 それぞれの設定は、5インチカラーTFT液晶マルチインフォメーションディスプレイを見ながら直感的にできました。デイモード(白)とナイトモード(黒)があり、手動または自動で切り替えることができます。

 メーターの横にはUSB端子も装備。スタンダードモデルながら装備は充実し、「これがあったらいいのにな」はどこにも感じられません。

 フロントフォークはSHOWA SFF-BPで、フォークトップエンドの左側にはプリロードアジャスターを装備。リヤサスペンションは、伸側ダンピングアジャスターを装備したリンク式モノショック。工具不要で調整できる油圧式スプリングプリロードアジャスターも備わります。

 LEDヘッドライトが縦に2灯配置されたフロントマスクや、LEDコンビネーションランプが備わるテールエンド、車体もスタイリッシュです。それでいながら新車価格は123万2000円に抑えられ、ライバルらを突き放す大きなセールスポイントになりました。最後に国内同クラスの車体価格を並べますが、お買い得感がかなり高いモデルと言えるでしょう。

スズキ「Vストローム800」:123万2000円(税込)ホンダ「XL750トランザルプ」:126万5000円(税込)スズキ「Vストローム800DE」:132万円(税込)ヤマハ「テネレ700」:139万7000円(税込)

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