ランボルーギーニ・ミウラの現在の市場価格は2億5000万円 フルレストア車をチェック！【第2回 昭和レトロな世界展】

スーパーカー史に残る永遠の名車、ミウラ

クルマに詳しくない人や、若い人たちも、思わず足を止めてしまう美しいスタイリング。ランボルギーニ・ミウラは、1966年にジュネーブショーで発表。66年から1973年まで約750台が生産された。筆者と同じ50代のスーパーカー世代なら、この1台をもっとも好きなスーパーカーとして憧れる人も多いだろう。この後に登場して大ヒットしたカウンタックの直線的なデザインとは対照的な、官能的な曲線美がミウラのハイライトと言える。

迫り出したセンターコンソールに計器類が並ぶミウラオリジナルな独特なデザイン。バケットシートとヘッドレストは別体式。小柄な人はシートを前に出すから、ヘッドレストは使えない？池袋の東武百貨店では、10月20日より、前回開催の好評を受けて「第2回 昭和レトロな世界展」を開催。数々のノスタルジックな展示、販売などで多くの来場者で賑わっていた。その一角に、ランボルギーニ・ミウラとフェラーリ・ディノ246GTの実車が展示され、車両を出展したキャステルオートの鞍和彦さんによるトークショーも行われた。キャステルオートと言えば、スーパーカーのレストア＆販売を80年代から今日まで継続する老舗中の老舗である。

会場にもう1台展示されていたのが、フェラーリ ディノ246GT、1970年式。V6搭載の手軽なフェラーリとして絶大な人気を誇った。キャステルオートでは、これまで40台ものミウラを扱ったという。「ミウラは、デザインも美しいけれど、走っても楽しい一台。でも、操縦安定性はあまり良くないです」という。150km/hも出すと、フロントが浮き気味になるそうだ。「“SV”にはチンスポイラーが付いているから、あれは効果があるでしょう」とのこと。今から60年近く前に設計されているわけで、当時の空力技術を考えれば、操安性や直進安定性があまり良くないのも当然かもしれない。

今回、出展車両を提供したのはキャステルオートサービスの鞍和彦さん。80年代から一貫してスーパーカーの販売やレストアを行うスーパーカーのプロだ。ミウラは、チリ合わせがたいへん

ミウラをふつうにレストアに出すと、2年、場合によっては5年掛かる場合もあるというが、このクルマは、1年2カ月で仕上げたそうで、今まさに、レストアが完了したばかり。実車を見ると、その仕上がりは「新車よりも美しい」と感じるレベル。鞍さんによれば、「ミウラはチリ合わせがたいへん」だそうだ。60年近く前の設計、手作りレベルの少量生産車、モノコックではない架装ボディ、曲線多様の複雑なボディライン、それでいて、フロント＆リヤはそれぞれ１枚モノの超巨大なフードカウルを纏うのだから、素人目に見ても、綺麗にチリが合う方が不思議なくらいだ。

来場者の質問に気軽に答える鞍さんと、前後フードを開けたミウラ。リヤフードは、マフラーエンド取り付け位置の問題で地面に干渉してしまい、今はここまでしか開かない、本来はもっと大きく開く。巨大なフードの仕上げの美しさやチリ合わせは見事。苦労は目に見える部分だけではない。例えば配線。「生産から50年経っていて、安心できないから引き直しています。ショートしちゃうと火が出ちゃうので。キャブからの吹き返しで火が出るのもあるけれど、配線も、しっかり見ておかないと」。

横置き搭載される3.9L V12ユニットは、ウインドウ1枚隔てて、ドライバーのすぐ直後に搭載される。エンジンルームも新車と見紛う美しさだ。30年前の市場相場は4000万円だったけれど

現車に装着されていたタイヤはアメリカの「COOPER」製だ。「PIRELLI、MICHELINも頼むことは出来ますけれど、高い。4本で100万円くらいします」。これだけのクルマなら100万円掛けても良いのでは？ とも正直感じたが、タイヤのポテンシャルを使い切るような走りをしないのだろうから、そこはお金の掛けどころではないのかもしれない。走っても走らなくても、数年ごとには交換しなければならないわけだし。

ホイールの美しさは溜息が出るほどだ。フロント70扁平、リヤ60扁平の共に15インチというタイヤサイズ。パーツは、10年前から見ても、2、3割は上がっているそうで、昨今の円安もあって、できるだけ国内での調達を心掛けているそうだ。

最後に、ミウラが欲しくなってしまった人のために、市場相場の推移を聞いた。「30年前が4000万円、20年前が8000万円、10年前が1億2000万円、そして現在が、2億5000万円」だそうです。買うなら、今、ということか！

ランボルギーニ ミウラ P400S年式　1971年全長×全幅×全高　4380mm×1780mm×1100mmホイールベース　2504mm車両重量　1180kg駆動方式　横置きミッドシップ後輪駆動タイヤ　フロント：225/70R15　リヤ：255/60R15エンジン　60度V型12気筒DOHC総排気量　3928cc最高出力　370ps／7700rpm最大トルク　39.0kgm／5500rpmトランスミッション　5MT

イベント名：第2回 昭和レトロな世界展開催場所　：池袋 東武百貨店 8F催事場開催期間　：2022年10月20日（木）～25日（火）

Comments

昔、スーパーカーのクラブに入っていた時はカウンタックⅬＰ４００とミウラは１０００万を越えてはいなかった。
ミウラを８００万、カウンタックを９００万で買わないかと言われた事が有る。マセラティボラは２００万で
どうかとも・・とにかく下取りでフェラーリ３６５Ｇｔ４ＢＢで２００万位。ケンメリのＧｔＲで４００万
そんな時代だったな・・・

シーサイド時代からの憧れでしたが、もう違いますね。美しいデザイン・サイズそのまま4000万予算で最新技術の新ミウラを作りましょう。当時の足周り、エンジン、安定バランスは、2億OVERの価値はないので。あとロマンの価値としてもない価格です。