2019年限りで現役を引退したホルヘ・ロレンソは、過去に9年間所属した古巣のヤマハへ、テストライダーとして復帰した。そして、この起用の裏にはヤマハのバレンティーノ・ロッシによる後押しがあったようだ。
2月2日から3日間行なわれたシェイクダウンテストにおいて、ロレンソは早速ヤマハのYZR-M1に搭乗。3年ぶりに乗ったバイクは以前から特性が変わっておらず、自分にとって理想的だと印象を話した。
■バレンティーノ・ロッシ、ヤマハ・ファクトリーとの契約終了が意味するモノ
ヤマハでチームメイトだった時代には、ロッシとロレンソは難しい関係にあることが知られていた。しかし今年、ロッシはロレンソのもたらすデータが改善の役に立つと確信しているようだ。
「僕にとって、そして僕らにとってホルヘはパーフェクトだ」
「僕はリン(ジャービス/マネージングディレクター)とヤマハに、ホルヘと話し合うようにプッシュした。良い判断だったと思うよ」
「去年ホルヘがホンダでとても苦労していたのを理由に、(ライダーとしての能力に)疑いを持つ人もいただろう。でも僕はいつも『たった1日でもM1に乗れば、彼が競争力を失っていないことは十分に分かるだろう』と言ってきた。そして実際、そうだったろう?」
「そして僕らとしてはそれが重要なんだ。なぜなら今のMotoGPは良いデータをもたらすテストチームを組織することがとても重要だからね。それには僕らファクトリーチームのライダーと同じように、速いラップタイムで走れるライダーが必要なんだ」
「短期間でバイクを改善するための大きな助けになると僕は思っている」
また、チームメイトのマーベリック・ビニャーレスも、ロレンソのテストライダーとしての起用を喜んでいる。彼はYZR-M1でタイトルを勝ち取った男と仕事をするチャンスを得られたことに感謝していると話した。
「彼のテストライダー就任は、本当に重要だ。なぜなら僕らは同じ国出身で、同じ言葉を話す。それに特徴だってとても似ている。僕にとって彼との仕事はとてもやりやすい」と、ビニャーレスは語る。
「もちろん、彼はこのバイクで世界チャンピオンになったし、世界チャンピオンになるために何をすべきかを知っている。僕が(2017年に)ヤマハに来てから、僕らはタイトルを勝ち取れる競争力を手にしていない。ホルヘのチームに対するサポートを得て、世界チャンピオンとなるために何が必要なのかを理解するチャンスを得られるんだ」
「それはもちろんバイクの開発についてもそうだ。ホルヘはヤマハで最高の日々を送っていたから、僕らが改善すべき点は何なのかを知っているだろう」
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