IGTCインターコンチネンタルGTチャレンジの2023年シーズン開幕戦『リキモリ・バサースト12時間』が2月3~5日、オーストラリアのバサーストで開催される。その走行初日となった金曜日のトピックスをマウント・パノラマ・サーキットのパドックからお届けする。
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デイトナで大怪我のアウアー「手術はとてもうまくいった」と報告。チームメイトがバサースト12時間での代役に
***3日(金)はプラクティス1~4が行われ、現地9時45分から始まった最初のセッションではチェズ・モスタート駆る65号車アウディR8 LMSエボII(メルボルン・パフォーマンス・センター)が2分04秒0879でトップに立った。
***プラクティス2はMotoGPの“レジェンド”バレンティーノ・ロッシがドライブする46号車BMW M4 GT3(チームWRT)がベストタイムをマーク。ブロンズドライバー限定のプラクティス3を挟んで16時10分から行われた初日最後のプラクティスでは、52号車MARC II V8(ホイールズ/FXレーシング)のクラッシュによってセッションが早期に切り上げられるなか、ラファエル・マルチェッロの999号車メルセデスAMG GT3(グループMレーシング)が2分03秒9958を記録し、初日の最速マシンとなっている。
***イベントディレクターのシェーン・ルジスによると、予選のトップ10シュートアウトをイベントの伝統的な1台ずつのアタック方式ではなく、2回のグループセッションに変更したことは「かなり効果的」だったという。2022年にプロ・アマで争われた大会の後「通常の種類のイベント」での効果を見るために、今週末もこのフォーマットが維持されるという。
***ルジスは「それは長い間議論されてきた」と述べた。「何度も出てくるのは、ピレリタイヤは温まるのに時間が掛かるという意見だ。我々は可能な限り最速のタイムを出したいと考えている。しかし、1周のウォームアップではそれを実現するために充分なほどタイヤの温度上がっていない、と彼らは言っている」
***ピレリタイヤは今年、昨年使用されたDHEとは異なるタイヤを持ち込んだ。イタリアのサプライヤーはPゼロ DHFをオーストラリア市場に導入している。今大会はすべてのGT3カーに対し、1.4barの最低タイヤ内圧が適用されている。
■ロッシはIGTC第2戦キャラミを欠場
***今週末は記録的な観客動員数が予想されており、チケットの売り上げは過去最多を記録した2020年を65%上回り、キャンプ場の売り上げもパンデミック以前のレースと比較して50%増となっている。ルジスは関心の高まりについて“ロッシファクター”とリアム・ローソンによるレッドブルF1のデモンストレーションラップを要因に挙げた。
***チームWRTのスポーティングディレクター、カート・モレケンスは、ベルギーチームがBMWと組んで初めて臨むバサースト12時間に向けて、1台につきひとりのメカニックを増員したと語った。WRTはM4 GT3の初期段階から、長時間かけてセットアップを消化することがプログラムの一部となっていた。
***モレケンスはSportscar365にこう語っている。「午前2時前にドバイのホテルに行ったことはないと思う。ほとんどのチームが何年も扱ってきたクルマを扱っているため、ピットレーン全体が空っぽだった。アウディなら私たちも23時にはホテルに着いていただろうけど、2~3時間長く掛かるんだ」
***ロッシはSportscar365に対し、2月末のキャラミ9時間に出走しないことを認めた。BMW MチームWRTは、南アフリカIGTCラウンドに2台で参戦する予定のラインアップをまだ確定していない。ロッシは「3月にはシーズン準備のためにいくつかのテストを行う予定だが、キャラミには出ない」と述べた。
***MotoGPのトップカテゴリーで7度の世界チャンピオンに輝くロッシは、先月行われた『ハンコック・ドバイ24時間』での走行が、BMWを理解し24時間の経験を積むうえで「重要」だったと付け加えた。「僕の目標は24時間のビッグレースだ」と彼は述べた。「走るたびに良くなっている。スパの後、僕は壊された。ドバイの後はもう少し良くなっているよ」
■マウント・パノラマは、マカオとニュル北コースを足して2で割った感じ
***ジュール・グーノンとルカ・ストルツ(サンエナジー1)は今週末、チームメイトのケニー・ハブルが最近取得したコンロッド・ストレート(バックストレート)の土地に滞在することになった。「雰囲気はとてもいい」とグーノンはSportscar365に語った。「僕たちはコンロッド・ストレートにあるケニーの家に泊まっているんだ。毎晩、サーキットと一緒に寝ているんだよ」
***ステファン・グローブは、クラウドストライク・スパ24時間でIGTCデビューする予定のグローブ・レーシングの新型ポルシェ911 GT3 Rが、IGTCのシーズン終了後にオーストラリアへ来るかどうかはまだ分からないという。「まだやっていないデイトナ24時間に取り組むかもしれないし、何をするかは確信がない」と彼は述べた。
***アウグスト・ファーフスは、チームWRTが運営するBMW M4 GT3で最初のラップを行った。「10月までは彼らはアウディだったんだ」とファルファスはSportscar365に語った。「一方、僕は10月以降はほとんどLMDh(のテスト)しかしていなかたった。最後のGT3テストは11月のバレルンガだったから、GT3の最後のテストから大きなブレイクになったよ」
***ファーフスはバサーストを彼のもっとも好きなサーキットのひとつとして評価している。このブラジル人は今回で4回目の12時間レース参加となる。「ここの人たちはとてもフレンドリーだ。トラックはマカオとノルドシュライフェを足して2で割ったような感じだね」と彼は語った。
■2022年から車重変化がないのはメルセデスAMG GT3のみ
***マンタイ・EMAは、経験豊富なポルシェチームのマンタイとオーストラリアチームのEMAモータースポーツのスタッフから構成されている。EMAはバサースト12時間には初めて参加するが、チームの数名のメンバーは2020年に2位となった59レーシングによるマクラーレンのプログラムに参加していた。
***912号車“991型”ポルシェ911 GT3 RはEMAが所有している車両だ。これは2022年のスパ24時間レースと、ニュルブルクリンクで開催されたNLSシーズンの最後から2番目のラウンドに出場したマシンと同一個体である。
***マンタイは2018年以来、初めてバサースト12時間のエントリーリストに載っているが、マネージングディレクターのニコラス・レーダーによると、チームはこのイベントに対して充分に準備ができているという。「我々はここ数年、アール・バンバー・モータースポーツの勝利など、他の多くのチームをサポートしてきた。だから、我々は何をしなければならないかについて充分な情報を持っている」と彼はSportscar365に語った。
***イベント前のBoP(バランス・オブ・パフォーマンス/性能調整)によると、アウディR8 LMSエボIIは、2022年大会よりも10kg軽くなった。同様にランボルギーニ・ウラカンGT3エボも10kg減となっているが、反対に“991型”ポルシェ911 GT3 Rは5kgのウエイト増。メルセデスAMG GT3は前年から変わっていない。
***4日(土)はプラクティス5、プラクティス6、予選が行われる予定だ。予選はQ1とQ2計2回の通常セッションと、計2回のシュートアウトセッションで構成される。この予選ではふたりのドライバーのタイムを合計でトップ10に入ったクルマが、15分間のセッションで行われるシュートアウトに進みポールポジションを争うことになる。
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