新宿駅再開発の影響
新宿駅に併設されていた商業施設「新宿ミロード」は、40年以上の歴史を持つが、2025年3月16日に閉館した。その背景には、新宿駅と周辺エリアの再開発がある。
【画像】「えぇぇぇぇ!」 これが35年前の「新宿ミロード」です! 画像で見る!(計15枚)
新宿ミロードと3年前に閉館した小田急百貨店新宿店本館の跡地には、2030年までに高さ約260m、48階建ての超高層ビルが建設される予定だ。このビルは東京都庁を上回る高さとなり、多くのメディアが新宿ミロード閉館の原因をこのビル計画に求めている。
しかし、それが完全な理由ではない。実際には、新宿駅の地下で起きている変化が、私たちが想像している以上に深刻な問題を引き起こしている可能性がある。
新宿ミロード最後の日
3月16日、新宿ミロードの閉館日に立ち会うため、静岡から長距離バスで新宿に向かった。筆者(澤田真一、ライター)は、40年以上新宿に根付いた商業施設の最後の瞬間を見届けたかった。
新宿ミロードは、若年層の女性をターゲットにした商業施設として知られている。しかし、客層は女性に限らず、男性も多く訪れていた。
この施設が「青春の場」だったと感じる人は少なくないだろう。1984(昭和59)年10月に開店し、バブル前の時代を経て、昭和、平成、令和を見守りながら40年間営業してきた。
閉店を惜しむ声は多く、再開発の必要性に疑問を持つ人も少なくない。その答えは、どうやら地下にある。
西口地下広場の「荷捌き問題」
新宿駅周辺の再開発に関する有識者会議「新宿の拠点再整備検討委員会」が新宿区に設置されている。この委員会は2017年から現在まで計15回の会議を開いてきた。その第1回、2017年6月28日の会議で使われた資料に注目してみよう。資料の19ページには、
「【駐車場】荷捌き」
という小見出しがあり、新宿駅西口と東口での荷捌き問題が取り上げられている。荷捌(さば)きとは、商品や荷物の受け取りや積み降ろし作業を指す。特に商業施設や交通拠点で行われることが多い。
新宿駅西口地下広場では、8~11時のピーク時間帯に81台が路上荷捌きを行っており、平均駐車時間は44分だった。そのうち60%が普通貨物車で、この状況が広場内の
・車両混雑
・車道占有
を引き起こしていた。
同様の問題は地上でも発生していた。新宿駅東口広場では10~13時の間に87台が路上荷捌きを行い、その54%が普通貨物車だった。平均駐車時間は22分で、ドライバーにとって他に荷捌きの場所がないという事情がある。車高の高い貨物車に対応できる屋内駐車場は限られているため、これが現実的な解決策となっていた。
共同荷捌き場を設置予定
「路上荷捌き問題」は委員会で重要な議題となり、その後の会議でも繰り返し取り上げられた。
主に午前中に行われ、特に小規模店舗が多いエリアで貨物車の駐車が目立っていた。この問題を解消することが、新宿駅周辺再開発計画の重要な目標のひとつとなった。
この問題に対する暫定的な解決策は、2018年7月12日の第6回会議資料に示されている(10ページの「荷さばき」に図解入りの説明)。
主要エリアごとに、十分な高さを確保した
・都市計画駐車場
・共同荷捌き場
を設けることで、より効率的な荷捌きを実現するという内容だ。つまり、新宿ミロードを含む再開発前の商業施設は、煩雑で不安定な荷捌き体制の下で営業を続けていたということになる。
新宿駅を悩ませる「人流問題」
新宿駅周辺の再開発計画には、「流動・ネットワークの効率化」が大きなコンセプトとして掲げられている。路上荷捌き問題や新宿ミロード跡地に建設される超高層ビルも、この計画の一環である。
新宿の拠点再整備検討委員会の第8回会議資料4ページ「駅施設」には、「サービス水準の低い乗換経路が存在」と記載されている。乗換経路は複雑で、乗換目的の人々の流動が交錯する現象も生じている。
この人流の交錯問題は、2022年の韓国・ソウル梨泰院の雑踏事故後、さらに深刻な問題として認識されるようになった。
実際、筆者は新宿ミロード閉店の日に、この問題を目撃した。閉店時間のセレモニー中、メディア関係者以外には「立ち止まり禁止」の措置が取られていた。シャッターの向こうで従業員がお辞儀をする感動的な瞬間に、警備員が
「立ち止まらないでください」
と大声で叫んでいたのだ。もし誰かが立ち止まれば、滞留が生じ、最悪の場合、梨泰院のような事故が起こる可能性もある。現状、新宿駅の通路は決して広いとはいえない。
「超高層ビル」だけが答えではない
新宿駅周辺の再開発計画を考える際は、複数の要因を総合的に捉えなければならない。そうでなければ、表面的な理解にとどまるか、誤った結論に至る可能性がある。
「都庁よりも高い超高層ビル」
というインパクトのある話題に注目が集まりがちだ。しかし、新宿駅の再開発の本質はそこにはない。実際には、路上荷捌きや人流の交錯といった問題が絡み合い、それらをどう解決するかが計画の根底にある。
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