■もはや「特別仕様車」じゃない強いコダワリ
トヨタは2024年4月30日、「カローラ」「カローラツーリング」に設定した特別仕様車「ACTIVE SPORT(アクティブ スポーツ)」に関する動画を公式YouTubeチャンネル「トヨタ YouTubeショールーム」で公開しました。
動画では5名の開発担当者が登場し、特別仕様車のこだわりポイントについて解説しています。
【画像】超カッコイイ! これが「新カローラ」です! 画像で見る(60枚)
特別仕様車のアクティブ スポーツは、カローラシリーズのうち、4ドアセダン カローラと5ドアのステーションワゴンモデル カローラツーリングに設定される上質な「W×B」ハイブリッドモデルがベースとなっています。
パワートレインはW×Bと共通で、システム最大140馬力を発揮する1.8リッターガソリンエンジン+モーターのハイブリッドで、駆動方式は2WDと4WDが用意されますが、通常モデルとは異なる内外装や専用の足回りを装備し、スポーティに仕立てられています。
エクステリアでは、フロント下部の左右にブラックのスポイラーを装着した専用バンパーを装着し、表情を一新。
このバンパーについて外形デザイン担当の高澤 達男氏は、トヨタでは類を見ない取り組みだと言い、以下のように解説しています。
「特別仕様車のためだけにバンパーを新たに作るというのは、トヨタでは、ほとんどないです。
今回は、新しいことにチャレンジするということも含めて、“入れ子型”という、バンパーの形の一部を複数の形状が設定できるような手法というのを、生産サイドから提案いただきました」
また、バンパー生産工程担当の尾崎 亮氏(崎の「大」部は「立」の“たつさき”)も、以下のように説明しています。
「今回製作した金型は、金型の一部を交換可能にする入れ子構造というものを工夫しまして、一つの金型から、異なるデザインの製品を成形することができるという将来の可能性というところも見込みまして、社内で誰もやったことがない技術に挑戦しました」
特別仕様車でありながら、デザインや製造過程において各部署と議論を重ねながら新たな取り組みを行い、こだわりをもったスタイリングに仕上げられました。
さらに、ボディカラーには専用色「セメントグレーメタリック」を用意し、アティチュードブラックマイカ塗装のドアミラー、“ACTIVE SPORT”ロゴをあしらった同塗装のロッカーパネルを装着し、精悍でスポーティな表情を演出しています。
これについて、カラーデザイン担当の二瓶 綾音氏はコーディネートのポイントを解説。
「スポーティなスタイルを好むお客様にクルマを提供するということで、そのお客様の価値観に響く、選び抜かれたCMF(color=色彩・material=素材・finish=仕上げ)のコーディネートを目指しました。
(中略)街でサラっと乗れるのが格好いいんだよっていうのをすごく伝えたくて、今回設定されているセメントグレーメタリックという明るいグレーがあるんですけど、特にその明るいグレーとブラックのちょうど良いコントラスト感が、今回の特別仕様車の目玉でもあるかなと考えています」
このうち、カローラ ツーリングのセメントグレーメタリックでは、ルーフやピラーがブラックの2トーンカラーを設定。
Dピラー周辺部はブラックとのグラデーションのようなアクセントが施されていますが、これはデカールではなく塗装によるもの。ボディ塗装担当 古町 大樹氏は、この処理の難しさを語っています。
「初めの提示は実際のボディにテープを貼った状態で見せてもらいました。1本1本の曲がり方、寸法、細さ、間隔が実際に塗装ラインでつくるには『結構難しいな』というのが、最初の印象としてはありました。
(中略)ルーフなどと同じ質感や肌、ツヤ感が出せるのはメーカーでしか出来ないことなんじゃないか、大変だけど、何とかやってみようと進んでいきました」
走行性能では、電動パワーステアリングを専用ソフトで最適化を図ったほか、2WD車では専用スプリングとスタビライザー、新構造のショックアブソーバーを採用したチューニングサスペンションを装備。
車両性能開発担当の小林 直史氏は、操縦安定性と乗り心地を両立した味付けについては特にこだわりをもって開発したと話します。
「企画からは、今までのカローラ、カローラ ツーリングに無いような、とにかくスポーティなクルマをラインアップしたいと(伝えられました)。
(中略)この乗り心地の良さは絶対に無くしてはいけないと、上手く両立するかたちを考えられないかなと思いました」
※ ※ ※
新アクティブスポーツの価格(消費税込)は、カローラが314万300円から333万8300円、カローラツーリングが319万300円から338万8300円に設定されています。
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