運営元:旧車王
著者 :きもだこよし
「第1回 昭和平成なつかしオールドカー展示会」イベントレポート
去る8/27(土)、富士スピードウェイには早朝から多数のエキゾーストが響きわたっていた。
富士スピードフェスティバル2022の開催によるもので、多くのカーマニアや自動車愛好家たちがこの地へと集結していたからだ。
同イベントは雑誌ティーポやカーマガジンでお馴染みのネコパブリッシング社が主催する真夏の祭典である。
これは、岡山のTIサーキットにて開催されていたオーバーヒートミーティングがなくなったことに対して、2022年から「スピードフェスティバル」として富士スピードウェイ(以下SFW)での開催となるものだ。
■サーキットを思う存分体験しよう!富士スピードウェイのゲートには早朝から長蛇の列が続いていた。
エントラントをぬけると、そこはもうイベントの熱気に包まれていた。
オープニングセレモニーこそ8時30分からスタートするのだが、西ゲートが開くその瞬間から祭りはすでにはじまっているといっても過言ではなかった。
会場には、新車も旧車も国産車も外車も一同に介して会場を盛り上げているようだ。
さらに、パドック内には出走を待つクルマのエンジンの咆哮が響いていた。
同イベントはクルマを趣味とする人々と走る、集う、触れるをキーワードにして、ともに遊ぶための体感参加型イベントである。
サーキットという会場を使い、リアルに体験できるさまざまなコンテンツが用意されていた。
■カーミーティングや新車試乗 9時からはじまる走行会は、初心者のためのスポーツランからスーパーカーが走るスーパーカーパレードラン、ホンダN-ONEのワンメイクデイトナカップ、レーシングドライバーの運転による同乗走行のサーキットタクシーがSFWのコースを駆け抜ける・・・といった具合に、盛りだくさんのプログラムが組み込まれていた。
一方特設ステージでは、元ティーポ編集長である嶋田智之氏が、ラジオパーソナリティの藤本えみりさんとさまざまなゲストを交えたトークショーを展開していた。
またピット内では、アバルトのクラシックカーや、DTM(ドイツツーリングカーレース)、WRCラリーで活躍した車両が展示され、訪れた方々の注目を集めていた。
さらに、各メーカーの車両展示や物販、クラブミーティングも行われており、会場の隅から隅まで多彩な催しが行われていたようだ。
興味深いのは、これらの催しを見て歩くのに「イベントタクシー」なるものが用意されていたことだ。
これらは「トゥクトゥク」と呼ばれる3輪車で、数台が会場内を常時周回しており、無料で乗車することができた。
これは広大な敷地面積を誇るSFWにおいて大いに助かるサービスだった。
■イベントの横道を行く メイン会場であるパドックに周辺以外にもSFWは多くの駐車場がある。
これは必ず隠れた掘り出し車両があるに違いない。
そう思いながら散策をすると、TE27レビンや70スープラ、欧州車ではBMW2002などさまざまなクルマが潜んでいた。
そこでさらに注意深くみるとやはりいた。
それがこちらのサニーだ。
どうみてもノーマルそのままな出立ちにホイールだけがしっかりとエンケイを履いているあたり、怪しんで室内を伺うとMTであった。
トランクリッドにあるグレードはVZ-R。
このグレードはいわゆるスポーツモデルであり、他のモデルと外見こそ大きな差はみられないが。全グレードで唯一1.6LのSR16VEエンジンを搭載。
175馬力を発揮したクルマであり、このモデルのみ5速マニュアルのみの設定という見た目のおとなしさとは裏腹にスパルタンな仕様である。
ただものでないサニーはやはりひっそりとこのイベントへ来ていたのであろう。
■ステアリングを握れば誰でも走れたパレードラン
走行会の締めは、参加者であれば誰でもが参加できる(もちろんだライバーであることが条件だが)パレードランだ。
全開走行はもちろんできないが、人によっては普段走ることのない、映像でしか見る機会がないようなサーキットコースを実際に体験できるチャンスでもある。
今日1日、多くのクルマたちが走り抜けたその軌跡をなぞるように皆で走る。
締めくくりにはこれほど適した催しもないのではないだろうか。
8月最後の週末に開催された富士スピードフェスティバル。
参加者もクルマも夏の暑さに負けない1日を送っていた。
今から来年の開催が楽しみでならないのは筆者だけではないはずだ。
[ライター・撮影/きもだ こよし]
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