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29歳、フェラーリを買う──Vol.31 バッテリー交換で爆発の危険性発覚!?

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29歳、フェラーリを買う──Vol.31 バッテリー交換で爆発の危険性発覚!?

「バッテリーを変えると、音質が変わりますよ」と、以前、オーディオ・システムを交換したとき、ボンドプラス(埼玉県さいたま市)の關口(せきぐち)祐希さんが教えてくれた。

しかも、具体的に「パナソニックの『caos(カオス)』がオススメです」と、述べる。バッテリーで音質が変わるなんてにわかには信じられないものの、カー・オーディオのプロが言うから間違いないはずだ。

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筆者の360モデナのオーディオ・システムはJBL製に換装されている。ちょうど、バッテリー上がりを防ぐ「バッテリー・メンテナー」も取り付けたいと思っていたので、ならばいっそのことバッテリーも替えてしまおう! と、考えた。

早速、フェラーリに適合するcaosのバッテリーを調べるため、公式ウェブサイトにアクセスした。そこには「フラグシップ カーバッテリー」と記されていた。さらに、下へスクロールすると「サウンドクオリティ」と記されたバナーが。そのバナー下には「カオスの性能は、カーオディオの音質まで変えてしまう」と記されているではないか! 期待が一層膨らむ。

長期間乗らない場合、バッテリー上がりを防ぐ「バッテリー・メンテナー」。車両と家庭用コンセントを結び、バッテリーに電力を供給する。フェラーリはエンジン・オフ後も、セキュリティ・システムに多量の電力を消費するので、常時、バッテリーに電力を供給していないと、あっという間にバッテリーが上がってしまうという。適合するバッテリーは「caos WD(ワールド)/品番:N-71-28L/WD」だった。価格は2万円前後である。「2万円で音質なんぞ変わるのか?」と、半信半疑で購入した。

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筆者の360モデナに新たに取り付けるパナソニック社製のバッテリー「caos WD(ワールド)/品番:N-71-28L/WD」。念のため純正バッテリーについても調べた。360モデナの純正バッテリーはイタリアのFIAMM社製で、価格は3万5600円(税別)とのこと。税込価格4万円近いバッテリーなんぞ、しらべると乗用車用はほとんどなかった。さすがフェラーリ価格である。

フェラーリ純正のバッテリーは、イタリアのFIAMM社製。価格はなんと3万5600円(税別)!危機一髪! 爆発の可能性大だった!?後日、購入したcaosを愛車に取り付けるべく、フェラーリ横浜サービス・センターに向かった。なお、バッテリーをはじめ、部品によってはメーカー指定のものでなくてもディーラーで交換してくれるという。なので、購入したバッテリーはディーラーに送付した。

もともと取り付けられていたバッテリーは、「グロバット」というブランドのものだった。ちなみに、バッテリーの状態は良好だったから、本来、交換する必要はなかったものの、オーディオの音質変化がどうしても気になったので交換した。ピットにクルマがはいると、早速、交換作業がはじまる。360モデナのバッテリーは助手席足もと奥に搭載されている。交換は難しいのか? 担当するテクニシャンの松原俊幸氏に訊くと「難しい作業ではありませんよ」とのこと。フェラーリだからといって、なんでもかんでも“複雑”な作りになっているわけではないという。

交換作業は30分ほどで完了。作業には、フロア・カーペットやバッテリーの脱着、バッテリーのコンディション・チェックなども含まれる。

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バッテリーを外した状態。交換作業は難しくないという。要した時間は30分だった。とはいえ、バッテリー交換でも以前の整備ミスが発覚した。バッテリーの一括排気口からガスを逃がす管が取り付けられていなかったのだ。360モデナのように、バッテリーを室内に置く場合、必ず取り付けなくてはいけないという。なぜなら、過充電などによって水素ガスが発生し、室内に充満すると、引火爆発の危険があるからだ!

松原氏に、なぜ管が取り付けられていなかったのか理由を訊くと「明確な理由はわかりませんが、交換時に装着し忘れたのではないでしょうか?」と、述べる。管1本であわや大惨事になっていたかと思うとゾッとする。

バッテリーの一括排気口からガスを逃がす管。交換前は、装着されていなかったという。ガスを逃がす管を取り付けていく様子。音質向上のワケ今回はバッテリー・メンテナーも取り付けたので(後日詳細は記す)、総作業時間は60分だった。作業工賃は1万5000円(税別)である。

新調したバッテリーの効果はいかに!? 早速、フェラーリ横浜サービス・センターからの帰り道、いくつかの曲を聴いた。

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その感想はというと……オーディオ素人のボクでさえ「違うではないか!」と、音質の違いに気づいた。たとえば、ライブ・ステージを録音した曲は、観客の拍手がよりリアルに聴こえてきたし、重低音もはっきり聴こえた。これまでも十分、臨場感たっぷりの音をあじわえたが、その臨場感がさらに増した印象である。よりステージの近くで聞いているような感覚だ。

そういえば以前、Yahoo! ニュースのコメント欄に「バッテリーをcaosに交換したら、嫁に『オーディオを交換したでしょ!?』と、疑われた」といった内容の投稿があった。ちなみに投稿者は、トヨタ「エスティマ」を所有しているとのこと。どうやら音質の違いは、あらゆる車種、カー・オーディオで体感出来るようだ。

なぜ、バッテリーを交換しただけで音質が向上するのか? 気になったので、パナソニック株式会社 オートモーティブ社 経営企画部 広報課の田村幸一氏に訊いた。

田村氏は「音質向上は、大容量化技術の結果的な副次効果であり、ユーザーがカー・バッテリーに求める“大容量”や“耐久性”といった基本性能を追求し、長時間、安定して一定の電圧を供給出来るようになった結果、音質を高める(変える)ことに結びついたと考えます」と、述べる。

なるほど、と、思いつつ、文系のボクはイマイチ理解出来ない。とくに、長時間安定して一定の電圧を供給出来ることによって、どれほどの効果があるのか? よくわからない。

すると、田村氏は「クルマはオーディオ以外にも多くの電気部品を搭載しています。バッテリーの容量が小さかったり、弱っていたりすると、これら電気部品の負荷によりバッテリー電圧が低下し、電源供給が不安定になります。ほとんどの車載電子機器は電圧低下が一定の範囲内であれば、動作上問題ありませんが、オーディオに関しては、この影響が“音のふらつき”として発生します」と、話す。

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“音のふらつき”とはなにか? 田村氏は続けて、「たとえば、ハイパワー・アンプとサブ・ウーファーで重低音を再生するとき、1度に大きな電流が流れるため、一時的に電圧が大きく低下します。このとき、バッテリーによっては“音のふらつき”が顕著になり、音がぶれたり途切れたりします」と、述べる。

その点caosは、“音のふらつき”が少ないという。その理由について田村氏は「バッテリー容量が大きいので電圧低下を最小限に抑えられるんですね。安定した電圧供給を維持することは、高音質化に不可欠です」と、話す。

結果、caosを購入した多くのユーザーが、伸びのある高音、艶やかなボーカル、微妙な余韻、厚みのある低音再生などに満足しているという。どうやら、素人のボクが感じた音質の変化は、間違いではなかったのだ。

360モデナに装着したcaos。ちなみに、caos(カオス)という商品名も気になったので由来を訊くと「(開発当初の)技術特徴の頭文字を取った造語です。Car battery(カーバッテリー)の“C”、Absolute(絶対の:“絶対的な大容量”、“業界最高水準”の意味を込めて)の“A”、Osteo(骨=極板:新開発の極板を採用した意味を込めて)の“O”、そしてStructure(構造:高効率セルユニット等、極板群の“新構造”採用の意味を込めて)のSをならべて、caosになりました」とのことだった。

まさかバッテリーで、これほど音質が変わるとは驚きだった。今までバッテリーなんぞ、“なんでもいい”と、思っていたがそれは大きな間違いだったし、バッテリー1個で愛車の個性を変えられるのもなかなか面白い。

クルマのカスタマイズについて無知なボクは、これまで、エアロ・パーツの装着やマフラーの交換など、費用や時間を要するカスタマイズこそ真の“クルマいじり”と思っていたが、それは間違いで、今回のようなプチ・カスタマイズでも十分、カスタマイズの醍醐味を味わえるのを知った。

純正アルミホイールのセンターキャップは、ヒビが入っている。おなじものと交換…と、考えていたが、ほかにも装着可能な別デザイン・カラーがあるというから、現在、どれにすべきか検討中だ。ちなみに次のプチ・カスタマイズ箇所もすでに決めている。それは、アルミホイールのセンターキャップだ。ヒビが入っているため、ディーラーより交換を勧められている。訊くと、現在、取り付けているデザイン/カラー以外も選べるというから興味深い。はたして、エクステリアのプチ・カスタマイズでどれほど印象が変わるのか? 次回以降、報告する。

文・稲垣邦康(GQ) 写真・安井宏充(Weekend.)

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