1990年にほぼストック状態(各部品のファインチューンを実施、キャブはノーマル)の市販車で時速300kmの壁を突破したのが、今なお多くのファンを持つ名車のカワサキ・ZZR1100だ。
完全ストック状態でも時速290km以上を叩き出す圧倒的な高速走行性能を誇りながらも街乗りでも峠道でも楽しめる扱いやすさを備えており、ほとんど話題に上らなかったデビュー直後の状況が嘘のように人気が急上昇。全国各地でライダーが入庫するのを首を長くして待つほどの超注目車となった。
【関連画像23点】ZZRが達成した衝撃の300km/h超えを撮影した貴重写真をチェック!
そんなエポックメイキングバイクが、2020年で登場30周年を迎えた。
そこで今回は、ZZRシリーズがたどった軌跡を、関連する車両とともに紹介していこう。
最速だけではない、懐の深さで人気 カワサキ・ZZR1100(1990年登場)
カワサキの最速マシンとして名を馳せたZZRは1100ccモデルを筆頭に、600cc、400cc、250ccでもシリーズを展開。同時期に販売されていた同社のZXR/ZX系やGPZ系と異なるエアロダイナミクスに優れたフォルムで存在感を示した。
ZZR1100のエンジンは、実質上の先代モデルであるZX-10用を2mmボアアップした1052cc。その基本構造は84年発売のGPZ900Rから発展したもので、後のZRX1100/1200/ダエグにも受け継がれた。
1100はクラス初のラムエア吸気により高速域ではターボが効いたように加速。当時世界最速を誇った。ハンドリングは軽快で日本の山道や街なかでも扱いやすく、カワサキを代表する名車として今もファンが多い。400は輸出仕様の600と兄弟車で、250はGPX250Rから受け継いだ並列2気筒車。今のニンジャシリーズにもスーパースポーツとは一線を画すマインドが受け継がれている。
街乗りからツーリングまでこなしたロングセラー カワサキ・ZZR250(1990年登場)
アルミフレームにGPX250Rより受け継いだ最高出力40馬力の並列2気筒エンジンを搭載。
キャブの仕様変更などを細かな変更を受けながら07年型まで存続した超ロングセラーで、カウル付きのクォーターマシンとして根強い人気を集めた。
後継車は若年層から絶大な人気を博しているニンジャ250R。
クラスを超えた大柄ボディが目を引く カワサキ・ZZR400(1990年登場)
アンチレプリカ派に人気を博したGPZ400Rと同様のアルクロスフレームに、最高出力58馬力のエンジンを搭載。輸出仕様のZZR600とボディを共用しており、400ccクラスには見えないグラマラスなボディが目を引く。
2007年まで販売されていたが、当時の400ccクラスで唯一のカウル付きモデルだった。
フルモデルチェンジで熟成 カワサキ・ZZR1100(1993年登場)
1993年にモデルチェンジして先代のC型からD型へと進化。基本的な構成は先代とほぼ変わらないが、ウイークポイントのミッションに改良が加えられたほか、ラムエア吸気口がふたつになったり燃料タンク容量が拡大されたりするなど細やかな変更が図られた。
1996年に登場したホンダ・CBR1100XXスーパーブラックバードが登場するまで世界最速バイクとして君臨し、2001年まで生産された。
生産終了から19年が経過するが、根強いファンが乗る車両を街なかで見ることもしばしば。
最後のオーバー300km/hマシン カワサキ・ZX-12R(2000年登場)
1996年にCBR1100XXスーパーブラックバード、1999年にハヤブサが登場し、これらの最高速300km /h級マシンを指す新ジャンル「メガスポーツ」の王座奪還を目指して2000年に登場。海外のテストでは300km/hオーバーを記録するも、あまりの過熱ぶりに欧州では01年から300km/h自主規制が始まってしまった。
圧倒的なパワーを受け止めるべく、リヤには200/50ZR17と超ワイドタイヤを装着(ZZR1100は170/60VR17)。市販車初となるバックボーンタイプのアルミモノコックフレームを採用するなど最新技術が投入された。
また、1199ccエンジンは最高出力重視型(ラムエア作動で190馬力)で多少扱いにくい面もあった。これ以降、カワサキ最速マシンの系譜はツーリング性能や乗りやすさを加味したZX-14Rに引き継がれている。
なおZX-12Rも、2020年で登場から20周年を迎えたアニバーサリーマシンだ。
“ミッキー”と呼ばれた個性派ツアラー カワサキ・ZZR1200(2002年登場)
パフォーマンス重視のZX-12Rと分化する形で登場した、ZZR1100の後継車。エンジンはZZR1100の拡大版となる1164ccで、最高出力152馬力を発揮した。
ヘッドライトとポジションランプが繋がった愛嬌のあるデザインを採用しており、その見た目からミッキーマウスと呼ばれ親しまれ、ZX-12Rともども2006年まで生産された。
スポーツツアラー路線へ一本化 カワサキ・ZZR1400(2006年登場)
再びスポーツツアラー路線に戻り、ZX-12RとZZR1200に分かれていた車種を一本化。ZX-12Rより熟成が図られたアルミモノコックフレームに搭載されるエンジンは新開発の1352ccで、ラムエア加圧時は200psを叩き出すモンスターマシンだった。
大柄なボディに関わらず乾燥重量は215kgと思いのほか軽量。街乗りなどの操作性が優れており、超高速域でも抜群の安定感を誇っていた。
ZX-Rの名称が復活 カワサキ・ZX-14R(2012年登場)
ZZR1400のモデルチェンジ版として2012年に登場。北米向けを除き絶えていたZX-Rの名称が復活したのがトピックといえる。1441ccに拡大されたエンジンはラムエアの加圧なしでも最高出力200馬力を叩き出した。
国内仕様の設定はなく、国内に流通している車両はすべて逆輸入車両であるが、残念ながら国内向け輸入は現在販売中のファイナルモデルを持って終了となる。
伝説は語り継がれる
ZZRが切り開き、ホンダ、スズキと共に激戦を繰り広げたメガスポーツというジャンルは、ZX-14Rの国内販売終了で一時代が終わったという感がぬぐえない。
しかし、カワサキ・ニンジャH2やH2Rなどのニュージェネレーションマシンたちによって、“世界最速”へ挑戦する飽くなきチャレンジスピリットは受け継がれているのである。
30年前、世界中を驚かせたZZRの最速伝説。時代が移り変わっても、あの驚きと衝撃は世代を超えて語り継がれていくことだろう。
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みんなのコメント
メーターは一周し新車の気分をまた味わえました。
これはこれで結構速くて良かったです。