現在位置: carview! > ニュース > スポーツ > アストンマーティンF1”後退説”にチーム代表反論「準備は順調。ホンダもやってくるし、アラムコもいる……魅力的な立場なはずだ」

ここから本文です

アストンマーティンF1”後退説”にチーム代表反論「準備は順調。ホンダもやってくるし、アラムコもいる……魅力的な立場なはずだ」

掲載 1
アストンマーティンF1”後退説”にチーム代表反論「準備は順調。ホンダもやってくるし、アラムコもいる……魅力的な立場なはずだ」

 アストンマーティンのマイク・クラック代表は、昨年と比べて相対的なパフォーマンスを下げているように見える同チームについて、あくまで昨年が期待以上だっただけであり、チームを”勝てる”チームに整える計画は順調に進んでいると語った。

 2022年までは中団チームの一角に過ぎなかったアストンマーティン。しかし2023年シーズンには大躍進を果たし、表彰台の常連に。一躍トップチームの仲間入りを果たした。

■ホンダF1、2026年導入の新PU開発は”計画通り”に進行中。まずは重要度高まる電気部分に注力

 しかし2024年は前年のような速さは見せられず、カナダGPまでの9戦で表彰台はゼロ。トップ4チームには差をつけられ、6番目のチームであるRBに脅かされるシーンも少なくない。

 この状況を見ると、昨年と比べて大きく後退してしまっており、チームオーナーであるローレンス・ストロールが掲げる”チャンピオン争いをする”という目標からは遠ざかっているように見える。しかしそういうわけではないと、クラック代表は否定する。

「まだシーズンの1/3を終えたばかりの段階だ。そんな段階で、今シーズンのことを判断することはできないと思うよ」

 マクラーレンやメルセデスに大きな差をつけられているのではないかと尋ねられたクラック代表は、そう語った。

「我々は自分たちのことを見つめ、抱えている問題を特定し、理解しようとする必要がある。そしてご存知のとおり、我々は他のチームの行動に影響を与えることはできない。我々にできることは自分たちのこと……レースごとに、できる限り自分たちのマシンを改良しなければいけないということだ」

「うまくいく時もあれば、うまくいかないこともある。そしてその理由を理解しなければいけない。そして、正しい方向に進んでいくんだ」

 ローレンス・ストロールは、チームの名称をアストンマーティンとした時に、トップチームになるまでには3年から5年が必要だと語っていた。そして今年はその4年目に当たる。そういう意味では、表彰台を獲得できていない現状は、ストロールが立てた計画からは遅れているようにも見える。

 これについて尋ねると、クラック代表は次のように語った。

「昨年の今頃、皆さんはたしか、『計画よりも遥かに前に進んでいますね』と言っていたはずだ。でも今、計画よりも遥かに遅れていると言われる」

「しかしチームとして進歩している部分があるか、それをしっかりと見なければいけないと思う」

「昨年は確かに、期待していたよりも良い結果を残せた。しかし私はいつも、ライバルが何をしているかに応じて、自分たちのポジションが上がったり下がったりすることもあると言い続けてきた」

「目標を失わないようにしなければいけない。そして結局のところ、シーズンごとではなく、レースごとにも判断している。イモラで最初に尋ねられたのは、『アップグレードが機能していないのでは?』ということだったが、我々はマシンのパフォーマンスについて、少し早急に判断し過ぎてしまっている。ドライバーについてもね」

「現在の状況を見ると、肯定的にも否定的にも見ることができる。それは、株式市場と同じようなモノかもしれない。インフラの面でも、開発という面でも、チームを成長させるための計画は整っているように見える」

「ホンダという素晴らしいパートナーがやってきてくれるし、アラムコという素晴らしいパートナーもいる。そういう意味では、否定的になる理由はないと思うよ」

 5年というトップチームになるまでの目標とする期間は延びたのか? そう尋ねられたクラック代表は、次のように語る。

「こういう計画は慎重に立てなければいけないし、進歩は必ずしも直線的ではない。それに、目標に近付くに連れ、厳しい状況に直面するものだ」

「確かにその計画が立てられた当初、私はまだこのチームにはいなかった。でも、それは言い訳にはならない。我々はひとつのチームなんだからね」

「全体として、チームの成長には満足している。そして成長していく過程では、困難な時期も乗り越えなければいけない。そして昨年があまりにも良かったせいで、今年の期待値がすごく高くなっていた。でもそれは、乗り越えなければいけないことだ」

「F1ほど、時間が足りないビジネスはそれほど多くはない。つまり、期待をマネジメントすること、そして昨年の結果から生じる高い期待との間で、常に綱渡りをしなければいけないんだ」

「昨年が期待を大幅に上回ったことで、今はその高い基準で評価されている。でも、もう少し視野を広げる必要があると思う」

 現在では技術面の重要人物の多くが、チーム移籍を検討していると言われる。その中には、数々のチャンピオンマシンを手がけてきた鬼才、エイドリアン・ニューウェイの名も含まれる。

 今、そして2026年のアストンマーティンは、そういう人物たちにとっても魅力的なモノになっているはずだと、クラック代表は言う。

「基本的には、我々のポジションがいかに魅力的であるかということだと思う」

「ホンダと組むことが決まっているし、アラムコもいる。そして、2026年からレギュレーションは大きく変わる」

「我々は彼らにとって魅力的に映っていれば、それはとても素晴らしいことだ。なぜなら、誰もがこのプロジェクトが、大成功を収めることができるはずだと信じているからね」

「インフラも、ファクトリーも、順調に整いつつある。家を建てる時と同じように、順調に、遅れが生じないように進めていかなければいけない。しかし我々には、それを見守り、プレッシャーをかけ続ける優秀な人材がいる。だから、予定通りに全てが準備できるはずだと確信している」

こんな記事も読まれています

ルノーPU放棄噂にアルピーヌF1のガスリー「パフォーマンス面で何が最善なのかが重要」
ルノーPU放棄噂にアルピーヌF1のガスリー「パフォーマンス面で何が最善なのかが重要」
motorsport.com 日本版
40歳になっても大丈夫。フェラーリF1代表、来季加入のハミルトンに全幅の信頼「チャンピオン経験者のノウハウが、我々には重要」
40歳になっても大丈夫。フェラーリF1代表、来季加入のハミルトンに全幅の信頼「チャンピオン経験者のノウハウが、我々には重要」
motorsport.com 日本版
名伯楽フラビオ・ブリアトーレ、古巣に復帰。親会社ルノーからの命でアルピーヌF1の特別アドバイザーに就任決定
名伯楽フラビオ・ブリアトーレ、古巣に復帰。親会社ルノーからの命でアルピーヌF1の特別アドバイザーに就任決定
motorsport.com 日本版
今年のハースF1は一味違う。小松礼雄代表の新体制で進められるチーム改革、カギは“コミュニケーション”にあり
今年のハースF1は一味違う。小松礼雄代表の新体制で進められるチーム改革、カギは“コミュニケーション”にあり
motorsport.com 日本版
ニューウェイ獲得目指すアストン、魅力は「若くエキサイティングなプロジェクト」とストロール息子
ニューウェイ獲得目指すアストン、魅力は「若くエキサイティングなプロジェクト」とストロール息子
motorsport.com 日本版
ペレスのレッドブル2年残留を、96年F1王者デイモン・ヒルが考察「マックスに、チームの将来像を示してあげる必要があったのでは?」
ペレスのレッドブル2年残留を、96年F1王者デイモン・ヒルが考察「マックスに、チームの将来像を示してあげる必要があったのでは?」
motorsport.com 日本版
レッドブルF1、今季RB20の弱点克服のため異例のプライベートテスト実施。2022年型マシンをフェルスタッペンがドライブ
レッドブルF1、今季RB20の弱点克服のため異例のプライベートテスト実施。2022年型マシンをフェルスタッペンがドライブ
motorsport.com 日本版
クラッシュゲート事件起こしたフラビオ・ブリアトーレ復帰、批判の声もアルピーヌ代表が一蹴「過去は気にしていない。未来を見ている」
クラッシュゲート事件起こしたフラビオ・ブリアトーレ復帰、批判の声もアルピーヌ代表が一蹴「過去は気にしていない。未来を見ている」
motorsport.com 日本版
今のF1は“天国から地獄”。フェラーリ代表が語る新常識「週末ごとにグリッドは変わる」前戦カナダでチームは突如失速
今のF1は“天国から地獄”。フェラーリ代表が語る新常識「週末ごとにグリッドは変わる」前戦カナダでチームは突如失速
motorsport.com 日本版
『バルセロナで速ければどこでも速い』はもう幻想? F1マシンの実力テストコースと言われた評価にドライバー疑問符
『バルセロナで速ければどこでも速い』はもう幻想? F1マシンの実力テストコースと言われた評価にドライバー疑問符
motorsport.com 日本版
ハミルトン、SNS上で噂される”ラッセル優遇”を否定「ファンはネガティブな意見を広めないでほしい」
ハミルトン、SNS上で噂される”ラッセル優遇”を否定「ファンはネガティブな意見を広めないでほしい」
motorsport.com 日本版
フレキシブルウイング巡る論争が再燃。メルセデスに注目集まるも、今のところFIAは介入せず
フレキシブルウイング巡る論争が再燃。メルセデスに注目集まるも、今のところFIAは介入せず
motorsport.com 日本版
アストンマーティンF1、失速の原因究明はもうおしまい?「今度は問題を修正する段階」待望のアプデ投入は3連戦に明けに
アストンマーティンF1、失速の原因究明はもうおしまい?「今度は問題を修正する段階」待望のアプデ投入は3連戦に明けに
motorsport.com 日本版
マクラーレンF1、常勝軍団復活に向けて求められる“チーム内での刺激”。ノリス「些細なことが勝負を分けるところまで来た」
マクラーレンF1、常勝軍団復活に向けて求められる“チーム内での刺激”。ノリス「些細なことが勝負を分けるところまで来た」
motorsport.com 日本版
ハミルトンはもっとトップ争いに近づけた? 15秒差の3位にウルフ代表「実際はより差を縮められたかもしれない」
ハミルトンはもっとトップ争いに近づけた? 15秒差の3位にウルフ代表「実際はより差を縮められたかもしれない」
motorsport.com 日本版
アストンマーティンの大苦戦はしばらく続く? アロンソ「今は多くを語らず、改善を続けるのみ」
アストンマーティンの大苦戦はしばらく続く? アロンソ「今は多くを語らず、改善を続けるのみ」
motorsport.com 日本版
F1の天才ブリアトーレ、アルピーヌに『レーシングスピリット』注入? 相談役の役割説明
F1の天才ブリアトーレ、アルピーヌに『レーシングスピリット』注入? 相談役の役割説明
motorsport.com 日本版
サインツJr.の移籍先、決断はもうすぐ「決める時期は来ている」ザウバー/アウディとウイリアムズどちら?
サインツJr.の移籍先、決断はもうすぐ「決める時期は来ている」ザウバー/アウディとウイリアムズどちら?
motorsport.com 日本版

みんなのコメント

1件
  • ari********
    設備もPUも優れているメルセデス、フェラーリが、今勝ててますか?
    トップチーム、勝つって全て揃った上で、さらにもう一段必要なんだよね
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村