■気になる電費、まずはモード別に検証
「Light Bee L1E」は、中国に拠点を置く『SUR-RON(サーロン)』がラインナップする電動モトクロッサーです。日本では『KOHAKU JAPAN(コハク・ジャパン)』が2020年5月から正規総輸入代理店として展開しています。
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サーロンでは競技仕様(保安部品を装備しない仕様)の電動モトクロッサーを中心にラインナップしていますが、今回試乗した「Light Bee L1E」は「Light Bee X」の公道仕様です。
タイヤについては本来前後19インチホイールにオフロードタイヤを履くところ、街乗り向けの仕様として、前後17インチホイールとオンロードタイヤに換装されています。定格出力は1kWで、原付2種に区分されます。
今回は約2週間にわたって「Light Bee L1E」(以下、ライトビー)を走らせ、じっくりと電費を検証しました。スペック上の最大走行距離は「20km/hで走行して約100km」となっていますが、正直なところ20km/hで走り続けることは現実的とは言えず、この数字はあくまで参考値でしょう。というわけで……見せてもらおうか、ライトビーの(電費の)実力とやらを!
まずは走行モード別の電費について。ライトビーには「スポーツモード」と「エコモード」があります。「スポーツモード」では加速がよく、スロットルを戻すと回生ブレーキがほどよく利きます。最高速度も一般道の制限速度である60km/hまで楽に到達します。一方、「エコモード」は加速が緩やかで、スロットルを戻したときに回生ブレーキの利きをほとんど感じることはありません。最高速度は約53km/hでした。
なお、今回検証で走行したのは主に東京都の環状7号線や交通量が多い道路で、距離は26kmです。ルートはまったく同じですが、時間帯や渋滞の度合いは異なります。
その結果、エコモードのみで走行した場合、バッテリー使用量は33%で、スポーツモードのみで走行した場合は50%にまで跳ね上がりました。また、エコモードとスポーツモードを状況に応じて使い分けて走行した場合(8割くらいはスポーツモードを使用)、バッテリー使用量は52%でした。付け加えれば、エコモードのみで走行したときよりも、スポーツモードやモード使い分けで走ったときの方が運転に慣れ、また道路の流れもスムーズだったため、少し状況は異なります。ただ、やはり加速している時間が長く、その加速が力強いほどバッテリーを消耗していくので、エコモードのみの走行の方が電費が良いのは間違いないでしょう。
■あわや「電欠」に……限界の走行距離に挑戦!?
では、ライトビーは一度の充電でどのくらいの距離を走ることができるのか……? そんな疑問を解決すべく、走行モードを気にせずに走りまわることにしました。
交通量が多い幹線道路や、反対に交通量少なめの片側一車線の道路、住宅街の小道など、文字通り気ままに走ります。走行モードはほとんどスポーツモードを使用。電費を気にしないのなら、街中であってもスポーツモードが走行に適していると感じたからです。
バッテリー残量が30%を切っても、加速が低下している感じはありませんでした。これまで乗ったどの電動バイクにも言えることですが、残量が30%を切ると、急激にバッテリーの減りが早くなります。それも踏まえてこれまでの電費から残りの走行可能距離を計算し、悠長に構えていたところ、予想外にどんどんバッテリーが減っていくではありませんか。それを見ながら内心「ヤバい、もし途中でバッテリー切れになったら……」と冷や汗をかきました。ライトビーは、バッテリーをアダプターにつないで家庭用100Vコンセントで充電します。100Vコンセントの充電スポットを見つけることは難しく、バッテリー切れになれば、そこでアウトなのです。
かつてない緊張感とともに、帰路の残り10kmほどはエコモード、電費走行に徹して走ることにしました。ライトビーに限らず、電動バイクを走らせる場合、現状ではバッテリー残量30%くらいまでで走れる距離を想定するのがベターのようです。
さて、あわやガス欠ならぬ「電欠」を回避し、無事に走行終了。60kmを走り切りました。バッテリー残量は6%でした。
電費走行を意識する前、走行距離50kmくらいでバッテリー残量は25%になっていました。モード別の検証とあわせて考え、電費を考えずに走ることができる上限距離は、約50kmだと考えていいでしょう。
街乗りや通勤、通学、そして今回のような「ちょっとそこまで、ぶらりと走り回る」にはちょうどいい距離感ではないでしょうか。
※ ※ ※
SUR-RON「Light Bee L1E」の価格は56万6500円(消費税10%込み)です。
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