クラシカルな味わいのクロスカントリー
車高を持ち上げ、アウトドア感を強調したフルサイズのステーションワゴンは、近年の変化が激しい自動車市場を生き残ることはできないのかもしれない。数年前までは、各メーカーがラインナップしていたのだが。
【画像】クラシカルな魅力 ボルボV90 クロスカントリー 他のクロスオーバー・ワゴンと比較 全108枚
アウディはA6のオールロード・クワトロを、メルセデス・ベンツはEクラスのオールテレーンをまだ販売しているが、英国オペルのヴォグゾールやフォルクスワーゲンの廉価ブランド、シュコダに至るまで、しっかりカタログに載っていた。
だが、A6オールロード・クワトロは2022年に英国のショールームから姿を消してしまった。日本へも現行型は導入されていない。Eクラスのオールテレーンも、2021年以降は英国で販売されていない。
クロスオーバーのシューティングブレークという、新しいボディ形態も生まれている。それでも、コンベンショナルなステーションワゴンにオフロード性能を組み合わせたモデルへ、今でも強い魅力を感じるのは筆者だけだろうか。
しかし、諦める必要はない。クラシカルな味わいのボルボV90 クロスカントリーは、まだ英国でも販売が続けられている。
簡単にいってしまえば、最低地上高を60mmかさ上げし、ヒルディセント・コントロール付きの四輪駆動システムを搭載し、オールシーズン・タイヤを履いたボルボV90。ぬかるんだ草原や凸凹の砂利道など、深刻ではないオフロードへ対応するワゴンだ。
ボルボの大型ワゴンを欲する層にも響く
英国のカタログを読み込んでいたところ、ダイナミック・スポーツサスペンションを装備しない唯一のV90になっている。四輪駆動で、ディーゼルターボやマイルド・ハイブリッド・ガソリンターボを選べる、唯一のV90でもある。
V90 クロスカントリーは、アクティブなライフスタイルを求める新しいユーザー層をターゲットにしている。だが、従来のようなボルボの大型ステーションワゴンを欲するドライバーにとっても、訴求力の高い選択肢になり得るようだ。
英国で選べるエンジン・ラインナップは、マイルド・ハイブリッドの2.0L 4気筒ガソリンターボが、250psと300psという2択。マイルド・ハイブリッドのディーゼルターボは、190psを発揮する。
もちろん、プロペラシャフトで結ばれた実直な四輪駆動システムが載っている。ボルボがリチャージと呼ぶ、プラグイン・ハイブリッドはラインナップされていない。都市部から遠く離れた海岸や山岳部では、充電が困難だからかもしれない。
トリムグレードは、プラスまたはアルティメットという2種類が英国では選べる。前者がベーシックなもので、横向きのリーフスプリングに通常のダンパーが組み合わされたサスペンションが装備される。
アルティメットには、リア側にセルフレベリング機能付きのエアサスペンションが組まれ、アダプティブダンパーも備わる。フルLEDヘッドライトにヘッドアップ・ディスプレイ、バウワース&ウィルキンス(B&W)のプレミアムオーディオも付いてくる。
実用性に優れ堅牢 知的な雰囲気が漂う
今回の試乗車になっていたのは、254psを発揮するマイルド・ハイブリッド・ガソリンターボのB5。トリムグレードはエントリー側のプラスで、オプションとしてメタリック塗装とスペアタイヤが装備されていた。
最近のモデルは、少し当惑するほど欲張ったコンセプトが掲げられていたりする。だが、ボルボがV90 クロスカントリーに与えているのは「リラックスできる信頼感」といった内容のもの。クルマの個性を端的に表現し、複雑な意味は含まれていない。
V90 クロスカントリーは、知的な雰囲気を漂わせるスタイリグを持つ、ボディが大きい上級ステーションワゴンだ。実用性に優れ堅牢で、何よりも安全性と快適性に意識が配られている。
SUVほど高くは車高が持ち上げられていないため、操縦性は従来的な乗用車に近い。ドライバーの目線もさほど高くはなく、都市部の交通へ自然に溶け込める。
サスペンションはストロークが長く、ホイール・サイズはこのクラスとしては堅実的な19インチ。タイヤのサイドウオールが厚く、柔らかいスプリングと組み合わされ、英国の一般道でも乗り心地は優しい。衝撃を吸収し、快適な移動空間を保ってくれる。
それでいて、通常のV90より余裕のある最低地上高が確保されており、汎用性も引き上げられている。歩道の段差へ神経質になる必要はないだろう。
この続きは後編にて。
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