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【ルノー キャプチャー E-TECH HYBRID試乗記】「らしさ」を感じるエクセレンスなハイブリッドモデル

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【ルノー キャプチャー E-TECH HYBRID試乗記】「らしさ」を感じるエクセレンスなハイブリッドモデル

2022年9月から国内の販売がスタートしたルノー・キャプチャーE-TECH HYBRIDに試乗することができたのでお伝えしよう。

キャプチャーE-TECH HYBRID(ボディ:ルージュ フラム M / ルーフ:ノワール エトワール M)キャプチャーはBプラスセグメント・サイズのクロスオーバーで、国内には2021年2月からガソリンモデルを販売している。そのキャプチャーにハイブリッドモデルが加わり導入が始まった。

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欧州でハイブリッド車が不人気とされる理由に、レスポンスの鈍さを挙げることが多い。市街地では飛び出すような加速力が不足したり、高速での追い越し加速などでラバーバンドフィールによるレスポンスの鈍さが言われている。それも技術の進歩により改善方向にはあるものの一度付いたイメージはなかなか拭えない。

ルノーではハイブリッドを得意とする日本の技術ではなく、独自の技術でハイブリッド車を完成させ、欧州でアピールを始めた。それが「E-TECH HYBRID」というシステムで、国内ではアルカナが最初の搭載モデルであり2022年1月の東京オートサロンで発表されている。続いてルーテシアにも追加搭載し、そして今回キャプチャーに追加搭載ということになった。

輸入車SUV NO.1の低燃費

現在は先行して発売しているFFの1.3L+7速DCTモデルと、このE-TECH HYBRIDのラインアップとなる。E-TECH HYBRIDは4気筒1.6Lガソリンエンジン(HR16型)を基本とし、2つのモーターを搭載。ひとつはHSGという15kW/50Nmのハイボルテージ・スタータージェネレーターで、もうひとつはメインの駆動モーター36kW(49ps)/205Nmを搭載。それを2軸のトランスミッションと組み合わせている。

変速段数はエンジンが4速、モーターが2速で合計6速あり、ハイブリッド走行時はモーターがエンジン出力を全段でサポートするので、8速あることになる。だから計算上は14速の変速ギアになるが、2速分は同じギヤ比なので、実質12段変速ということになる。

こうしたハイブリッドシステムにより、出だしの力強さや高速走行域での加速性の良さをアピールし、欧州でもハイブリッド人気を高めようとしているわけだ。もちろん、燃費性能にも優れWLTCモードで22.8km/Lとしている。国内の輸入車SUVではNO.1の低燃費車なのだ。

絶妙なサウンドとBモードの減速G

実際に走行してみると動き出しは100%EV走行する。だからモーターのなめらかな動きで気持ちよく走り出し、加速を続けるとエンジンが作動しハイブリッド走行になる。バッテリーはリチウムイオン電池で1.2kWhと小さいため、充電状況によってエンジンの作動頻度が変わる。

しかしながら、そのエンジンはルノー日産で共同開発したHR16型で、主に日産開発のエンジンといえるものだが、独特のエンジン音で、こうした作り方が日本車との違いなのかもしれない。国産車のコンパクトカーハイブリッドのトレンドはエンジンの音を消し、静粛性の勝負をしているのが現状だが、ルノーではエンジンの音を気持ちよく聞かせる方向で演出されている。

具体的には、ワインディングを低速から中速域で走行していると、かつてのキャブレター(気化器)の吸気音に似た音がわずかに聞こえているのだ。それも大きな音ではなくわずかに。だからキャブを知る人には懐かしく、知らない人には不快に感じない程度の音がしているというわけだ。

複雑なシフト機構を持つトランスミッションは、どんな場面でもシームレスに加速する。ドライブモードはエコ、スポーツ、マイセンスとあり、マイセンスはオートモードという理解だ。この時、Bモードにして回生減速を強めると、その度合いが程よい。

そのBモードでワインディングを走行すると軽くフットブレーキを使った程度に、程よい減速Gがあるのでリズミカルにワインディングを走ることができるのだ。Bモードの減速Gの作り方のうまさを感じたというわけ。

またシフトレバー操作では、ボタンやシフトゲートなどがなく、単純にレバーを手前に引けば「D」に入り、「N」から前に押せば「R」に入れられるシンプルさが嬉しい。誤操作を懸念しての工夫なのだが、キャプチャーのシフトレバー操作がベストだ。ちなみに「P」はレバー操作ではなく、「P」ボタンを押すだけ。EVボタンも別に設置されており、押すだけでEV走行になる。またBモードとノーマルのドライブモードの切り替えも手前に引くだけで「B」と「D」の繰り返しになるのでシンプル。

シャシーの走行性能については言うまでもなく、ニュートラルなハンドリング特性と、しっとりとした上質感のある乗り心地がクラスを超える高級感がある。凸凹した路面もルノーらしくしなやかにいなし、硬質に感じるのはボディ剛性だけで乗り味にはしなやかさがある。

インテリアも頻繁に扱う操作系はボタンスイッチが並び、近年のモニター階層に仕舞い込む作りにはなっていない。もっとも、小型のナビモニターはPND的なサイズであり、いかにもフランス車らしく、そうした意味では先進感には欠けるのかもしれないが、言い換えれば使い慣れたレイアウトになっているわけだ。

その割にキーをもって近づくだけでドアロックは自動で解除されたり、ウエルカムサウンドが車内に響いたりと高級車の装備も備えている。ダッシュボードやフローティングのコンソール、またドアミラーやウインドウのスイッチもエッジ加飾をしたりと、デザインには一定のこだわりをしているところも量産のコンパクトカーでありながら、配慮しているあたりがルノーらしさと言えるのだ。

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