このモデルを機に救急車の主流はワンボックスへ
トヨタ・ハイエースと言えば、日本のワンボックス型ワゴン/バンを代表する存在であることに異論はないだろう。その抜群の積載性・居住性・耐久性から、人員や道具、機材のいずれかあるいは全ての運搬が必要な様々な仕事の現場で、長きにわたって活躍してきた。また、その主たる用途として救急車があることも忘れてはならないだろう。今回は、そんなハイエースの初代モデルをベースとした、トヨタ救急車のカタログをお目にかけたい。
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【画像17枚】ハイエースじゃなくて「トヨタ救急車」だよ!なカタログをじっくり見る
初代ハイエースは1967年10月、トヨエースの小型版としてデビューした。トヨエースとの違いはトラックだけではなくワゴン/バンをラインナップしていたことで、さらにコミューターと呼ばれる小型バス(トヨタではワゴンとマイクロバスの中間に位置するものとしていた)もあり、車種構成は大まかに4つの系統に分かれる。基本となるのはホイールベース2350mmのボデーで、デリバリーバン(3人乗り/6人乗り)、ワゴン(9人乗り)、コミューター(12人乗り)の各仕様をラインナップ。コミューターには15人乗りも用意され、これはホイールベースが2650mmまで延長されていた。そしてトラック用シャシーのホイールベースは最も短く、2300mmとなる。
車体はフレームを一体化したユニット・コンストラクション方式を採用(無論トラックは除く)、そのスタイリングは、当時のコロナやマークIIに見られた「アローライン」を基調としていた。サスペンションはフロントがウィッシュボーン、リアが半楕円リーフによるリジッド。エンジンは直列4気筒OHV 1.35Lの3P型(65ps)が基本だが、ワゴンとコミューター15人乗りは同じく直4OHV 1.5Lの2R型(70ps)を搭載していた。1971年のマイナーチェンジでは後者を1.6L(12R型、83ps)に置き換え、さらに1975年には3P型を廃止し1.8Lエンジン(16R型、95ps)搭載車を追加。そして1977年にはモデルチェンジを行い、二代目へと進化したのである。
彫りの深いフロントグリルが特徴の後期型
さて、今回ご覧いただいているのは、すでに述べた通り初代ハイエースをベースとしたトヨタ救急車のカタログである。初代ハイエースというベース車自体に感じられるレトロなイメージと、カタログそのものの割と現代的な印象に小さからぬギャップがあるが、その理由は、この世代のハイエースが10年という長きにわたって造られたロングライフモデルだったことにある。初期~中期はフロントグリル、特にライト周りがのっぺりしたデザインだったが、後期はこのように彫りの深い形状となっている。
という訳で、このカタログは初代ハイエースとしては末期のものである(1976年3月発行と思しきコードあり)。サイズは299×246mm(縦×横)、三つ折りの簡易カタログだ。この頃はまだ高規格救急車というようなものは存在しておらず、このトヨタ救急車は、カタログにも特に書かれていないが、それ以前には最も一般的であった2B型救急車と呼ばれるものである。2Bとはベッドがふたつという意味で、患者2名までの搬送が行えるタイプということだ。
トヨタの救急車といえば、1950~1960年代には、マスターラインをベースとした(ように一見思えるだけで全く別物の)ステーションワゴン型が主流だった。これはランドクルーザーのエンジンを搭載しており、トヨタでは「メトロポリタン型」と称したものだ。そこに変化が生じたのはハイエースがデビューしてからのことで、登場当初からコミューター仕様(無論15人乗りの長いボディの方)が救急車のベースとして採用され始め、やがて完全に主流となっていったのである。さらに言うとロングボディだけでなく、短いボディの通常のハイエースがベースの救急車もあったようだ。
今40代以上の方であれば、トミカなどのミニカーや、あるいは自動車図鑑的な書籍で、子供の頃から(実物は知らなくとも)このハイエース・ベースの救急車に親しんだ記憶があるのではないだろうか。そうした懐かしさをカタログからも感じていただければ幸いである。
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みんなのコメント
医者はもちろん石原裕次郎、刑事は渡哲也
面白いドラマです、みんな見て。