アフターホイール界の重鎮が一生乗ると決めたFD3S
フジタエンジニアリングの技術が注ぎ込まれたマシンメイク
「稀有な3代目ウイングロードの過給機チューンド」CVTとの相性まで考えた匠のセットアップ術!
美しいブルーメタリックに彩られたマシンは、トップレーサーを目指してグループAのGT-RやF3などで活躍した経歴を持つ“横浜ゴム・ホイール企画CMP”萩原 修さんの愛車だ。アドバンレーシングホイールのデザイナー兼プロデューサーとして、チューニング業界では広く知られた“重鎮”でもある。
愛車のRX-7は、2016年に各部をリフレッシュすると同時にエンジンやスタイルも自分好みにリメイク。エンジンの13B-REWは、TO4Sタービンとのマッチングを考慮したフジタエンジニアリングのサイドポート“スペック5”仕様で、これは同社の峠最速マシン“魔王号”のパワーユニットをアレンジしたオールラウンド型の450psスペックとなる。
ボディキットもフジタエンジニアリング製で、やはり魔王号をひな形とする。ただし、リヤフェンダーは海外のイベント出展車両からヒントを得たという独自のオーバーフェンダー形状へと叩き出し加工で仕上げている。
リヤウイングは、以前は大型のGTウイングだったが、よりストリートを意識した形状を求めてロケットバニーのダックテール型スポイラーへとスイッチした。カーボンのディフューザーはワンオフだ。
室内はストリート然とした仕上がり。ダッシュ上には3連の追加メーターが並び、ロールケージが覆い尽くす。シートはブリッドのカーボンバケットで、ロールケージのバーパッドを含めてブルーカラーで統一している。
そしてホイールは、萩原さん渾身の作でもあるアドバンレーシングRS-DFプログレッシブをインストール。タイヤは255/30-19を4本通しで履く。
萩原さんは、ポルシェ911GT3などスペシャルなスポーツカーも所有している。しかし、新車から乗り続けているRX-7はこれまで乗り継いだどんなスーパースポーツでも敵わない魅力を秘めていると語る。
「元々プロダクションレース(当時は富士フレッシュマン)をはじめたのがRX-7(当時はSA22C)。そんな意味でも私にとってロータリーの存在は特別ですが、それだけではありません。電子制御が進んだ最新モデルのスポーツカーは、感性と異なる挙動を生むことが多々あります。でも、FD3Sは完全に私の気持ちとシンクロして走ってくれる。このFD3Sは一生乗り続ける、そう決めたからこそ私好みのスペックに仕立て直しました。ガレージで大切に保管していますが、仕事の休みの日にはこのクルマで走りに出かけることも多いですよ」と、目を輝かせながら話す萩原さん。
続けて「ここまでのピュアスポーツはもう現れないでしょう。だから持ち続けたい、乗り続けたい。クルマ好きには分かってもらえる気持ちだと思いますよ」。
最後に。萩原さんが作るホイールは、例外なく自身の愛車に似合うことが大前提だったりする。だからこそ、アドバンレーシングの作品群はスポーツカーのみをターゲットにしたラインナップで、どんなに流行ろうともミニバン&ワゴン専用モデルは存在しないのだ。「自分が本当に欲しいと思うもの以外は作りたくない」。その拘りこそが、強く、美しいスポーツホイールを生み出す原動力なのかもしれない。
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