■待望のマツダ3試乗! ガソリン&ディーゼルの特徴は?
日本では、2019年5月24日に発売開始された「マツダ3」。筆者(国沢光宏)は、すでに雪道でプロトタイプのマツダ3に試乗しているものの、当たり前ながら乗り心地や質感については評価出来ませんでした。
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手応えとして解ったことを思い出すと、滑りやすい狭い雪道の林道をFFでガンガン走ってもコントローラブルだったことと、良く出来ていると感心しきりだった車体に対しエンジンが物足りない感じだったことです。
今回は、市販モデル。オンロードだと果たしていかに。
まず、売れ筋になると思われる116馬力の1.8リッターディーゼルエンジンを搭載する5ドアのファストバックから試してみましょう。
ドライビングシートに座ると、開発チームの主張通りホンダ「シビック」やスバル「インプレッサ」と同じCセグメントとしては上質&ガッチリしたシートが付いており、ペダル類にもお金掛かってます。
インテリアの質感だってなかなかです。ソフトパッド(叩くと柔らかい素材)や、実際に糸を縫い込んだステッチなども使っています。
これで液晶画面が日産「デイズ」に代表される最近の軽自動車くらい大きかったらいいのに思います。このあたりが「新しいことや便利さは優先順位低くていい」という昨今のマツダ流のコンセプトなんでしょう。
シフトレバーのDレンジをセレクトして走り出すと、少しばかり驚きます。
エンジン音や振動は、昨今の平均的なクリーンディーゼルより賑やか。1.5リッターエンジンをベースに排気量上げたためか、主として低い回転域で雑味のある振動出てしまってます。
この傾向、4ドアセダンで試した2リッターのガソリンエンジンも同じ傾向です。絶対的なパワー&騒音振動レベル、燃費で物足りません。
海外でおこなわれた事前試乗会のときには、「フォルクスワーゲン・ゴルフを抜いた」というレビューがあったため、期待し過ぎたのかもしれません。
トヨタ「RAV4」などに搭載されている高回転まで気持ちよく回る新世代の171馬力の2リッターエンジンは、1500kgのボディながらWLTC燃費で15.8km/L。マツダ3のスペック見ると、WLTC燃費は同じで、出力156馬力で車重1350kgとスペックで考えると押され気味です。
スカイアクティブの売りだった燃費で負けたのが厳しいと思います。希少になった6速ATのステップ比も大きく、パワーユニットについていえば、滑らかでトルクフルな現行ゴルフに遠く及ばないのではないでしょうか。
最近のマツダ、パワーユニットが大きなウィークポイントになってしまった感じで、今後の登場が予定されているスカイアクティブXで勝負しようということなのでしょうか。
走りの質感でゴルフを抜いたかと聞かれたら「私はそう思わなかった」と答えておきましょう。というのも、乗り味に直接関係する足回りやステアリングギアボックス、ブレーキなど日本のブランドを使っています。
日本でのライバル関係になるインプレッサや日本工場生産のシビック、トヨタ「カローラ スポーツ」などと勝ったり負けたり。ヨーロッパ車と味付けが違うのです。
だからといって「ゴルフに負けている」とは思いません。ドイツ車と違う文法のクルマ作りだからゴルフと比べたって意味無いです。
■日常使いではマツダ3は優位!
逆に「移動の道具」として考えたらマツダ3は優位です。マツダがストロングポイントとして主張しない電子装備などが頑張っていると思います。
衝突被害軽減ブレーキなどに代表されるマツダの運転アシスト機能、日本でもトップクラスです。
クルマの陰から出てくる歩行者に対するブレーキ制御なんか見事。マツダ3には、バック時も障害物を感知すると衝突被害軽減ブレーキを掛けて自動停止するという上級モデルと同等の機能まで付いています。
今回、試せなかった滑りやすい路面に於ける4WD性能なども生活四駆じゃ世界一だといって良かろう。全体評価でゴルフを抜いたという表現なら「その通り!」。
デザインが好みなら、必ず満足すると思います。ほかでは、5ドアファストバックを高く評価していますが、個人的にはセダンのオーソドックスなスタイル、とても良いと考えます。
マツダが得意の赤も、一段と美しくなりました。このあたりはプライスレス。すでにディーラーに行けば1.5リッターのガソリンと1.8リッターのディーゼルの試乗車が行き渡っているため、自分でチェックして頂きたい。
筆者(国沢光宏)のおすすめは、他モデルだと存在しない1.5リッターの6速MT車です。基本的な、安全装備全て標準し218万円ならお買い得。
このグレードの存在、日本市場についていえばゴルフに大きく勝っている点だと思います。また、5ドアファストバックと4ドアセダン、基本的に乗り味は変わらず、自分に合った使い勝手とデザインの好みで決めればいいでしょう。
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