スバル/STIチームが参戦したニュルブルクリンク24時間レースは、決勝レースをおよそ半分ほど消化した時点で大クラッシュ事故を引き起こし、修復が不可能な状態であったためそのままリタイヤという結果となった。
ニュルブルクリンク24時間レースの公式予選は5月26日から開始され、27日の公式予選3回目でWRX STIの公式予選順位は総合58位、 SP3Tクラス1位となった。ラップタイムはカルロ・ヴァンダム選手が記録した9分01秒904で、念願の9分切りという目標にはわずかに届かなかった。
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なお、同等のクラスではアウディRS3 LMS DSGが9分1秒492で総合57位、ヒョンデ i30N TCRが9分2秒642で総合60位、フォルクスワーゲン ゴルフGTI TCRが9分10秒161で総合70位というところだった。また予選で総合トップはBMW M4 GT3で、タイムは8分14秒771であった。
決勝レースは28日16時にスタート。スタート順・第2グループのトップからカルロ・ヴァンダム選手がステアリングを握ってスタートを切ったWRX STIは順調に走行し、2時間経過した時点での順位は総合78位、SP3Tクラス1位、そして3時間が経過した時には総合66位までポジションを上げていた。
午後9時半に日没を迎え、いよいよ夜間走行が始まった。6時間が経過してポジションは総合52位に。そして7時間を経過した時点では総合44位まで浮上していた。深夜になり、9時間を越えた時点では総合41位、10時間目には38位に。
しかし11時間を経過し、午前2時50分頃、その時点でステアリングを握っていた佐々木選手から無線連絡が入り、6km地点の長い下り坂を6速全開で走っている時にタイヤが突然バーストして、右側のガードレールに激突してコースの左側に止まったことが判明した。
それから2時間、午前5時過ぎにドライバーの佐々木と、レッカートラックに乗せられたWRX STIがピットに戻ってきた。車両は、フロント両輪が特に激しく損傷し、右後輪もサスペンションアームが曲がっていた。車載データなどから左前輪のサスペンションが何らかの理由で破損し、それによってホイールリムの内側を削ってバーストし、車両はコントロールを失ってガードレールに激突したと推測された。
6速全開で、250km/hで走行中の事故で、まさに大クラッシュ事故であった。ボディ右側からガードレールに激突し、フレーム部分にダメージを受けており、レース中の修復は不可能と判断され、そのままリタイヤとなった。
第50回大会で総合優勝したフェニックス・レーシングのアウディ R8 LMS GT3 EvoII決勝レースの総合トップ争いは、BMW M4 GT3が次々に脱落し、優勝候補の準ワークスのマンタイ・ポルシェ911 GT3Rも早い段階でクラッシュによりリタイヤしたため、トップに立った準ワークスのアウディ R8 LMS GT3 EvoIIと、これを追うメルセデス AMG GT3の戦いに絞られたが、8時間目にトップに立ったフェニックス・レーシングのアウディ R8 LMS GT3 EvoIIはその後トップを守り続け、総合優勝を勝ち取っている。
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