二度見必至? 世界の珍しいパトカー特集
多くのパトカーは、まったく想像力に欠けている。もし、街中や高速道路をポルシェ911やアウディR8、ホンダNSXがパトロールしていたら、どんなに面白いか想像してみてほしい。あるいは、最近チェコ共和国で採用されたフェラーリ458イタリア(写真)のようなスーパーカーがあったら……?
【画像】世界の珍しいパトカー特集【ベースとなった市販モデルを写真で見る・前編】 全102枚
世界には、こうしたカッコいい車両が警察に採用されている国がある。今回は、世界を見渡してみて最も面白いパトカーはどれか、ランキングしてみた。なお、現役で活躍したことが確実な車両のみを対象としているので、プロモーションなどで使用された車両は除外している。
82:スコダ・イエティ(チェコ)
いきなりマイナーな車両で恐縮だが、スコダのお膝元であるチェコ共和国では、同社のモデルが多く警察で使われている。コンパクトSUVのイエティは、日本でこそ無名であるものの、欧州では根強い人気を誇る。ファンキーな見た目にそぐわず、驚くほど実用的であり、その点は警察も高く評価していると思われる。
81:フォード・クラウンビクトリア(米国)
米国で最も典型的なパトカーが、フォードのクラウンビクトリア。トラックのようなボディ・オン・フレーム構造、パワフルなV8エンジン、そして民間向けモデルの生産終了後も3年間だけ警察にのみ供給されていたという点も面白い。悲しいことだが、現在、クラウンビクトリアはエクスプローラーのようなSUVに切り替えが進んでいる。
80:フォード・ポリスインターセプター・ユーティリティ(米国)
米国人が慣れ親しみ、恐れてきた伝統的な大型セダンに見切りをつけ、一般消費者にも人気が高まっているSUVを採用するという、大きな流れを象徴するモデル。V6エコブーストエンジン(ハイブリッドも選択可能)を搭載したポリスインターセプター・ユーティリティは、燃費や実用性に優れ、高速走行時のハンドリングと安定性も十分なものだ。
また、フォードは120km/hでの後方衝突試験をクリアした世界で唯一の警察車両であると誇らしげに主張している。
79:ヒンドゥスタン・アンバサダー(インド)
英国で初代ミニを生産しまくっていたモーリスは、その金型をインドに輸出。インド初の国産車となり、ファミリーカーとして瞬く間に人気を集め、タクシーなどにも使われた。そしてもちろん、現地の警察にも採用。インド政府は総生産台数の約15%を購入したと言われている。
快適性やスピードにおいて高級とは言い難いが、それなりに頑丈だし、何よりどこにでもあるクルマなので、修理業者やスペアパーツを見つけるのも簡単だ。アンバサダーは1958年から2014年まで生産された。
78:ヴォグゾール・セネター(英国)
1987年以降、ドイツなどでオペルが販売していた2代目セネター(日本にも輸入)は、英国でもヴォグゾールから販売されている。一般ドライバーだけでなく、英国警察官の心もつかんだが、1989年に24バルブ3.0L 6気筒エンジン(最高出力204ps)を搭載した新型が登場すると、本領を発揮するようになる。
ハイウェイ・パトロールからは確かなハンドリングと、コーンや仮設看板を積める大きなトランクが高く評価され、ヴォグゾールの大型車としては有終の美を飾った。セネターは、1993年に後継車もないまま廃止された。
77:レンコ・ベアキャット(カナダ)
米マサチューセッツ州に本社を置くレンコ社は1981年から装甲車を製造している会社。2001年、ロサンゼルス郡保安官特別執行局と共同開発したのがベアキャットである。フォードF-550スーパーデューティをベースに、自動小銃の銃撃にも耐える装甲を身にまとい、車重8トンに達する。最高出力440psのフォード製6.7Lターボディーゼルが必要不可欠な車両だ。
写真のオタワ警察の戦術部隊をはじめ、SWATのような特殊部隊が使用している。その他、オーストラリア、ブラジル、オランダの警察でも採用。米国の陸海空軍も使っている。装備にもよるが、1台3000万~4000万円ほどするようだ。
76:ホールデン・コモドアSV6(オーストラリア)
3.6L V6エンジンを標準装備したパトカーを使うオーストラリア警察には、感心せざるを得ない。コモドアはオーストラリアで最も知られたクルマであると同時に、何十年もの間パトカーとして活躍してきた。最高出力286psのV6エンジンは、キャデラックCTSにも搭載されている。
ホールデンの親会社GMが2017年にオーストラリア工場を閉鎖したため、悲しいことに、写真のような2016年モデルが最後となっている。唯一の国産メーカーであるホールデンの名はすでに消滅してしまったため、今後は海外ブランドを採用する必要がある。どんな車両が選ばれるのか、楽しみではある。
75:ランドローバー・ディスカバリー(英国)
ディスカバリーは、英国では特に珍しくもないモデルだが、発表時のエピソードが面白い。1989年にランドローバーが英国西部のプリマスで報道陣向けに新型ディスカバリーを発表したとき、その性能を見せつけるために近くの鉄道路線で列車を引っ張るという豪快なショーを行ったのだ。ランドローバーは最近でも、新型車で列車や大型トレーラーを牽引する映像を公開している。
74:フォード・ゼファーMk2 ファーンハム・エステート(英国)
1959年、英国のM1高速道路が開通。警察は早速、強力な6気筒エンジンを積んだフォード・ゼファーを投入してその取り締まりに当たった。ところが、標識や三角コーンなど、必要なアイテムをすべて運ぶには積載スペースが足りないという問題に直面。ワゴン車のコーチビルダーであるファーンハムに大量に送り込んで、写真のように改造してもらったのだ。
スペースを拡大しただけでなく、当時としては非常に珍しい白色を基調としたカラーリングにし、視覚的な抑止力を狙った点も見逃せない。ちなみに、1965年12月までM1には速度制限がなかった。
73:ランドローバー110(英国)
かつて、英国内外の道路で、パトカーのカラーリングを施した初代ランドローバー(1990年から「ディフェンダー」と命名)がよく見かけられた時代があった。その駆動力は動かなくなった事故車両を運び出すのに最適で、雪道では真価を発揮した。その後、最新型の4WDに取って代わられるようになり、現在では初代ランドローバーはほとんど姿を消してしまった。
しかし、生まれ変わった新型ディフェンダーは、高速パトロールの任務にぴったりではないだろうか。
72:ミニ・カントリーマン(ジョージア)
最近のミニは、しばしば究極の「ライフスタイル車(おしゃれ車)」とみなされる。クルマ好きの英国人は皮肉を言いたい気持ちでいっぱいだろう。だから、ジョージア警察がカントリーマンを採用したのは喜ばしいニュースである。
71:ヴァルトブルク353W(東ドイツ)
西ドイツの警察官がアウディ200やBMW 5シリーズに乗る一方で、ドイツ民主共和国(東ドイツ)の警察はハイテクとは言い難いヴァルトブルクを運転していた。しかし、暖房はかなり効いていたようで、冷戦時代には重宝したはずだ。
東ドイツの崩壊後、ヴァルトブルクの工場はオペル(当時はGM傘下)に買収された。やがてフランスのPSAの所有となり、現在では小型車オペル・コルサを製造している。
70:メルセデス・ベンツ ML 350(米国)
ビバリーヒルズは米国でも有数の高級住宅地であることから、地元警察がメルセデス・ベンツの高級SUVを使用していても文句は言われないだろう。写真のMLは、DAREと呼ばれる薬物教育キャンペーンのために、地元のベンツディーラーから寄贈されたもの。
69:シボレー・サバーバン「ジャマー」(米国)
合衆国の大統領が移動するときはいつも、大規模な車列を組む。大統領が乗るクルマを特定しにくくするために、全く同じキャデラックを必ず2台を走らせている。また、車列にはセキュリティチームを乗せたバンだけでなく、厳しい雰囲気のサバーバンも加わっている。これはシークレットサービスが運用し、道路脇の爆弾を起爆させないための妨害電波を放射する車両である。
また、ミリ波レーダーも搭載しており、ロケット弾による攻撃や、誘導弾によるレーザー照射を即座に察知することができるという。これらのセンサーが作動した場合、速やかにスモークグレネードを発射して煙幕を張り、車列を覆い隠して回避行動をとる。
68:ラピッドモデルF 700Bポリスパトロールワゴン(米国)
この乗り物は、警察車両の先駆けとして注目に値する。トラックメーカーのラピッド・モーター・ビークル(Rapid Motor Vehicle)は、1909年にGMに買収され、後のGMCのスタート地点となった。こちらのF 700Bポリスパトロールワゴンは、名称がGMCに変わる2年前、1910年の車両である。
67:ルノー4CV(フランス)
写真は、ルノーがパリ警察のために製造した75台の4CVのうちの1台で、逃走犯に銃を撃てるように側面を切り落としているのが特徴だ。オークション業者ボナムズは2017年、この1955年式の車両を3万9100ユーロ(約550万円)で落札した。
66:ポルシェ911(オーストリア)
この特集の後半で紹介するように、オーストリア警察は昔からポルシェ911のファンである。それは、ポルシェ博士が第2次大戦後、同国のグミュントに小さな工場を持って独立したことも影響しているだろう。オーストリアの内務省は2017年、写真の911カレラを数か月間所有し、高速道路の取締りに使用した。
ポルシェのオーストリア部門を率いるヘルムート・エッゲルト博士は、「警察とのパートナーシップは長い伝統があります。1960年代から70年代にかけては、青いライトを点滅させたポルシェの警察車両や憲兵隊車両を見ることは珍しくありませんでした」と回想している。
65:ジャガーXJ6(英国)
エグゼクティブクラスのクルマが一般的に使われるようになって久しいが、ラグジュアリークラスのクルマはまだ少ない。英国警察は幸運にもXJ6を手に入れることができた。1970年代初頭から1990年代初頭まで、英国では高速パトロール用としてXJが使われていたようだ。
しかし、XJの導入と運用には費用がかかる。今日、英国の警察官がXJを運転するチャンスといえば、首相を乗せた装甲付きの車両しかない。
64:メルセデス・ベンツ E 43 AMG(オーストラリア)
オーストラリアのビクトリア警察は、国内製造のホールデンとフォードの後継モデルとして、さまざまなクルマを試した。その中でも最も趣味性が高いのは、3.0L V6ツインターボを搭載し、最高出力400psを発揮するスーパーセダン、E 43 AMGである。
63:レクサスLS 400(米国)
残念ながら、この車両についてはあまり記録が残っていない。しかし、1989年に登場したLS 400は、高級車の快適性と品質に新しい基準を打ち立て、ドイツブランドに背筋が凍るほどの衝撃を与えたことは知られている。V8エンジンを搭載したこのクルマは、長時間のパトロールに最適なはずだ。
62:BMW i8(チェコ共和国)
BMWはチェコ共和国の警察に、6か月間または2万kmの走行という条件で、正式採用の可否を判断してもらうために新車のi8を貸与した。しかし悲しいことに、貸与からわずか1か月後、ドライバーが運転中に「医療上の緊急事態」に見舞われ、クラッシュしてしまった。
61:フォルクスワーゲン・パサート W8(ルクセンブルグ)
一見すると、欧州を中心に広く普及しているフォルクスワーゲンの4ドア・セダンに見えるかもしれない。実はこれ、最高出力275psのW8エンジンと、そのパワーを地面に伝えるフルタイム4WDを搭載した、非常に珍しいパサートW8なのだ(4本出しマフラーが目印)。
写真の車両は、欧州の小さな国、ルクセンブルク公国の警察で活躍していた究極のQカー(羊の皮をかぶった狼)である。
60:フォード・レンジャー(アフガニスタン)
重機関銃を背負った警察車両というのはなんとも物々しいが、アフガニスタンの警察が使用したフォード・レンジャーもその1台。ご存知の通り、同国は治安が悪いため、50口径で身を守らなければならない。
59:アウディTTクワトロ(ハンガリー)
初代アウディTTは、高性能なドイツ車に涙をのんでいたハンガリーの交通警察にはうってつけのモデルに思えただろう。しかし、ハンガリーが選んだのは高出力の3.2L V6モデルではなく、ノーマルな1.8 T……。惜しい。
58:ランドローバー・ディスカバリー(イタリア)
イタリアのカラビニエリ(国家憲兵隊)は数多くのSUVを所有している。特に冬場のアルプス地方では、ランドローバーのディフェンダーやディスカバリーが大活躍しているが、市街地でも見かけることが少なくない。また、サルデーニャ島やシチリア島では、事前の予告なしに舗装が崩れてオフロードになることが多いため、重宝されているようだ。
57:アウディ4000S(米国)
ニューハンプシャー州の冬はとても寒く、雪も降るため、サウスハンプトン警察署は1985年に四輪駆動のアウディ4000Sクワトロを納車した。 米国の警察は現在も国産品を使いたがるが、当時はビッグスリーの四輪駆動セダンが手薄だったため、流行の最先端を走っていたアウディに白羽の矢が立ったのである。
56:BMW i3(米国)
コンパクトで俊敏、そしてとてもエコなBMW i3は、都市環境での任務用として、世界中の警察で採用されている。写真は、ロサンゼルス市警が290万ドル(約4億円)をかけて発注した100台のi3のうちの1台。
この大規模導入はロサンゼルスの環境保護に大きく貢献した(と思われる)が、ロサンゼルスは広大な都市であることからも想像できるように、大きな誤りがある。初期のBMW i3は、1回の充電で130~160kmを走るのが精一杯なので、従来のガソリン車ほどは使われていないようだ。
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みんなのコメント
理由は、追跡している車両から銃撃されてもエンジンが壊れない事ですが、エンジン系の重要部品であるラジエーターがフロントに有る車は適していないと考えても良いでしょう?