アストン マーティンへの投資
text:James Attwood(ジェームズ・アトウッド)
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億万長者のローレンス・ストロールが率いるコンソーシアムは、アストン マーティンの16.7%の株式を1億8200万ポンド(260億円)で買収した。
ロンドン証券取引所への提出によって、今朝確認されたこの取引には、3億1800万ポンド(455億円)の現金入金も含まれていて、あわせて5億ポンド(715億円)のブーストを同社に与えたこととなる。
ストロールが所有するレーシングポイントF1チームは、2021年以降、アストン マーティンF1ワークスチームとして新しい取引条件の下、リブランドされる。
アストンは、ハイパーカーのヴァルキリーを今年発売し、ミドエンジン・モデル戦略を継続することを約束している。
また、プレミアム・ブランドであるラゴンダの再発売を含む、EVの発売を2025年まで遅らせることを明らかにしている。
投資の一環として、ストロールは会長としてアストン マーティンの取締役会に参加し、コンソーシアムのメンバーとして、2人目の取締役を任命する権利も獲得する。
ストロール投資後の変更点
主な変更点は、以下の通り。
ローレンス・ストロールが、投資コンソーシアムをリード
ローレンス・ストロールが、アストン マーティンの会長に就任する
CEOのアンディ・パーマーは、留任
ジョブとコストの削減
アストン事業計画の改訂
ヴァルキリーを年内に発売後、ミッドエンジン・ヴァルハラも続けて発売
ミッドエンジン戦略を継続、2022年に発表する
ラゴンダは少なくとも2025年まで発売延期
電動ラピードEプロジェクトの中断
ストロールのレーシングポイントF1チームが、アストン マーティンとしてリブランド
アストン マーティンの新しい株式構成
ロータスの所有者であり、スマートの一部所有者でダイムラーの重要株主である、中国のジーリーホールディングも、今回の取引を希望していたが、ストロールが勝ち取っている。
16.7%の株式を確保するため、JCB会長のアンソニー・バンフォード、元パワー・コーポレーションCEOアンドレ・デスマレー、香港のファッション投資家サイラス・チューら著名人が名を連ねるコンソーシアムが、アストン マーティン・ラゴンダの4560万株の普通株を1株あたり4ポンドの価格で購入した。
5億ポンド(715億円)の投資には、キャッシュフローを改善するための5550万ポンド(79億円)の短期資金が含まれており、完全な株式分配が完了した時点で、返金される予定となっている。
同社は、今回の投資は「キャッシュフローを改善し、DBXの生産増加と業績の回復に資金を供給する」ために使われると述べている。
アストン マーティンは、「キャッシュフローを即座に改善し、借入金を削減するためにバランスシートを強化する」と述べている。
アストン マーティンの価値は、2018年には評価額45億ポンド(6437億円)と言われていたが、現在の株式発行によると約10億ポンド(1573億円)となる。
同社の株式の大部分は、クウェートに本拠を置くAdeem Primewagonグループが保有している。
イタリアのPEグループ、インベストインダストリアル傘下のストラテジック・ヨーロピアン・インベストメントグループが約3分の1を保有してい。
2つのグループは以前、合計61%のアストンマーティンの株式を所有していたが、ストロールのコンソーシアムの株式取得によって50.5%に減少する。
メルセデス・ベンツの親会社であるダイムラーも同社の4%の株式を所有している。
将来の製品計画とF1にもたらす変化
アストン マーティンからの情報によると、アストン マーティンとレッドブル・アドバンスド・テクノロジーズの、技術的パートナーシップは、「アストン マーティン・ヴァルキリーが発売されるまで続く」とのことだった。
投資家の変更後も、ミッドエンジン・ヴァルハラ・プロジェクトへのレッドブルの関与が続くかどうかはまだ不明だ。
アストン マーティンは、現在レッドブルF1チームのスポンサーを務めており、2020年も引き続きスポンサーを務める。
しかし今回、2021年からレーシングポイントを公式アストンチームとする10年契約が結ばれる。また5年間のスポンサーシップ契約もそれに含まれる。
ストロールは、今シーズンの終わりにメルセデス・ワークスチームの購入を検討しているとの情報も入ってきている。
メルセデスは、来シーズン以降のF1部門の将来を検討していると言われており、今回の取引が、ストロールの今後の動向に影響を及ぼすとは限らないと考えられている。
リセット・ビジネス・プラン
アストン マーティンは、キャッシュジェネレーションと製品計画変更の両方のパフォーマンスを向上させるための「リセット・ビジネス・プラン」にも同意している。
リセット・ビジネス・プランには、2022年に予定されていたラゴンダ・ブランドの発売延期など、EVへの投資を2025年まで延期することが含まれている。
ラピードE電動プロジェクトは、「レビュー待ちのため一時停止」とされている。
2022年のヴァルハラを含む、現在開発中のさまざまなミッドエンジンモデルを提供するというコミットメントが残っている。
当面の優先事項は、今年後半にDBXを立ち上げることであり、同社はこれまでに1800件の注文を受けていると述べている。
春には、ロードスターバージョンを含む、ヴァンテージをアップデートし、今年後半にはヴァルキリーの発売を開始する。
同社はまた、年間1000万ポンド(14億円)のコスト削減を目指す。
2022年のヴァルハラの発売後、ミッドエンジンのヴァンキッシュを発表する。
2020年代半ばから導入予定の「ハイブリッド機能を備えた燃料効率の良いモジュラーV6エンジン」も平行して開発する。
同社はまた、特別モデルが計画の重要な部分であり続けると述べ、毎年1つの「ヘリテージスペシャル」と、2つの「コンテンポラリースペシャル」を提供するとしている。
ローレンス・ストロールについて
F1ドライバー・ランスの父であるストロールは、ピエール・カルダン、ラルフ・ローレン、トミー・ヒルフィガー、マイケル・コース、アスプレイ、ガラードなどに投資し、ブランドを構築している。
資産は20億ポンド(2862億円)を超えると推定されている。
カナダのモントリオールで育ち、60歳の現在は主にスイスで暮らしている。
330 P4やデイトナ・スパイダーなど、世界的に貴重なクラシック・フェラーリのコレクターとしても有名だ。
カナダのモントランブラン・サーキットも所有している。
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