ドイツ現地レポでは度々話題となっている「都市部の路上駐車」。筆者が住んでいる首都ベルリンでも、都市中心部の駐車場所不足は深刻で、駐車場所を探してぐるぐる走り回るのはいつもの日課になっています。それでも現地の人たちに言わせれば「ベルリンの状況は、他のドイツの大都市に比べればまだ多い方」とのことなのですが…。
都市部で路上駐車する場合は、日本と同じく、単に「無制限で駐車可能な場所」というのはほぼ存在しません。多くの場合はパーキングチケットを購入して指定場所に駐車するか、Parkscheibe(パークシャイベ)と呼ばれる標識を使用して駐車することになります。
クラシックカーを期間限定で乗る場合、自動車税がさらに割引に!2017年から始まった新制度「H-シーズンナンバー」についてご紹介
パークシャイベ。日本ではあまり馴染みのないモノだと思いますが、今回はこのパークシャイベについてじっくり紹介していきたいと思います!
パークシャイベとは?
ドイツの都市部では、道路沿いに多くの商店が立ち並んでいるエリアがあります。郊外の大型ショッピングモールでは専用の駐車場を備えている場合も多いですが、都市部の小さな商店となると個別の駐車場所を用意するのはなかなか難しいため、目の前の道路を「無料の駐車場所」として利用することになります。
その際に問題となるのが、商店の目の前の道路を「通勤や仕事で使う人に長時間駐車されてしまう」ことです。パーキングチケットのエリアにしてしまえば、仕事などで1日中駐車する人は減りますが、有料化に伴って買い物客まで減ってしまう恐れもあります。
そんな場合に威力を発揮するのが、このパークシャイベ。何をするものかというと「駐車を開始した時間を表示する」ための、歴とした標識のひとつです。
Parkscheibeを直訳すると「駐車円盤」「駐車ディスク」という意味になります。中心部分が回転するようになっており、クルマを駐車した時間に合わせて、ダッシュボードの上に掲示して使用します。道路標識に表示された時間内は無料で停められますが、その時間を過ぎた場合は、クルマを移動させなければいけません。パークシャイベの表示時間だけを回して、クルマをその場に駐車し続けるのは、もちろん違反行為になります。
パークシャイベを利用する場所には、上記の3つの画像のような標識が掲示されています。「2 Stunden」「2 Std.」との表示があれば、「この駐車場所はパークシャイベを掲示することによって、2時間まで無料駐車可能」という意味になります。
このパークシャイベによって、先ほどの商店の話に戻すと「買い物客は2時間無料で路上駐車可能、仕事などでの1日中の路上駐車は不可能」ということが実現できるのです。アナログで単純ですが、非常に合理的かつ効果的な仕組みと言えるでしょう。
ガソリンスタンドなどで簡単に購入可能!
パークシャイベは標識なので、色や大きさが法律で決められています。ドイツでレンタカーを借りると、通常クルマの中に備え付けられていますが、万が一クルマの中になくても、ガソリンスタンド併設の売店などで購入可能です。筆者も今回、実際に購入してみました。値段はたったの1.99ユーロ(約242円)!
表面に書かれている「ANKUNFTSZEIT」は「到着時刻」を意味します。プラスチック製の簡素な作りですが、意外なほど多機能で驚きました。側面は、フロントガラスの雪かきや氷かきにも使えるようになっています。
さらに、タイヤの溝の深さを測るスケールが付いています。夏季タイヤ(Sommerreifen)と冬季タイヤ(Winterreifen)の目安まで刻まれている親切設計!
これはEinkaufschip(アインカウフスチップ、直訳すると「買い物チップ」)と呼ばれるもの。日本ではあまり馴染みがないものかもしれませんね。ドイツのショッピングモールやスーパーマーケットで利用されている大型ショピングカートは、盗難防止のために1ユーロ硬貨や50セント硬貨を入れて使用する仕組みになっているのですが、このEinkaufschipは硬貨の代わりとして利用できます。中心部に穴が空いているのは、自動販売機などでは使えないようにするためです。
電気自動車時代ではさらに存在感が高まる
ドイツでクルマを利用する上でぜひ知っておきたい「パークシャイベ」。ドイツでは電気自動車の利用率が高まるにつれて、パークシャイベの利用率はさらに増えると考えられています。路上脇に設置された充電ステーションの利用時に、このパークシャイベを掲示することが求められることが増えてきたからです。
日本でも、駐車場所の確保が難しい小さな商店街で利用したり、電気自動車の充電スポットや長時間駐車に悩むスーパーマーケットなどでの活用など、導入すれば様々なメリットがあると思うのですが、いかがでしょうか?大掛かりな設備導入費用はかかりませんしね。それでは、また次回の記事でお会いしましょう!
[画像・カメラ・ライター/守屋健]
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
「自転車でしか行けない飲み屋が、悪法のせいで潰れそうです。凄い迷惑ですよね?」質問に回答殺到!「驚きです」「そんな店は潰れていい」の声も…「自転車の罰則強化」何がどう変わったのか
新型ハリアーは1.5LターボのHEVとPHEV! あっと言わせる超カッコいいクーペSUVが2026年に登場か!?
ミニバン買ったら5人乗りという悲劇……元中古車定員が語る本当にあった失敗談
日産のコンパクト「“スライドドア”ワゴン」に反響多数! 「ちょうどイイサイズ」「いや大きすぎる」と反応分かれる「タウンスター“エヴァリア”」! 欧州向けモデル「日本導入」の可能性に賛否両論!?
国道417号「板垣坂バイパス」が11月24日に開通! 冠山峠道路の利用で中京圏・但南地域のアクセスがさらに便利に。【道路のニュース】
「自転車でしか行けない飲み屋が、悪法のせいで潰れそうです。凄い迷惑ですよね?」質問に回答殺到!「驚きです」「そんな店は潰れていい」の声も…「自転車の罰則強化」何がどう変わったのか
「右車線ずっと走って何が悪いんですか?」質問に回答殺到!?「捕まるよ」「違反です」の声も…投稿者は「後ろから煽るほうが悪い!」と主張 法律ではどちらが正しいのか
「バスが発進しようとしたので、急いで前に詰めたら、鳴らされました。運転手は懲戒処分ですよね?」質問に回答殺到!?「常識外れ」「もう運転やめてくれ」の声も…法律では誰が悪いのか
トヨタが「凄いクラウン」実車公開! 斬新「マットメタル×赤キャリパー」採用! 普通のマットじゃない!? 特別な「スポーツ」とは
[今一番]ターボらしいターボ車はどれ!? 独断と偏見で選ぶ世界一のターボ車!!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント