この記事をまとめると
■新車を購入するタイミングは昔から「3月決算フェアがいい」と言われている
4月よりも3月の登録がオススメ! 年度末に「少しでも好条件」で新車を買うコツとは
■3月に多くの新車を登録(届け出)すると決算に良い影響を与えるので、売り手も必死だ
■年末セールに買うと登録年の関係で査定が不利になるので、新車購入は年度末がオススメだ
新車を買うのにお得な時期ってあるの?
以前はクルマを買うなら「3月決算フェアがいい」といわれた。メーカーや多くの販売会社は決算が3月で、その月に新車の登録や届け出を行えば、決算に良い影響を与えるからだ。この状況は基本的にはいまも変わらず、2023年の各月の登録/届け出台数を見ると、3月が12%を占めた。単純に1カ月平均にすれば約8%だから、12%は1年を通じてもっとも多く、3月決算ではいまでもクルマが多く売られる。
では、今年も同じような状況なのか? 2024年の状況を販売店に尋ねると、以下のように返答された。
「大量に売られる(軽自動車やコンパクトカーを中心とした)人気車は、決算フェアのための在庫をそろえる。かつて3月に購入されたお客様は、車検のタイミングを考えると、今年も3月に購入される。そこを見越して在庫車を用意する。そして在庫車は、保管にもコストを要するから、可能な限り3月中に登録したい。そこで値引きなども多少は増える」
いまは以前に比べてクルマ1台当たりの利益が減り、メーカーが販売会社に支給する販売報償金なども大幅に少ない。従って値引きも捻出しにくく、景気の良い売り方はできないが、決算期のメリットが皆無になったわけではない。残価設定ローンに年率1.9~2.9%の低金利を実施したり、10万円前後のディーラーオプションのサービスなども行う。昔のような車両価格の20%近くに達する大幅値引きは無理でも、細かなサービスを積み重ねて、購入条件を好転させることは可能だ。
その一方で、トヨタの販売店は以下のようにコメントした。
「納期が全般的に長い。ヤリスやヤリスクロスでも4~6カ月を要する。出荷を停止したダイハツ製のルーミーやライズも納期が不明だ。そのために従来のような決算フェアとは状況が違うが、購入されるお客様には最大限度のサービスをしている。常にフェアをやっているようなものだ」
各社ともに、従来の増販フェアに戻るまでは時間を要するだろう。
その一方で、ひとつ言えるのは、年末フェアの購入は得策とはいえないこと。数年後に下取りに出すときの売却額は、車種、グレード、走行距離、そして年式によって決まるからだ。2024年の12月と2025年の1月では、実際には1カ月しか違わないが、2024年式と2025年式の違いが生じる。
販売店では「10年以上使うなら大差はないが、購入して3~5年後に売却するときは、年式の違いが20万円以上の差になることもある」と言う。そうなると、結局のところ3月決算フェアが新車購入時の得策になるわけだ。
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