クルマは長く乗れば乗るほど見えてくるものがある。これまでMotor Magazine誌で掲載した長期レポート車ジープ ラングラーを紹介していこう。前後編のラングラーテストレポートの後編、どちらもそれなりの距離を走破したが結論としては実に満足したものだった。(Motor Magazine 2021年2月号より)
確固たる世界観のあるラングラー
正直に言って、ジープラングラーがここまで奥深いクルマとしての根源的な魅力を備えているとは思っていなかった。
●【くるま問答】ガソリンの給油口は、なぜクルマによって右だったり左だったりするのか
これは、クルマにとっての正義というか、つまり価値観とは何なのか? というテーマにもつながるのだが、ラングラー、それもシンプルな自然吸気3.6L V6エンジン搭載モデルには確固たる世界観がある。それは「走っていれば必ず到着する」という、当たり前だが実に雄大な哲学だ。
前回、「速さではない価値観に満ちている」と記したが、これはこのモデルが速く走れないという意味では決してない。現に、ロングドライブに重用した編集部のスタッフからは「新東名の最高速度120km/h試行区間でも余裕たっぷりでしたね」という感想をもらっているし、スムーズなV6エンジンを積極的に活用すれば、ラングラーはしっかりとその走りで応えてくれる。
淡々と走行することの心地良さを感じた
ただ、担当者は実感しているのだ。高速道路や一般道でも、淡々と走行して移動することの心地良さを。標準装備のアダプティブクルーズコントロール機能を使用しても良いが、それだとラングラーとの一体感ともいうべき大いなる魅力が薄くなる。自分の目で周囲を見て状況を判断して、必要となる操作を行ってクルマを走らせていく、という行為を連続していくことで、自分の気持ちも浄化されるような感覚になれるのだ。
アンリミテッドサハラはホイールベースが3010mmと長い。それだけにボディ全長も4870mmあるが、印象的なのは広大なガラスエリアを通しての周囲の見通しがとても良いことだ。交差点などでは、歩行者や自転車などクルマまわりの状況がよくわかる。
さすがに最小回転半径は6.2mと大きいが、それでもハンドルの切れ角が大きいので、取り回し面で苦労することは少ない。フロントノーズがしっかりと動いてくれることのメリットだと思う。
あと、淡々と走行している時の楽しみがオーディオサウンドの良さだ。サブウーファー付きアルパイン製プレミアムスピーカーから飛び出てくるサウンドはロック好きの担当者にドンピシャなのだ。(文:Motor Magazine編集部 香高和仁)
■第2回/2020年11月21日~12月18日(2カ月目)のデータ
・オドメーター:1万3745km
・走行距離:2046km
・給油量:225.0L
・実燃費:9.1km/L
ジープ ラングラーアンリミテッド サハラ 主要諸元
●全長×全幅×全高:4870×1895×1840mm
●ホイールベース:3010mm
●車両重量:1980kg
●エンジン:V6 DOHC
●総排気量:3604cc
●最高出力:209kW(284ps)/6400rpm
●最大トルク:347Nm/4100rpm
●トランスミッション:8速AT
●駆動方式:4WD
●燃料・タンク容量:レギュラー・81L
●WLTCモード燃費:9.0km/L
●タイヤサイズ:255/70R18
[ アルバム : ジープ ラングラー アンリミテッド サハラ 3.6L はオリジナルサイトでご覧ください ]
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記事として成立してない。