一生モノのステアリングはイタリアブランドにあり
機能性と見た目を兼ね備えた人気ホイールといえば、「ナルディ」と「モモ」でしょう。インテリアの印象を大きく変えるステアリングは、自分のフィーリングと合う1本を妥協せず選びたいところ。そこで、自動車メーカーの純正品としても多く採用されている、二大巨頭ブランドのロングセラー製品をあらためて紹介します。
バブル時代に憧れた「モモ」「ナルディ」「パーソナル」。なぜ昭和時代はステアリングを交換した?
メーカーの純正品としても採用されていること多し
運転中は常に触っている操作系の最重要アイテムとして、また室内の雰囲気に影響するドレスアップのパーツとして、昔からカスタムする人が後を絶たないステアリング。エアバッグの標準装備が当たり前となった現在でこそ、純正のスポーティなデザインを採用することも増えたが、スポーツ系のユーザーを中心に社外品の需要は尽きない。
製造するメーカーは群雄割拠だった以前に比べて統合が進み、今は「ナルディ」と「モモ」がツートップといえる状態だ。両社の歴史や代表的なモデルを紹介すると同時に、一世を風靡したメーカーの現況などを紹介したい。共通しているのはどちらもイタリア発祥のブランドであり、自動車メーカーの純正品としても多く採用されていること。
1932年に創業したナルディ
まずは1932年に創業した「ナルディ」から。創業当時、レース界では自ら製作した車両でレースに参戦していたこともあり、当初からスポーツカーのオーナーたちに高く評価されていた。代表的なモデルは何といっても永遠の定番「クラシック」だろう。オーソドックスながら抜群の操作性を誇る3本スポークのデザインと、330mm/360mm/380mmなど好みで選べる豊富なサイズ設定が魅力だ。
表皮の素材もバリエーションに富んでおり、どんなシチュエーションにも合うスタンダードなスムースレザーを筆頭に、レーシンググローブの装着が前提のスエードや素手でも滑りにくいパンチングレザー、旧車なら創業時からの伝統であるウッドを選ぶのも大いにアリだろう。
スポークのカラーはシルバー、ポリッシュ、ブラックが用意されており、コントロール性とドラポジを重視しラリー車で人気の「ディープコーン」も。デザインの基本は創業した当初から大きく変わっていないため、最新のクルマとの相性を不安に思う人もいるかもしれないが、使い勝手も内装との親和性も、良い意味で期待を裏切られる。
1964年に創業したモモ
やはり時代を超越したヒット作には、そうなるだけの理由があるのだろう。同じく定番中の定番といえるのが1964年に創業した「モモ」だ。ラインアップが非常に多く代表作を絞るのは難しいが、あえて挙げるならスタンダードな3本スポークを持つ「プロトタイプ」だろう。サイズは320mm/350mm/370mmでブラックとシルバーの2色を展開している。スポークに開いた円形のホールがスパルタンで、日本へ導入されたのは1973年というロングセラーだ。
もうひとつは、同じ3本スポークながら上の2本をラウンドさせ、トップに刺繍したロゴがひと目を引く「コンペティション」だ。サイズは320mmと350mmのふたつを展開し、ディンプル加工した表皮は操作性に優れる。なお320mmは下方に偏った重量バランスを修正し、繊細で安定したステアリング操作ができるよう、トップにウエイトを埋め込むなど細部までこだわっていた。
ナルディ、モモ以外の有名どころはどうなった?
デザイン的にはコンペティションより新しく、現行車に装着しても違和感はまったくない。他にも名の知れたステアリングのメーカーとして、同じくイタリアの「パーソナル」や「イタルボランテ」がある。ただしパーソナルは商品こそ販売しているがナルディに吸収され、イタルボランテはモモの傘下となり表立った活動はしていない模様。
走りにもドレスアップにも効果の大きいステアリング。ナルディとモモにはここで紹介した3つ以外にも、魅力的なアイテムが数多くラインナップしている。まさしく「一生モノ」になることも珍しくない部品だけに、自分のフィーリングと合う1本を妥協せず探してみよう。
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みんなのコメント
車を買い替えても、その車用のステアリングボスに変えて、同じステアリングを十年くらいは使っていた。
もちろん、使わなくなったのは、エアバッグが標準になって、交換ができなくなったため。
ホイールはボルクレーシング。
パーソナルはナルディに買収されてたんだね。
今はエアバッグがあるし、純正でも小径で握りやすい形状だから、わざわざ交換する必要性は感じないね。