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愛犬と暮らすいま「DOGファースト」なBEVが存在しない……【私がEVを買わない理由 青山尚暉編】

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愛犬と暮らすいま「DOGファースト」なBEVが存在しない……【私がEVを買わない理由 青山尚暉編】

 この記事をまとめると

■BEVが愛車ではないライターさんになぜ所有しないのか理由を聞いてみた

充電残量を心配しつつ走るのは心の健康によくない! 【私がEVを買わない理由 山崎元裕編】

■青山尚暉氏は自身の生活状況を鑑みていますぐBEVにするメリットがないと判断

■BEVの走行性能は好意的に評価しているので購入するかは今後のライフスタイル次第

 いまの生活だとゴルフヴァリアントが1番!

 なぜ、BEV=ピュア電気自動車を所有していないのか?

 その理由はまず、どうしても欲しいクルマがたまたまガソリンターボ車だったからだ。いま乗っているのは、世界のコンパクトカーのベンチマークであり続け、欧州のコンパクトカーはもちろん、日本のコンパクトカー、さらにはミニバンでさえ、ベンチマークにしているVWゴルフの7.5ヴァリアント、2020年型のハイラインマイスター(OPのディナウディオオーディオ付き)である。

 じつは、愛車としては2014年型のゴルフ7ヴァリアント・ハイラインに続く、2台目のゴルフ・ヴァリアントである。基本となるハッチバックモデル=VWゴルフ7は2013-2014日本カー・オブ・ザ・イヤー受賞車であり、ボク自身も選考委員としてその完成度に感動し、満点の10点を配点。翌年、さっそく2014年型のステーションワゴン=ヴァリアントを購入した。

 そして、現時点でも感じていることは、コンパクトカーとして、目に見えない部分にまで徹底したこだわりを持つVWのラインアップのなかでも、実用車として「オーバークオリティ」すぎるのがゴルフであり、その完成形が第7世代、とくに2017年のマイナーチェンジ以降の7.5と呼ばれるゴルフであるということ(8を否定しているわけではないが、ドイツ車らしい乗り味など、個人的に気にいっているのが第7世代)。

 以前乗っていた7ヴァリアントは6年以上乗っても古さなど感じることはなく、ドイツ車然とした作り、走り、経済性に満足でき、正規ディーラーによるメンテナンス費用も国産車並みだったから、なかなか手放すチャンスがなかったのも本当だ。

 しかし、2017年にCARトップ本誌で試乗したマイナーチェンジ版の7.5の進化、DSGを含む洗練度、第一世代デジタルコクピットの採用などを目の当たりにして、かなり悔しい思いをしたのも事実。その後、淡々と7.5への乗り換えを目論んでいたのである。で、ゴルフ7.5の最終版、その時点での最新装備満載の2020年型のヴァリアント・ハイラインマイスターに行き着いたというわけだ。

 しかし、この電動車時代、モータージャーナリストという仕事柄、多くのBEVに試乗しているのはもちろんだ。日産リーフ、テスラを始め、ホンダe、アバルト500e、VW ID.4、メルセデス・ベンツEQB、BMW iX1、マツダMX-30などから、トヨタbZ4Xでは東京~静岡を、スバル・ソルテラでは東京~修善寺、日産サクラで東京~九十九里、ボルボXC40 Recharge Ultimate Twin Motorでは東京~鴨川へと、ときには愛犬を連れた1泊ドライブ旅行(取材)も含まれており、BEVとしてのそれぞれの魅力は十分に承知している。

 それでも1.4リッターガソリンターボの、というか、ステーションワゴンのゴルフ・ヴァリアントが手放せない理由は、ほかにもある。それはわが家の事情だ。

 DOGファースト故の選択

 モータージャーナリスト兼ドッグライフプロデューサーとしても仕事をし、2頭の犬と暮らすボクの家は、DOGファーストが基本。日々、愛犬をクルマに乗せる機会(ドッグランやドッグカフェ、動物病院への移動)が多く、また月に1度は愛犬とともに愛犬同伴型宿泊施設へとドライブ旅行に出かけている。

 そこで不可欠なクルマは、いまのBEVにはないステーションワゴンだと考えている。2頭の犬を特等席の後席に乗せ、夫婦で出かける際、ドッグカートを2組と機内持ち込みサイズのキャリーケースを積み込むためには、それなりのラゲッジスペース(とくに奥行と高さ)が必要だ。

 これはセダンタイプ、ハッチバックタイプではなかなか難しい。BEVに多いSUVでもよさそうだが、わが家の女性陣からは「けっこう重いドッグカート(12kg程度)を載せ下ろしするには、ラゲッジスペースのフロアは低ければ低いほうがラク」という意見がある。

 ちなみにSUVのラゲッジスペースのフロア地上高平均値は700~800mm。対するステーションワゴンの同平均値は620mm前後。重い荷物の積載性では、ステーションワゴンが圧倒的に有利だ。

 加えて、わが家のステーションワゴンは全高1485mmで、出先の駐車場制限もない。先日も、すべてのコンサートに訪れている松任谷由実さんのアリーナツアーに参戦するため、横浜のぴあアリーナにクルマで早めに出かけたのだが、すぐとなりの平面駐車場はすでに満車。で、歩道橋を渡るだけでぴあアリーナにアクセスできる機械式駐車場に止めたのだが、全高制限は1550mmでセーフ。もしSUVだったら、クルマを止めるのに苦労し、開演に間に合わなかったかも知れない……なんていうこともあったりする。

 だからいま、ガソリンターボのステーションワゴン=VWゴルフ7.5ヴァリアントマイスターに乗っている最大の理由は、そのクルマがボク自身とわが家にとって比較的コンパクトなサイズを含め理想的なステーションワゴンだからにほかならない。

 歴代ゴルフが世界のコンパクトカーのメートル原器であり続けている1台であるのはよく知られた話だが、ここ数年に登場した国産コンパクトカーやミニバンが、ゴルフ7.5をベンチマークにしている……と開発陣から聞かされたこともあるほどの、自動車開発者をも唸らせる傑作でもあるのだ。当然、自身のコンパクトカー評価のひとつの基準にもなっている。高速道路7一般道3の割合で走っては20km/L前後という実燃費の良さも大いに気にいっているところだ。

 もちろん、それだけではBEVに乗らない理由にはならない。これまで、すでに説明したように、BEVで愛犬とともにドライブ旅行(取材)に出かけたことは何度もあるが、春、秋、晴れや曇りの日ならBEVでもまったく問題はない。

 しかし、夏、冬、雨天となると、ちょっと困ることもある。それは途中充電で、充電中、高速道路のサービスエリアや道の駅などで30分程度、人間だけなら涼しく、暖かい施設内でカフェタイム、ランチタイム、あるいはショッピングタイムとして時間をつぶすことができる。が、犬連れだとなかなかそうはいかない。

 ほとんどの場合、テラス席までしか利用できないからだ。とすると、夏は暑さ、冬は寒さ、そして雨に耐えながらの外での充電待ちということになる。これは人にも犬にも厳しい(ドッグランがあれば30分、時間をつぶすことはできるが)。

 BEVで愛犬とドライブ旅行に出かける際、わが家がよく行く軽井沢の往復+現地ドライブ(約400km)を無充電でこなせるクルマなら文句なしだが、大きく高価でわが家としては対象・予算外。とはいえ、200km無充電で走れれば、目的地充電が可能な愛犬同伴型宿泊施設を選ぶことで解決できるものの、充電設備が複数完備された(といってもほとんどは200Vの設備だが)愛犬同伴型宿泊施設はまだごく一部でしかなく、ドライブ旅行先が制限されてしまう(楽天ステイ八ヶ岳であれば全室に200V、楽天ステイ鴨川も数台の200V充電設備がされているので行きやすい)。

 よって、わが家としては、いま乗っているガソリンターボ車に満足しつつ、BEVは近距離専用車として、たとえば日産サクラなどをセカンドカーとして使いたいとも思うのだが、2台持ちとなると今度は自宅の駐車場事情と兼ね合わなくなってしまう(2台分あるが、1台分は借り出した試乗車用)。

 いずれにしても、いま乗っているガソリンターボ車は、自身にとって理想かつ「最後の純ガソリン車」として、しばらくは大切に乗り続けたいと思っているが、次期愛車がBEVになるかは、愛犬と暮らす生活が続く限り、わからない。比較的コンパクトなPHEVのステーションワゴンがあれば、きっとそれがドッグファーストなわが家にとっての現実的な理想の愛車=ドッグフレンドリーカーになるのではないかとも思っていたりはする。

 とはいえ、それはあくまでもわが家で「愛車として使う」上での考え方(事情)であり、仕事としてのBEVに対する評価軸とはまったく関係ないことをお断りしておきたい。BEVの静かでスムースな走行性能に関しては、聴覚に優れ、車内でどこかにつかまれない犬にとって理想的であることを経験上、熟知しているし、わが家の歴代「自称自動車評論犬(!?)」の犬たちも、BEVをドッグフレンドリーカーとして大いに気にいってるのである。

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みんなのコメント

21件
  • k_k********
    「私がEVを買わない理由」シリーズ
    どの草評論家も既知のBEVのネガティブな特性を
    自分には合っていないことを長々と書いているだけ

    この反BEVキャンペーンの黒幕は誰なのかね。
  • ....
    EVに犬を乗せられる車種が無いだけだろ? なぁ青山尚暉君。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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