GT-Rが好きだ。2007年の登場以来、ずっと第一線でライバル勢と対等に渡り合っている実力、にもかかわらずメカニズムは基本的に普遍、デザインも大きく変えることなく継続しているのも非常に好感である。これぞ日本の誇りだ。それが1023万840円で買えるってンだから、なんてわれわれは幸運なのだろうか(買えないけど)。というわけでこの後世に残るであろう名車の歩みを追ってみることにしよう。
2007年
この手があったか! トランポにバイクを固定する方法アレコレ! 東京モーターサイクルショー2019
【GT-R発表】
2007年10月24日に発表。ここからスタートなので書くことだらけになってしまいそうだから、基本諸元をご紹介。
車体寸法:全長4655 × 全幅1895 × 全高1370 × 軸距2780mm
車両重量:1740kg
最高出力:353kW(480ps)/6400rpm
最大トルク:588Nm(60kgm)/3200-5200rpm
車両価格:770~834万7500円
2008年
【一部改良】
2008年12月8日に発表。エンジンの性能増強とショックアブソーバーの改良が施された。ナンバープレート取り付け部の変更に伴って全長が5mm短縮、燃料タンクの容量増加(71→74ℓ)などが施されている。
車体寸法:全長4650mm
最高出力:357kW(485ps)/6400rpm
車両価格:861~924万円
2009年
【SpecVを発売】
2009年1月8日に発表。カーボンセラミックブレーキ、専用サスペンション、ハイグリップタイヤを装着。さらにNISMOから販売していたアルミホイール、カーボンバケットシート、チタン合金製排気システムを備える。外装にはCFRP製のリヤスポイラー、フロントグリル、ブレーキダクトを装着、アルティメイトオパールブラックの専用ボディカラーを用意していた。価格は一気に上がって1575万円。このあたりから(ひょっとするとがんばれば買えるかも……)という淡い期待が打ち砕かれ始めた。
車両重量:1680kg
車両価格:1575万円
【一部改良】
2009年10月21日発表。フロントサスペンションのショックアブソーバーとばねの精度を向上させるとともに、SpecVのリヤディフューザーを全車に採用。さらに新しいナビゲーションシステムを導入した。
2010年
【マイナーチェンジ、MY11】
2010年10月18日に発表。エンジン性能と低排出ガス性能の両立、タイトコーナーブレーキングを緩和するための一時的2WDモードの追加、メンバー追加によるボディ剛性向上、フロントサスペンションのショックアブソーバー変更とスタビライザーのレバー比変更、リヤサスペンションのセッティング変更、薄型大径ローターの採用など、変更点は多岐に渡った。
外観ではフロントバンパーおよびグリル開口部を拡大、リヤバンパーは後端形状変更と延長、リヤディフューザーの延長で空力特性を向上させている。メテオフレークブラックパールとオーロラフレアブルーパールの新色2色を追加。
ラインナップとしては無印のGT-Rが「GT-R Pure edition」に名称変更、さらに「Club Track edition」と「EGOIST」が追加されている。
車体寸法:全長4670 × 全幅1895 × 全高1370 × 軸距2780mm
車両重量:1730kg
最高出力:390kW(530ps)/6400rpm
最大トルク:612Nm(62.5kgm)/3200-6000rpm
車両価格:869万4000~1500万300円
2011年
【MY12】
2011年11月7日に発表。エンジン性能と燃費性能を両立させ、向上。トランスミッションの内部構造を変更して静粛性を高めるとともに、デフオイルをNISMO製のものに全車変更した。また、パワートレインの増強に伴ってボディ構造を強化している。ユニークなのは左右非対称のシャシーセッティング。右ハンドル車では右側に高ストレスがかかることから、これをセッティングで是正した。画像の「For TRACK PACK」はオプション設定。
最高出力:404kW(550ps)/6400rpm
最大トルク:632Nm(64.5kgm)/3200-5800rpm
2012年
【MY13】
2012年11月2日に発表。インジェクターの変更と過給経路の改良でエンジンの回転特性を向上。ボディにはメンバーを追加し、さらにサスペンションセッティングを見直して走行安定性を高めた。
車両価格:875万7000~1516万8300円
2013年
【スペシャルエディションを限定発売】
2013年7月16日に発表。CFRP製リヤスポイラー、ハイパーチタンカラーコートのアルミホイールを装着。エンジンルームにはモデルナンバープレートを備えた。ボディカラーは専用塗色。全世界で100台の販売だった。価格は1050万円。
【MY14/NISMO設定】
2013年11月19日に発表。チーフ・プロダクト・スペシャリストが水野和敏氏から田村宏志氏に移り、GT-Rも新しいフェイズに移行しする。
「大人が楽しめる『NISSAN GT-R』」というコンセプトの元、シャシーセッティングを大幅改変、乗り心地とパフォーマンスをともに満足させた。さらにボディパーツの精度追い込みにより結合剛性を高めボディ変形を抑制、高い耐NVH性能を実現している。ボディカラーには新色のゴールドフレークレッドパールを追加した。
また、同日にオーテックからは「NISMO」グレードの追加が発表。ハイエンドかつスーパーパフォーマンスモデルとしての任務を務めることとなった。
(標準車)
車両重量:1740kg
最高出力:404kW(550ps)/6400rpm
最大トルク:632Nm(64.5kgm)/3200-5800rpm
車両価格:905万1000~1011万1500円
(NISMO)
車体寸法:全長4680 × 全幅1895 × 全高1370 × 軸距2780mm
車両重量:1720kg
最高出力:441kW(600ps)/6800rpm
最大トルク:652Nm(66.5kgm)/3600-5600rpm
車両価格:1501万5000円
2014年
【MY15】
2014年11月25日に発表。基本的にMY14を踏襲。ショックアブソーバーのセッティング変更、タイヤの設計変更などの改良が施された。新グレード「Track edition engineered by nismo」が追加されている。また、特別仕様車「45th Anniversary」も45台限定で発売、R34型スカイラインGT-Rと同じシリカブレスの塗色をまとっていた。
車両価格:944万7000~1170万720円
2016年
【MY17のNISMO】
2016年5月27日に発表。初代NISMO仕様はオーテックからのアナウンスだったが、MY17のNISMOは日産からの発表だった。
新しいフロントバンパー形状が特徴。標準モデルのMY17は本車に続く2ヶ月後の正式発表だったが、標準車の改良に伴うNISMO仕様の性能向上も著しく、追加ボディパーツの効果もありこれまでの日産車の中で最大のダウンフォースを得ることに成功していた。
車体寸法:全長4690 × 全幅1895 × 全高1370 × 軸距2780mm
車両重量:1740kg
最高出力:441kW(600ps)/6800rpm
最大トルク:652Nm(66.5kgm)/3600-5600rpm
車両価格:1870万200円
【MY17】
2016年7月11日に発表。MY16としての正式発表はなく、一年飛んでMY17として登場した。
大幅に各部を改変。デザインはVモーショングリルを採用、開口部を拡大しながら空力性能を損なわない形状とした。また、サイドシル前端を張り出し、フロントホイールアーチ周りの空気の流れを改善している。リヤバンパーは切り返しの位置を高めることでイメージを刷新した。ホイールデザインも大きく変更している。
操作系の大きな変更としてはパドルシフターがステアリングホイール固定型に移行、ナビディスプレイは大型化を実現した。エンジンもさらに性能向上を果たしている。
車体寸法:全長4710 × 全幅1895 × 全高1370 × 軸距2780mm
車両重量:1760kg
最高出力:419kW(570ps)/6800rpm
最大トルク:637Nm(65.0kgm)/3300-5800rpm
車両価格:996万840~1170万5040円
2017年
【MY18】
2017年11月16日に発表。一部グレードにのみ用いていた「国土交通省認可 サッチャム欧州カテゴリーII準拠 車両防盗システム」を全グレード標準設定へと拡大した。またApple CarPlayに対応している。
価格はついにベースモデルで1000万円オーバー。なお、MY19としての正式発表は2019年3月現在、まだない。
車両価格:1023万840~1396万9800円(NISMOは1870万200円)
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