10月2日に行われた2022年のスーパーGTの第7戦『FAV HOTEL AUTOPOLIS GT 300km RACE』決勝。シーズン4度目のポールシッターとなった61号車SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)は2位でチェッカーを受けた。これにより、シリーズランキングトップの56号車リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-Rに対し2.5ポイント差のランキング2位に浮上。2年連続のシリーズタイトル獲得に向け前進を果たす結果となった。
表彰式終了直後、第1スティントを担当した井口は「52号車(埼玉トヨペットGB GR Supra GT)のペースがかなり速かったので、苦しいレース展開にはなりました。ただ、そんな苦しいなかで、山内選手がかなり長いスティントを頑張って耐えてくれて、(隣にいる山内を見て)本当に感謝しております」とレースを振り返った。
0.4秒差の3位も満足のLEON。最終戦は「勝って1年を締めくくりたい」と蒲生尚弥【第7戦GT300決勝】
1コーナーのホールショットを守った井口。しかし、スタート直後から2番手の52号車が約0.2秒背後に張り付く状況が続いた。
「(52号車は)ライン取りも自由自在に動けるような状況で、1周目からぜんぜんペースが違うなという感覚がありました。こちらのタイヤも1周目からグリップはありましたが、それでも52号車の方がいい状態だなと。なんとか10周は耐えることはできましたけど、結局抜かれてしまいました。その後のペースでも離されてしまったので、悔しいですね」
10周目に首位に浮上した52号車は21周目に井口とのギャップを10.088秒まで広げた。それには15周目に導入されたフルコースイエロー(FCY)の影響もあったと振り返る。
「FCYが明けてからはあまりいいペースでは走れず、後続にも接近を許したり、全体的にすごく課題が残りました。その課題も最終戦に向けて改善できるように、取り組んでいきたいと思います」と井口。
また、26周目からステアリングを握った山内は「ポールからのスタートだったので非常に悔しいです。ただ決勝の52号車のペースは……ちょっと僕たちには敵わない速さがあったと思います。ただ、終盤も後ろ(3位の65号車LEON PYRAMID AMG)にも追い込まれるなか、2位を守りきれたという面ではすごく良かった点かなと思います」と振り返る。
終盤、山内の背後には1分47~48秒の好ペースを刻む65号車が急接近。42周目に9.3秒あったギャップは、51周目には4.2秒に。さらにその差はファイナルラップとなった61周目に0.4秒まで縮まるも、山内は2位のポジションを守りきった。
「(終盤の65号車は)速かったですね。(2度目の)FCY明けの僕たちのタイヤの戻りがあまり良くなくて。極端に(性能が)落ちるというわけではなかったのですけど、感覚的に『あまり良くない』という感じがありました。周りは逆に、FCY明けも(ペースが)上がっていたので、そこになにかの差があるのだろうなと思います」
「ギリギリでしたね」と語った山内は満足げな表情を見せた。
2度のFCY導入がレースペースに影響を及す結果となったものの、61号車は2位に入り16ポイントを獲得。シリーズランキングトップの56号車リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-Rから2.5ポイント差のランキング2位に浮上した。
「最後の最後に前にいた方がチャンピオンという展開になると思うので、非常に面白いレースをファンのみなさんにお見せることができるかと。かなり緊張感のある一戦になると思いますけど、そこまでの準備をしっかりして、高い緊張感のなかでも僕たちの速い走り、次元の高い走りをお見せできるよう、心構えをしていきたいなと思います」と山内。
そして井口は「去年はどちらかといえば、シーズン後半はずっと追われる立場だったので、緊張感もプレッシャーも大きかったのですけど、今年は追う立場なので。チャレンジャーの気持ちを抱いて最終戦でも速さを出せるように、それだけを考えて戦えればと思います」と語った。
サクセスウエイトによる重量差がなくなる最終戦もてぎ。56号車とは互角の条件となるなか、61号車はどのような戦いを見せるだろうか。ディフェンディングチャンピオンの走りに引き続き注目が集まる。
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