メルセデス・ベンツS560クーペ
text:AUTOCAR UK編集部
【画像】実は有能! スズキ・イグニス【実力派のコンパクトクロスオーバー】 全73枚
英AUTOCAR編集部のライターにとって「推し」のクルマをそれぞれご紹介する。
いつものように、彼らの「個人的な意見」を交えていることを了承いただきたい。
リチャード・レーン
Sクラスクーペは、メルセデスが何らかの形で悪質なマーケティングを行ったのではないかと疑ってしまうほど、世間に認識されていない。
サルーンはどこにでもあるが、人々はS560クーペの存在に気付くことなく、代わりにアストンマーティンDB11やベントレー・コンチネンタルGTなどのライバルに目を向けている。
メルセデスのクーペが人気を集めるときは、多くの場合S63やS65 AMGの派生モデルだが、あなたの欲求を満たすモデルはS560である。
クーペでありながら室内は広く、ブランドの名に恥じない質感を備えている。
他のブランドが「ラウンジのような雰囲気」を口先だけでしか再現できないのに対し、このクルマはそれを実現してしまっている。
最も洗練されたサスペンションが装着されているため、ロールス・ロイスのファントムでさえも、これ以上に乗り心地の良いクルマはない。
レクサスLS 400
レイチェル・バージェス
レクサス最初のモデルは、誰も予想していなかった方法で高級車業界を揺るがした。
トヨタのエンジニアは、6年の歳月と限られた予算の中で、あらゆる面でライバルを凌駕する高級車を開発しなければならなかった。
LSは確固たる目的をもって設計されており、どのトヨタ車とも部品を共有していなかった。
極めて静かで、信じられないほど滑らかで、並外れた品質を備えている。
革新的なサンドイッチスチール構造が振動を最小限に抑えながら、通気性を高める部品やフラッシュドアハンドルや窓などのデザインタッチが無敵の洗練性を支えていた。
そして、現在の価格で約7000ポンド(94万円)のオプションであるナカミチ・ステレオもあったが、これは今でも車内サウンドの基準とされている。
それだけ贅沢な性能と装備を備えていながら、6ポットのメルセデス・ベンツEクラスよりもまだ安かったのだ……。
マツダ323F(ランティス)
ローレンス・アラン
最後に見たのはいつだろう?
質素な323F(ランティス)のスタイリングは、1990年代半ばの家族向けハッチバックの中で唯一、いまだに色あせることがない。
メルセデスが現代のトレンドに乗り出すずっと前から、4ドアクーペとして販売されていたし、ピラーレスドアも付いていた。
また、2.0L V6エンジンを上位モデルに搭載したのも斬新で、急進派のマツダ・エンジニアリングは健在であった。
当時のマツダは販売台数が限られており、販売店も少なかったため、残念ながら英国での販売台数は決して多くはなかった。
ヴォグゾール・インシグニア
マット・サンダース
私の友人には、大きなファミリーカーを中古で買いたいと思っている人がたくさんいる。
私がインシグニアを買うように勧めた後で、彼らが友人であるかどうかを判断するのは、割と簡単なことだ。
インシグニアは過去20年間で最も過小評価された車の1つだ。当然のことながら、走りの面ではなく、スペースの広さ、使い勝手などを提供してくれたという点で。
後部座席には3つのIsofixポイントがあり、60:40に分割されている。
右ハンドルで、荷物をたくさん積めて、人がゆったり乗れる長距離ドライブに最適な「普通の」ファミリーカーが欲しいなら、インシグニアがベストな回答だ。
このクルマは、サーブとアルファ・ロメオのために設計されたプラットフォームを採用していることを忘れてはいけない。
モデル末期には、トルクベクトル式の四輪駆動、アダプティブダンパー、195psの2.0Lターボディーゼルを搭載し、21km/l近い燃費を実現。さらに0-97km/h加速は8.0秒と、立派な陸上選手だ。
乗り心地を向上させるためにサスペンションのストローク量を少し増やした、2014年または2015年のカントリーツアラーワゴンが私の好みだ。
シトロエンC1
スティーブ・クロプリー
世間がC1を愛さないのは、不思議でしかない。
全長3.6mとコンパクトで使いやすく、安価で愛嬌があり、何でもできるこのクルマは絶滅の危機に瀕している。
C1をショールームで見かけることがないのは、プジョー108やトヨタ・アイゴとほぼすべての部品を共有し、客をほとんどその2台に取られているからかもしれない。
私の意見では、シトロエンC1のスタイリングに「いいね」を与えたい。
さらに、機械的な部分や製造手順がトヨタ標準なので、本当に良いクルマだと思う。
フォルクスワーゲン・ゴルフV5
フェリックス・ペイジ
ゴルフGTIのファンは、神聖なホットハッチの第4世代に対し、失望を声高に訴えていた。
しかし、パンチの効いた代替モデルがここにある。ゴルフV5だ。
搭載されている2.3Lエンジンは、市販車唯一の狭角V型5気筒である。
世にも珍しいV5は、他に類を見ないサウンドを奏で、最上位モデルでは172psを発揮し、最高時速223kmまで加速することができる。
ゴルフV5は真のQカー(羊の皮をかぶった狼)の1つであり、急速に価格が上昇していることからも、愛好家がようやく目を覚ましたことが分かる。
シトロエンC4カクタス
ジム・ホルダー
誰にとっても、より大きく、より速く、より良いものがある。
シトロエンはブランドの伝統を受け継ぎ、他社との差別化こそ求められているものだと気付いたようだ。
その結果、エアバンプといった奇抜なスタイリングから、肉厚で快適なフロントの「ラウンジシート」まで、他社が提供していたものとは一線を画す衝撃的なクルマが生まれたのだ。
シトロエンはこのC4カクタスを、愛するかもしくは憎むべきクルマと宣言したのである。
ほしいクルマリストの一番上に来るか、一番下に来るかのどちらかだと。
その点では成功している。残念なのは、あまりにも多くの人々にとって、一番下になっていたことだ。
シトロエンは今日でも変わった存在であり、その点でC4カクタスは己の役割をきっちりと果たしたことになる。
しかし、より多くの人にアピールするために、過激な一面を減らしてしまったことは、大きな損失だと思う。
ホンダ・ジャズ(フィット)
ジェームズ・アトウッド
ホンダ・ジャズ(フィット)のオーナーは、明らかにこの日本製ハッチバックを愛している。
1台買って、手入れをして、他のモデルには目もくれずに次のジャズを買うのだ。
問題は、彼らが「ジャズのオーナーである」ということ。
彼らはやや高齢で、ドライビング・ダイナミクスやスタイルなどよりも、実用性や信頼性、価値を重視している。
しかし、ホンダはそうしたオーナーの声に耳を傾けることで、このような忠実な顧客基盤を構築してきた。簡単そうに書いているが、決して容易なことではない。
他の企業が高級化を目指す中、ジャズは顧客が求めるものを正確に提供し、それ以上のものは何も付け加えない。
退屈?
例えそうだとしても、もっと評価されるべきだし、もっと感謝されるべきだ。
アルファ・ロメオ・ステルヴィオ
クリス・カルマー
ステルヴィオはアルファにとって驚くべき大ヒットとはなっていないが、その理由の1つには、ジュリアの存在がある。
スポーツセダンであるジュリアの方が従来のファンには魅力的だし、高級SUVのドライバーはドイツ車に走るからではないだろうか。
しかし、三角形のグリルを備えた独特のハンサムフェイスと、バランスのとれたプロポーションには目を見張るものがありる。
V6エンジン四輪駆動のクアドリフォリオはフルコースのイタリアンだが、標準的な2.0Lガソリンターボや2.2Lディーゼルでもとても楽しい。
さすがはアルファ・ロメオだ。
それに加えて、インテリアは魅力的で、BMWスタイルのインフォテインメントシステムが充実している。
中古車市場でも、すでにお手頃な値段で出回っている。
スズキ・イグニス
マット・プライヤー
もし、コンパクトなハッチバックやSUVを探しているなら、イグニスは欲しいクルマリストの上位に来るはずだ。
コンパクトで実用的な、少し背の高いスズキのハッチバック、イグニス。
ほとんどの人が必要とする高さとスペースを確保しており、経済性も優秀だ。
AUTOCARのテストでは、スズキ車は非常に良好な燃費を示す傾向にあるが、イグニスでは特にマイルドハイブリッドシステムが燃費に貢献し、ガソリン代を節約してくれる。
室内は広々としていながら、コンパクトなボディサイズによって他車よりも運転しやすく、1万2250ポンド(154万円)からという価格設定も、英国市場におけるライバルを完全に打ち負かしている。
不思議な魅力を持つスタイリングも、私は良いと思う。
フィアット124スパイダー
マーク・ティショー
124スパイダーは、アルファ・ロメオが「イタリア製」のクルマしか売れないと判断したため、フィアットから販売されることになったアルファ・ロメオだ。
そのため4代目マツダ・ロードスターと、新生アルファ124スパイダーを双子にするという契約は、フィアットに切り替えられることになったのだ。
そして、124スパイダーはロードスターよりも良いクルマになった。
…おっと、つい口が滑ってしまった。それは言い過ぎだ。
正直なところ124スパイダーは見た目も良くないし、ハンドリングも甘い。
私としては、ターボエンジンに魅力を感じている。ロードスターは1.5Lエンジンを搭載しているが、いつも根性がないと感じていた。
1.4Lのマルチエアエンジンを搭載した124スパイダーは、より丸みを帯びたドライバーズカーだと感じた。
多くのシーンで、自然と笑顔にさせられるクルマだった。皆にも一度は味わってみてほしい。
スタイリングについては先述の通りだが、パワーとトルクの面では、フィアットは完璧な仕事をしたと思う。
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みんなのコメント
国内の名ばかりの自動車評論家・モータージャーナリスト連中は見習ってほしいね.
11台中4台が日本車,2台がOEMという結果でした.
売り方次第な気がする
マーケティングが弱いねスズキ