アメ車よりもアメ車っぽい!? 国産V8換装で鬼トルクを手にした高速ツアラー
キャノンボールやゴリラに劇中車として登場したA187A
「スタリオンにV8マッスルパワーを」セルシオのパワートレインをフル移植した超快適仕様!
1982年にギャラン系から派生した、三菱のフラッグシップスポーツのスタリオン。北米市場を強く意識したロングノーズ&ショートデッキのスタイリングに一目惚れする人は決して少なくなかった。
性能面では、全世界での販売を狙い200キロオーバーの巡航性能なども盛り込まれて設計。WRCなどの国際ラリーにも積極参戦し、グループBラリーに向け4WDモデルなどの開発が進められていたことも有名だ。
さらに映画『キャノン・ボール』ではジャッキーチェンの愛車として登場した他、テレビドラマ『ゴリラ』ではガルウイング化された車両が主役級マシンとして採用されるなど、当時の三菱が積極的にプロモーション活動を行なっていたことが伺える。
ここで紹介するマシンは、北米仕様の2.6Lブリスターフェンダーモデルだ。エンジンは4気筒のG54をターボモデルに発展させたもので、最大トルクは30kgmオーバー、当時の国産車の中ではトップクラスに位置するスペックを誇っていた。
そうしたベース車の素性まで加味し、最新のメカニズムをインストールしたのはエンジン換装チューニングを得意とする“C&Yスポーツ”。
オーナーの希望で選ばれたのは、なんと20系セルシオ用のV8エンジン(1UZ-FE)&ミッション。元々、4気筒エンジン搭載車のため、当初は“無理だったら作業を中断してエンジンを変更する”という約束で作業に取り掛かったそうだが、依頼を受けた側の意地もあってなんとか完成までこぎつけたとか。
実際、エンジンの搭載位置やワンオフのEXマニ周辺などを見ると、そのクリアランス調整は場所によってはミリ単位。ある程度の振動や熱害まで計算しながら、メイク&トライを繰り返して製作は進められたのである。
ロードクリアランスを確保するためにマフラーはテール直前まで左右バンクを独立させている。結果的にトルクアップにも繋がったそうだ。
ホイールにはメッキの深リム(バセットタイプ)をチョイスし、アメリカンなスタイルを演出する。
ステータスの高い左ハンドルのインテリアは基本的にオリジナル。B&M社製のAT用機械式シフトレバーを、セルシオの電気式のセレクターに組み合わせるは意外に大変な作業だったそう。
「苦労したけど、他にないクルマ作りに挑戦したという満足感が残ったし、オーナーさんも満足してくれたからチャラですね(笑)。V8の走りは気持ち良いですよ!」と、取材時にはC&Yスポーツらしいコメントを話してくれた。
●取材協力:C&Yスポーツ TEL:0561-38-8325
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